龍の国 日本   作:揚物

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51.カルトアルパス港

 太陽神の使いが離れた後も、物資の搬出搬入作業がある為、日本の戦艦扶桑と貨物船は停泊していた。

 宣戦布告前に、神聖ミリシアル帝国が大量購入した保存食の荷下ろしと、鉱石類の積み込みである。

 建前上中立となる為、今後は軍事に関わる輸出入は少々控える事になるが、その前の契約ならば何ら問題はない。

 順調に積み込みが行われている中、フォーク海峡の防衛線は崩壊しかけ、カルトアルパス港にまでグラ・バルカス帝国の航空機が迫っていた。

 

「グラ・バルカス帝国航空機、こちらに向かってきます」

 

 識別反応がない以上、航空攻撃は無差別になりやすい。日本も宣戦布告の対象外としても、自衛のために攻撃をしなければならない。

 

「貨物船を守る為対空攻撃を用意」

 

 

戦艦扶桑

基準:31,800トン

全長 215.1m

全幅 31.5m

最大速力 24.5ノット

兵装

41 cm(45口径)連装砲6基

CIWS 1A 6基

68式3連装短魚雷発射管 × 2基

 戦艦扶桑は、FCS・レーダー・ソナー・機関換装、その程度の改装が限界である。トップヘビーな艦橋を絶妙なバランスで支えている船体を、大きく改装することが出来なかったが、一方で大型な艦橋の為に電子システムの搭載には他の艦に比べて苦労はしなかった。

 

 

 レーダーには無数の航空機が港及び民間地域に、爆装していると思われる航空機の姿が映されている。

 

「港湾部、軍事エリアではなく商業区及び市民住居への飛行ルートを確認」

 

 やはり前準備が足りなく、軍港と商業港の区別がついておらず、カルトアルパス港に対する無差別攻撃となってしまっていた。

 

「邦人及び民間人保護のため迎撃を開始する。 CIWSを稼働せよ」

 

 唯一カルトアルパス港に残っていた、戦艦扶桑は単艦での迎撃戦に入る。

 

 

 

 灰色に染められた戦艦、港の沖合に停泊していたため攻撃に移ったのだが。

 

「対空砲火が来るぞ! 全機散開しろ!!」

 

 CIWSから放たれる対空銃撃、カルトアルパス港に向かっていたアンタレス及びシリウス爆撃機は、正確な対空砲火によって次々と火だるまと化し墜落していく。

 

「リゲル雷撃機はどうした!?」

 

 停泊している以上、攻撃するには雷撃が最適であったのだが。

 

「港まで来ているのはアンタレスとシリウスだけです!」

 

 空襲のために態々リゲル雷撃機を送るわけもなく、シリウス爆撃機護衛の為のアンタレスしか空襲に来ていなかった。

 

「なんとしてでも爆げ」

 

 CIWSの設定距離を割ったグラ・バルカス帝国の航空機は、戦艦扶桑によって接近することも出来ず、対空砲火によって海上に落ちていく。

 30機程度撃墜されところで、攻撃を止め引き上げていく。

 

 

 

「グラ・バルカス帝国艦隊と無線が繋がりました。 宣戦布告の意図はなく、識別ミスによる攻撃だと連絡がありました。 その為謝罪を行い、グラ・バルカス帝国が負った人的及び軍事的損害については問わぬそうです」

 

「情報を正確に外交部に回すよう連絡を、我々現場サイドが考える事ではない」

 

 後日、日本として問題視することもなく、太陽神の使いとしても問題ないと回答をすることとなる。

 日本としてはこれを理由として、グラ・バルカス帝国に正式に宣戦布告をしてもよいのだが、対魔帝の為に軍備を整えている兵器を、グラ・バルカス帝国に使うのは好ましくない。

 試験や試作品、主力外兵器などなら投入できるのだが、主力兵器を投入する事は控えていた。

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