龍の国 日本   作:揚物

62 / 157
62.大陸間攻撃に向けて・空洞山脈航空戦

 ムー国無人島基地に設置されている発射台に、通常弾ではあるが大陸間弾道弾が設置され、グラ・バルカス帝国沿岸に存在する軍の燃料貯蔵庫、10万トンの生成された重油が保管されている地区へ向け、攻撃を行う準備が進められていた。

 本国への攻撃など全く考慮されておらず、大気圏外から降下してくる誘導弾をグラ・バルカス帝国が迎撃を出来るわけもなく、何が起きたか認識する事さえできないだろう。

 とはいえ、日本として使用経験がない為、精密なシミュレーションを繰り返し、確実に標的に攻撃を加えられるよう、入念な準備が進められていた。

 

 

 

 ドーソン基地、アルーの町、その二か所を奪還する為、空洞山脈基地からは整備の終わった教導団戦車隊が、エヌビア基地からは教導団と主力航空部隊が制空権奪取に向かう。

 もちろん、制空権を奪えなかったとしても、B-1Bランサーによる高高度爆撃は行われる。

 エルビア航空基地からXF5Uが次々離陸していく中、ゆっくりと震電が滑走路に入り、甲高い轟音をたてXF5Uを引き離し高度を上げていく。

 ムー国総数100機の航空機による制空権奪取、第一次反抗作戦の幕開けとなる。

 

 

 ドーソン基地には占領したグラ・バルカス帝国によってレーダー設備が設置され、空洞山脈上空で敵機を発見し急遽アンタレスによる航空戦が始まった。

 

「くそ! 妙な航空機のくせに!」

 

 アンタレスは苦戦し、速度・旋回性能・火力、どれをとってもXF5Uが上回る。

 ムー国を守る為、過酷な訓練を乗り越えたパイロットたちとことなり、格下相手に戦う心構えであった、グラ・バルカス帝国の航空機パイロット達は、マリン相手に練度も下がっており、ほとんど対応することができない。

 ドッグファイトによってXF5Uに何発か機銃があたるものの、失速や墜落することなく、戦闘が続けられアンタレスが次々と落ちていく。

 数発程度当たったところで、ハニカム構造かつ木製のXF5Uを撃墜する事は出来ない。

 むろんコックピットやエンジンはどうしようもないが、その強固さと安定具合は、ムー国にとっても利でありマリンと入れ替えで大量生産が行われている。

 生産と配備のバランスが取れていないが、いずれは艦載機もXF5Uばかりとなるだろう。

 

「空の化け物が来るぞ!」

「後ろを取れ!」

「数で対応しろ!!」

 

 甲高い音を立て、一機の航空機がアンタレスの間を抜け、2機が墜落していく。

 一撃離脱戦法、M61 バルカン一門、射程も長く連射速度もはるかに上回る震電によって、アンタレスは容易に撃ち抜かれ、背後を取ろうとするも距離を取られてしまうか、墜落するかのような急旋回に対応できず、近付いてくるたびに2~3機が落ちていく。

 狙われれば回避する事の出来ない死神が、鎌首もたげて迫ってくる。その恐怖は絶対のもので編隊は連携を取る事さえできず、ただ逃げ回り混乱した通信が錯綜するだけであった。

 しっかりと震電の特性を理解し、それを生かせるパイロットが乗り込み、状況の混乱を助長させムー国にとって有利な状況を作り上げていた。




あとがき
 大学時代に鳥人間コンテンストに応募する為、航空力学の勉強と無尾翼機の計算をしたことありますが、正直初歩以外わかりませんでした。
 XF5Uの形状を理解できるかどうかで、航空力学の理解程度が分かるといいますが、私にはわからないようです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。