龍の国 日本   作:揚物

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56.想定外

 太陽神の大型コンテナ船が、グラ・バルカス帝国レイフォル領から出航。通常価格より大分高めに設定された資源をグラ・バルカス帝国は購入、例えグラ・バルカス帝国が相手だろうと、対価を支払うのなら技術に関しない限り売却をする、その方針に従っていた。

 レイフォルに物資を輸送したのち、念のためマイカルで食料と水の補給、日本に向け物資を積んだコンテナ船が向かう中、マイカル沖300km、ここで一つ太陽神の使いとしても、グラ・バルカス帝国としても想定外の事態が起きた。

 

 

 コンテナ船がグラ・バルカス帝国の水偵によって攻撃を受けた、明確に日本の旗を掲げ、グラ・バルカス帝国が使用している無線周波数に太陽神の国家と伝えるも、通信が繋がる事はなく脱出艇に乗った船員も殺された。

 幸い最後まで船に残っていた船長だけが生き残り、ムー国の船舶に救助されたことで、攻撃した航空機の識別が早急にできた。

 取引のある中立国への攻撃、さらに非戦闘員である民間人の殺人、宣戦布告するには十分すぎる行為であった。

 直ちに問題となり、ML868でレイフォルに外交官が赴いていた。

 

「グラ・バルカス帝国からの宣戦布告の意思は受け取りました」

 

 急ぎグラ・バルカス帝国が状況を確認する中、確かに潜水艦隊がマイカル沖にて、同日同時刻に一隻の輸送船を攻撃し、沈めていることが確認できた。

 つまり、明確に太陽神の使いの国家、それもレイフォルに物資を運んだ帰路に攻撃を仕掛けたことになる。

 

「そのようなつもりは決してありません! これは海軍部のミスで!!」

 

「もはや手遅れです。船舶撃沈だけでしたら交渉の可能性もありましたが、避難艇に乗った20人の船員は、銃撃を受け死にました。民間人の殺害に関しては、国家として責任を取って頂きます。それでは」

 

 青ざめるグラ・バルカス帝国の外務省の職員や軍部の者を置き去りに、外務省を離れると通信用コンテナを引き上げ、レイフォルを離れていった。

 

 

 今まで表向き、ムーや神聖ミリシアル帝国には、対魔帝の為に訓練を施していた部隊や艦隊の、対グラ・バルカス帝国への使用には何も言わなかったが、許可を正式に両国に出した。

 ムー国では、オタハイトに対魔帝部隊が配備され、連日首都防衛艦隊に訓練を付けている。

 教導団として戻ってきた兵士の表情の変化に皆驚き、訓練を受けている首都防衛隊はまったくついていけず、毎日地獄のような訓練に

 

「悪魔のラ・カサミ、地獄のラ・カーニャ」

 

 と呼ばれ、配属されることをムーの海軍兵は非常に恐れた。

 そんな中、衛星映像からグラ・バルカス帝国の艦艇が、北回りでムー国オタハイトに向かっている事が分かり、秘密裏にムーに対して警告。

 オタハイトから急ぎ首都防衛艦隊及び対魔帝艦隊が迎撃のために出航した。




ちょっと忙しくて停滞しましたが、
書き貯めも出来ましたので、
あと3話くらいは早めにあげます。
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