龍の国 日本 作:揚物
ムー国に新たに航空機パイロットを要求、ようやく100人体制となり、航空戦力として期待できる段階に達し、陸海空と共に全兵士の表情も険しい顔つきになり、訓練前とは比べものにならないほど精強となった。
ミリシアル艦艇はレーダーの運用に苦労したものの、XF5Uの運用に伴い識別や戦術に適応できるようになり、最低限ではあるが航空誘導も可能となった。
これ以上は時間もない為、手の打ちようがない。
レイフォル領
レイフォル沖に到着した原油タンカーから、グラ・バルカス帝国の小型タンカーに移し替えられ、順調に衛星映像からラグナ及びレイフォルの原油及び燃料備蓄地区、そしてタンカーの航路と陸地の輸送路が徐々に判明している。
空中給油が必要ながら、これで戦争が起こっても、容易く精密爆撃で継戦能力を奪うことができるだろう。
時同じくレイフォル領 射撃場では、売却を行う前の試射が行われていた。射撃場で直接渡し、その場で回収することになっている。
もちろん日本として売るつもりなど全くないのだが、平和的外交を行う以上建前の行動は必要であった。
太陽神の使いとしてハンドガンを持ち込み、グラ・バルカス帝国の兵士と幹部が試射を行っていた。
S&W M460XVR 14inch:
IMI Desert Eagle .50AE 10inch:
射撃場では的として、グラ・バルカス兵が使用する防弾胸当てを使用していた。
「まったく意味がないのか」
防弾胸当てを破壊し、その裏に置いてあった西瓜に似た果物を粉々に粉砕する。グラ・バルカス帝国ならば小銃でなければ不可能な事に、構造から威力の違いまで大きく差を開けられて居ることを痛感していた。
「一般商用品ならこの程度でしょうか。 では次はこちらをご覧ください」
太陽神の使いは当然とばかりに特に表情を変えず、太陽神の兵士が銃を構える。
Glock 18c:
FAB Defense KPOS G2 Kit
33マガジンを使用、まずハンドガンのままセミオートで10の的を撃ち抜き、10秒足らずでKitを装着、SMGサイズとなったGlockのフルオートで再び的を貫く。
「こちらは許可証が一応必要な商用品です。 試射も許可がありませんのでお断りいたします」
拳銃サイズでフルオートなどグラ・バルカス帝国には存在しない。
冷汗をかいているグラ・バルカス帝国の将兵に触れず、太陽神の兵士として手早く銃器をケースにしまう。
「次は骨董品ですが、もっとも安価に売却できます」
Mauser C96 M713 Gold Engraved:
木製ストック・クリップ装填器。
「これは……」
開かれたケースの中の銃を見て、グラ・バルカス帝国の親衛隊及び陸軍精鋭に配備され始めているものに似ていることに気付いた。
「100年ほど前の骨董品ですが、フルオート射撃が可能です」
セミオートならばグラ・バルカス帝国でも酷似したものはあったが、フルオートが不可能であり、クリップ装填器や木製ストックなどまだ開発がされていなかった。
「どの品も最低単位は100万丁、弾薬は100億発からです」
「それは余りにも」
「あなた達、コピーするなと言ってもするでしょう? これが最低限の売却個数となりますよ」
「そのようなつもりは……」
事実解析しコピー生産するつもりであった為、何かを言い返せるはずもない。
「ライセンスというシステムもありますが、安くはありませんよ」
取り決めの結果、Mauser C96 M713のライセンス権購入という形となった。
その頃、ムー沖合 無人島基地では訓練も終了を迎え、第一陣が空洞山脈へと向かった。
他国に知られぬよう空洞山脈内で訓練を、そして内部に整備と補給が可能な基地の建設を行っている。
分解し空洞山脈に運び込まれたタイガー戦車5台、そしてマウス1台、機工師団として組み立てと訓練にあたる。
上空からも確認が不可能であり、ムー国の軍部の中でも少々特殊な命令系統になり、軍部ではなく議会発動後となる。