龍の国 日本   作:揚物

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50.世界会議

 多くの艦船が集まるなか、第三文明圏からはパーパルディア皇国が代表として訪れたが、先にリーム王国が第三文明圏名代として訪れていた。

 神聖ミリシアル帝国としてもリーム王国を認めるつもりなどなく、早々に断りを入れるも居座っている。

 世界会議に参加することができるのは、文明圏に強い影響力持つ国家であり、第三文明圏ではいまだパーパルディア皇国が代表であった。

 パーパルディア皇国の最新鋭である鋼鉄船が魔導蒸気エンジンによって水飛沫をあげながら、巨大な外輪を回しカルトアルパス港に入港。

 人々がパーパルディア皇国の発展に驚く中、グラ・バルカス帝国のグレード・アトラスターが入港。その巨体と黒鉄の造形美に多くの人々が見上げていた。

 半日ほどおいて、船体を浮き上がらせ高速で向かってくる船に港は大きな騒ぎとなった。

 

ナッチャンWorld

ウェーブ・ピアーサーと呼ばれる形状を採用された高速ジェット双胴船。

貨物満載1450トンで最大36ノット、航海速力で30ノット、最大で41.5ノットを誇る。

遅いように思えるが、貨物船としては異常な速さである。

 

 速度を落とし、ゆっくりと船体を沈み込ませながら接岸、さらに半日遅れて属国として日本の戦艦扶桑が貨物船と共に入港した。

 

 

 開催された世界会議では、エモール王国から魔帝復活までの予測年数の発表により、会議は大きく乱れたが、対する為に現れた太陽神の国家と紹介も行われ、その直後にグラ・バルカス帝国による宣戦布告。

名目上は第一第二文明圏、そして南方大陸への宣戦布告となり、その対象には太陽神の使いの国家及び属国は含まなかった。

 もはや会議は非常に乱れてしまい、まともな議題の進行など出来る状態ではなくなり、荒れる世界会議の中、静観している太陽神の使いとして場を鎮めず言葉を伝える。

 

「私達は戦後魔帝に対するのであれば、戦争など気に致しませんよ。 ただし、戦時国際法の取り決めは行うべきでしょう」

 

 もちろん表向きは中立ではあるが、グラ・バルカス帝国では分かる限りではあるが、支配体制が好ましくないため裏では他国に支援を行う。

 太陽神の使いとして促し、簡単ながら戦時国際法の取り決めが行われ、

・背信行為の禁止

・非戦闘員及び降伏者、捕縛者の保護

・戦争犯罪の処罰

 戦時国際法の知識がなかったミリシアルやムー国は、理解するのに少々苦労していたが、グラ・バルカス帝国には規定があった為取り決めはスムーズに行われた。しかし、

・交戦法規

・中立国の義務

 これらは今後と言うことであり、グラ・バルカス帝国にもないため、結ばれなかった。

 

 列強同士の大規模な戦争について話し合いが続いていく中、アニュンリール皇国は単独でその場を後にした。

 急ぎ足で会議場を離れようとしているところ、一人になったとき呼び止める。

 

「どちらに行かれるのですか?」

 

「いえ、我々は文明圏外国家、列強に戦争を挑むような国家相手に」

 

 アニュンリール皇国の外交官は、隠す事が出来ない憎しみの目を太陽神の使いに向け、丁寧な言葉を選んで隠そうとしている。

 

「それほど我々が怖いですか? 魔帝の捨て子さん」

 

「……なんのことでしょうか」

 

 隠れていたTALOS部隊によって外交官は抑え込まれ、魔法が使えないよう神聖ミリシアル帝国から入手した魔力を封じる枷をつける。

 

「あなた達がラヴァーナル帝国から見捨てられた、光翼人の末裔であることはわかっています」

 

 エスペラント王国から得た情報を精査し、アニュンリール皇国の正体は判明している。

 船はすでに拿捕し、見た目は帆船であったが内部には動力が存在し、機帆船であることは明白であった。

 神聖ミリシアル帝国でもまだ極々一部しか知らされていない、エモール王国が知れば最悪種の存亡を掛けた戦争に発展しかねないため、グラ・バルカス帝国の一件が片付くまでは最重要機密としている。

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