龍の国 日本   作:揚物

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53.ムー国の強化 後

 XF5Uの運用を兼ねてムー国航空基地全ての滑走路は延伸工事、そして燃料の備蓄作業が進められている。高出力のエンジンを稼働させるため、適切に生成された燃料が必要なためだ。

 マイカルでは燃料精製設備が稼働し、蒸気機関車や車両を使って国内中に輸送されている。

 商用品ながら高出力のレーダー基地もキールセキに設営され、現在無人島基地で訓練を受けた技術士官が運用を行っている。

 ムー国の商用エンジンも複数仕入れ、様々なテストをした結果、第一次大戦から第二次大戦の戦間期にあり、まだまだ基本的な工作精度から技術理解が足りていないことが分かる。

 XF5Uのライセンス生産で幾らか向上も見られてはいるが、やはり民間レベルまで技術の広がりは見せておらず、推測できる段階ではまだまだグラ・バルカス帝国に対して正面切って戦いを挑んで勝てるとは思えない。

 しかし陸海空においてムーに対する処置は全て終わった。

 これでグラ・バルカス帝国に負けるようであるならば、もはやラヴァーナル帝国に対して時間を稼ぐことも出来ないだろう。

 

 

 

 グラ・バルカス帝国 レイフォル領

 レイフォルに現在航空機と物資が運ばれていた。

 名目は航空機の売却するための第一評価試験となるが、グラ・バルカス帝国がここの所、どうも太陽神の使いとして、空戦能力を疑っている節がある為、少々圧力をかけるために、技術取得済みで保管してあった航空機を引っ張り出す事にした。

 

 DH.110 シービクセン

 最適なジェット構造の航空機情報を与えないため、いささか異質な航空機となるが、これでも十分な速度と航空戦能力を持つ。

 

 レイフォルの飛行場では、意地でも背後に着こうとグラ・バルカス帝国の航空機パイロットは技術を駆使するが、簡単に突き放され自由にレイフォルの空を飛行する。

 

「旧式ですからこの程度ですね」

 

 ごく当たり前の表情を浮かべながら、空を見上げている太陽神の使いに対し、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら、航空機パイロット達は空を見上げていた。

 

「あれで、旧式、ですか」

 

 陸軍空将であるパースはグラ・バルカス帝国が誇るアンタレスが、まるで猛禽類に弄ばれる小鳥のように思えてしまった。

 

「あれでも魔帝相手には一対一が関の山でしょうかねぇ」

 

 魔帝という怪しい存在を気に掛ける相手に、少々正気を疑いたい点もあるが、それでも目の前の現状は理解ができる。

 旧式相手にさえ、アンタレスでは相手にならない、それが現実だ。

 

「100機の輸入、いや全てを機種転換するだけの購入を打診できるだろうか」

 

 解析は不可能だとしても、修理メンテナンスを繰り返せば必然と構造はわかる。

 そこから新たな航空機を開発と、パース空将は考えていたが、一機当たりアンタレス数十機分の価格に財務局が許可するわけもなく、最低単位の100機さえ購入する事は出来なかった。

 

 

 

 

 日本 防衛省

 

「MOAB、少数ですが生産が完了しております。 ですが、さらに拡大された爆弾の開発は難航しております」

 

 ある種の技術的限界、MOABの大型化は難しく、新しい技術開発が為されない限り、非核型爆弾の高威力化は技術的停滞時期に入っていた。

 

「ムー国無人島基地、大陸間弾道弾の配備が完了しました。 核ほどではありませんが、MOABを搭載したと思ってもらえれば良いかと」

 

 実質的にグラ・バルカス帝国内が射程距離範囲となった。西方方面における軍備増強は以上で良いだろう。

 これからはアニュンリール皇国に対する為、大陸間弾道弾の精度向上及び通常弾及び水素爆弾の開発に国力を割かなければならなず、わざわざ相手をしている余裕などない。

 太陽神の使いとして、技術力差を理解し、第一第二列強との戦争を、有利な状態で辞めるならこれ以上は関わらず、変わらぬのなら燃料貯蔵庫及び、物資貯蔵庫への攻撃を開始する。

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