龍の国 日本 作:揚物
中央暦1638年5月
今まで戦争をしていた国家を下し、新たな属領を得た事で大陸南部を全て制圧した。
盛大な祝賀会が行われ、玉座に座るルディアスが握る王杓には50カラットのブルーダイヤが収められ輝いていた。
しかし祭典のどこにもピンクのダイヤモンドはなく、レミールが個人的に所持している事は、日本の諜報組織以外誰一人として知る事はない。
ダイヤは永遠の輝きではあるが、また人を狂わす魔性の宝石、レミールはすでに宝石に魅入られていた。
諜報員達は毎月レミール邸に訪れ、物資の献上を行う。
「レミール様、こちらを献上したく思います」
女性は宝飾品、自らを美しく着飾ることに余念がない。だからこそ、宝飾品と共に最高級の絹を献上するために運んできた。
「こちらは最高級品であり、王族が本来使うものですが、全て献上する為にご用意いたしました」
メイドが反物を開くと光が美しく柔らかく反射し、その高級感は素人が見てもはっきりと分かる。メイドがレミールの元に運んでいくと、その手に触れる。
「素晴らしい手触りだ」
この世界の産業を調べたところ、絹は非常に高価であり、現代のものと比べて品質が劣っていた。これもまた取り入る為に使えると判断された。
「こちらは新しい真珠で御座います。 非常に希少なもので13珠しかございません」
黒真珠、日本でもほんの十数年前に養殖に成功したばかり、最高品質で事実採取量も少ない。光に当てると複雑な光を放つ。
「受け取っておこう。 今後も良き働きを行うように」
直轄外務地でありながらレミールは日本に訪れる事はなく、献上される品々を受け取り日本をろくに確かめる事もなかった。
新たな宝飾品と共に1万トンの食糧をレミール個人に献上、集まる食料や宝飾品に釣られ貴族もレミールの下に集まり、たった数ヶ月で大きな派閥となりつつあった。
また、アマロッテ商会を通して砂糖も流通した事で、お菓子の種類も増えたことでますます砂糖の需要は増えていた。
そろそろレミールに砂糖の献上も行えば、ますます権力があつまることだろう。
まずアマロッテ商会に卸している砂糖の量を半分しに、その代わりレミールの元に毎月1トン献上する。これによっていままでアマロッテ商会から購入していたほとんどの貴族は、レミールの元に集まり購入しようとするだろう。砂糖を得てから人は堕落したと言う説もある、砂糖を手に入れるために多くの金銭や権力がさらにレミールに集まる。
この流れはもはやレミール自身にも止めることはできない。