龍の国 日本   作:揚物

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52.ムー国の強化 前

 有翼人から情報の非人道的抽出が行われている中、神聖ミリシアル帝国からアニュンリール皇国に対して、グラ・バルカス帝国との海戦に巻き込まれ、船は沈没したと連絡が入れられた。

 もちろんスパイによって外交官が行方不明になり、太陽神の使いによって船が奪われた事までは伝わっているだろう。

 問題はいつ仕掛けてくるかであるが、いままで国家を秘匿していた以上、まずは情報収集を重ねたうえだと予測されている。

 属国である日本の位置も浮島しか世界的に知られておらず、本土の位置さえも秘匿している現状、攻撃をしたくとも出来ないはずなのだから、まずは浮島への潜入工作員を最大限警戒を始めた。

 

 

 

 フォーク海峡海戦によるラ・カサミの大破、これはムー国にとって最新鋭である戦艦が敗北しただけではなく、技術的に敗北したという事であった。

 一方で、カルトアルパス港に居たムー国の外交官達は、戦艦扶桑の性能を目で見ており、浮島にムー国の外交官が訪れていた。

 ちょうど都合よくというわけではないが、監視衛星からムー国の飛行機が向かっていること、さらにラ・カサミを曳航しながら少数の艦隊が向かっていることを確認し、太陽神の使いとして偶然を装い浮島に前日に到着した。

 物資の積み下ろしをしていた所を、ムーの外交官達が訪ね、技術士官や外交官は対魔帝部隊や供与された技術から、太陽神の使いとの技術力差を理解していた。

 だからこそ、ムー国を守るために、なんとしても協力を取り付けようと、必死であった。

 

「ムー国として最大限人員も資源も協力いたします」

「ムー国民を守るために何卒お力を」

 

「特にその必要性を感じません」

 

 外交の一環として、ML86Xの外交室で話を聞いていた。

 太陽神の使いとしては、戦争には興味がないという立ち位置であり、建前を含めて協力をする事は出来ない。

 

「ムーは日本、ヤムートと1万年以上前からの友好国でございます。 何卒何卒太陽神の使い様のお力をお貸し願えますようお願いいたします」

 

 日本はムー国と古来の関りがあるヤムートとして、間を取り持つ形を取る事で、目の前で頭を下げたりとパフォーマンスを行い、上下関係がある別の国家であることを明確に示す。

 

「仕方ありませんね。 それでは対魔帝用として試験改装を行いましょう。 あなたたちがどう使用しようとも、我々は関与しませんし、何が起きても関与しませんよ。 ラ・カーニャにおいて十分データ収集も終わりましたし、不要となった試験兵器も搭載しましょうか」

 

 対魔帝用を名目として大規模改装を行うこととした。

 現在の基準でいえばイージス巡洋艦こんごうよりも、小型のラ・カサミは手を入れる箇所は余りにも多かった。

 しかし考え方を変えれば、軽巡洋艦程度のペイロードを持つ船であり、大破していることから原型を留めないほど改装が可能という事でもある。

 

 

 

 船のみ日本本土に曳航し、ラ・カーニャの改装で様々な構造や改造案が建てられ、次のラ・カサミ級のために用意しておいた資材や部品を投入することとなった。

 

・45口径41cm単装砲

長門から取り外され、自動装てん装置とFCS調整搭載のみ。

・ミストラル6連装・遠隔式SADRAL

シーRAMより安価に製造できる可能性から試作製造されたのだが、結論だけでいえば、弾薬費は安く済むものの即応性に劣り、最大6連発から対魔帝戦には不向きとされた。

・ヘッジホッグ

多弾散布型の前投式対潜兵器、これもまた魔帝がシーサーペントなど海魔を使役していた場合、安価に対応できるかと期待されたのだが、確実に仕留められる短魚雷の方が安価だという結論に至った。

・89式魚雷改

18式に換装されているため旧兵器、船舶からも発射できるよう一部のみ改良が施されている。

 

・船体の改造

・船体の延長 131.6>150m

・流体力学に船体形状の変更

・機関の変更

 

 原型さえ残すつもりがないほど、全てにおいて手を入れる。

 これだけの改良を施したところで、1970年代の力を持つだろう魔帝に対応は難しい。これもまた、ムー国での教導団名目で自衛をさせるための戦力でしかない。

 日本がラヴァーナル帝国を対処するまで、壊滅しないよう自衛してもらわなければならない。

 技術をある程度公開したところで、どうやら思考の根本に世界平和及び融和主義があるムー国ならば、未来的に考えても悪用の可能性は非常に低いという結論に達していた。

 またコピーや解析に関する事など、約束を守るとも確認が取れている。

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