龍の国 日本   作:揚物

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57.オタハイト防衛・マイカル沖殲滅

迎撃に出た艦隊のレーダーにはグラ・バルカス帝国の航空機が映り、戦闘態勢を整える。

 

「対空攻撃用意!」

 

 ラ・カサミによる対空誘導弾、ミストラル6連装・遠隔式SADRAL2基が次々と発射され、グラ・バルカス帝国の航空機は成すすべなく火達磨となって墜落していく。甲板では発射が終わると甲板員によってミストラルの再装填が行われる。補給は時間との勝負、訓練によって早急に補充が行われる。

 一方ラ・カーニャからは空を埋め尽くすほどの対空砲火が撃ち上げられ、接近しようと試みる爆撃機が次々と火の塊となって墜落していく。

 余りの対空砲火に空の一面が対空信管の爆発によって黒い煙に覆われ、まるでドーム状に防空圏を表していた。

 700kmのXF5Uを標的に様々な対空砲火訓練行い、レーダーによって速度予測さえできていれば、推定速度予測によって対空砲火ポイントを見極める事が出来る。

 

 脅威ともとれる防空能力に、グラ・バルカス帝国の航空機が撤退していく中、過酷な訓練により、やせ細っていたミニラルの目は鋭く海上を睨んでいた。

 

「我々がムー国を守るのだ! 各員一層の奮闘を期待する!!」

 

 ムー国を守る為と言う意思を中核に、地獄のような訓練を耐え抜き、強化された守ると言う意思はラ・カサミを最大効率で運用していく。

 迫るグラ・バルカス帝国の艦隊をレーダーと視界で捕え、45口径41cm単装砲の照準が自動で合わせられる。

 

「主砲射程に入りました!」

 

「撃てぇぇい!」

 

 ラ・カサミの船体を揺らすほどの轟音、10数秒の飛翔時間を置いたのち、先頭を進んでいた駆逐艦を砕き爆発炎上し沈んでいく。

 劣化モデルとはいえ、自動装てん装置とFCSによって次の標的へと砲身が向けられる。

 30秒の時間をもって続けて発射される大口径の砲弾は、重巡洋艦の装甲を打ち砕き大きな爆炎を上げた。

 

「長魚雷射程30kmです!」

 

「戦艦に向け魚雷発射! 次いで巡洋艦、駆逐艦に向け攻撃を続行せよ!」

 

 注水が完了し、設定の終わった長魚雷が発射され、慌ただしく艦内では次弾装填作業が行われる。

 

「敵戦艦から砲煙確認! レーダーから交差無し判定!」

 

「航路そのまま! 続けて魚雷発射せよ!」

 

 最大船速で航行しながら、レーダーと鍛え上げた技術を信じ、ラ・カサミは次の標的へと魚雷の設定を行う。

 交差する砲弾によって激しく波が船体を揺らし、船内では少なくないけが人が出るも、ラ・カサミの最大限運用を続ける。

 ほんの20分、その時間によって魚雷が到達し、グラ・バルカス帝国の艦隊は水柱を上げ水中に引きずり込まれていった。

 

 

 

 

 

  ムー国 マイカル

 日本企業はないが、国家法人が情報収集を行い、原油精製技術について簡単な指導を行っていた。

 ティーゲル戦車と同時公開した技術によって発展した製鉄・精油技術。しかしそれに伴う大気汚染を危惧し、大気汚染防止技術、これだけは最新設備を与えなければ世界を汚染してしまう。その為に太陽神の使いとして、ブラックボックス化した浄化設備を販売し、接続と運用方法を指導していた。

 そのマイカルに向け、グラ・バルカス帝国の艦隊が迫っていることが分かり、邦人保護のために潜水艦が静かに忍び寄っていた。

 優先すべきは対魔帝戦と国民の保護、次いで世界の平和であり、無差別攻撃になりかねない場所に攻撃を仕掛けようとするなど到底容認できるものではない。

 

 ただ静かに、一隻たりとも残さず、気付かれることもなく、4隻のそうりゅう型潜水艦が潜んでいた。

 一度に空母を含んだ5隻の艦が沈み、グラ・バルカス帝国の艦隊が慌てふためく中、続けて魚雷が発射され通信を行う暇もなく艦隊は1時間もかからず消滅した。

 

 何も理解することができず、マイカル市民は何が起こったのかも知る事もなく、ただ現状の平和と迫る戦火だけを心配していた。

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