龍の国 日本   作:揚物

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64.アルー奪還・派兵準備・黒い鳥

 アルーには撤退できなかった住民が残され、凄惨な状況におちいっていた。戦時国際法が結ばれていながら、アルーで守られていない事は明白であり、私刑・強盗・暴行・強姦が横行していた。

 軍隊とはそう言った事が起きるからこそ、内部で厳しく取り締まる部隊が必要となるのだが、グラ・バルカス帝国ではそれが形骸化していた。

 むろんドーソン基地やバルクルス基地が完全に破壊されたため、統制が破壊されてしまったというのもあるが、将兵の質が余り良いものではなかったのも要因の一つであった。

 

 

 

 ムー国の教導団と編成されたばかりの自動車と装甲車ばかりの機甲師団、そして歩兵師団がキールセキを出発し、空洞山脈を抜けてアルーへと向かっていた。

 主戦力とはいえ、グラ・バルカス帝国とほぼ同等か一歩劣る装備が基本であり、参戦した第二文明圏各国の装備となるとさらに落ちるものとなる。

 それでも数万の歩兵や工兵は重要なものであり、キールセキから空洞山脈内を通る形で、突貫で線路の敷設が行われている。制圧が成功した後も、物資供給が間に合わなければ奪還されてしまうからだ。

 

 主力航空部隊は現在補給及び訓練中であり、大金星を挙げた震電に至っては現在メンテナンス中で飛行はできない。

 ムー国では本格的整備が出来ないため、一度戦闘飛行を行えば太陽神の使いに整備してもらわなければならなかった。とはいえ、とんでもない撃墜数をたたき出し、名実ともにエースであり戦意鼓舞に使える人材を早々前線に送れるわけもないが。

 

 

 太陽神の使いとしても兵力を用意し、超大型飛行船ML86Xによってオイ車・ホリ車・チリ車が輸送され、不整地向けに生産が行われていたエクスカリバー戦車も20台投入された。

 危険な市街戦など行うつもりはないのだが、都市から逃げてきた兵士への対処、難民を保護するために兵力を派遣する。

 

 

 

 ケーニクスティーガー・TALONを参考に、人員の安全性を確保できる事からドローン戦車の開発が急がれた。

 ロシアのウラン-9・米軍のRIPSAW M5を参考に、用途及び主目的などを明確に、価格低減と重量低減に努める。

 何よりも重視されたのは小型軽量でローコストであること。

 一から車体を再設計していては時間がかかり過ぎる、各国の軍事産業に協力を求め、会議の結果、FV107シミター装甲偵察車を参考にするとした。

 

全長:   5.148m

全幅:   2.242m

全高:   2.096m

全備重量: 7.07t

武装:   Mk 44 ブッシュマスター II 30mm×1 

      7.62mm機関銃L43A1×1

      ミストラル汎用誘導弾×2

HOT 対戦車誘導弾×2

 各種センサー類、レーザー警戒システム、熱/電気光学カメラを搭載、簡易レーダー、最低限であり互いに連携させることで群として運用する。

 連携接続することで多目的に状況を判断し、群れで対応させる。

 

 

 

 

 

 

 

 B-2スピリット・ジャパン

 日本でも一機しか存在しない。虎の子、アメリカから購入する時もかなり無理しており、専用ハンガーで厳重に保管されている、全てを焼き払う黒鳥である。本来であれば有事の際には米国主導で使用される事になっていたが、転移前に所有を完全に移管されていた。

 いま現在、アニュンリール皇国の先進研究所に攻撃を仕掛ける為準備が進められていた。先進研究所に近い基地を高高度から爆撃し、それと同時に特殊部隊を潜入し混乱している間に鬼姫を奪還、基地は新型の電子励起爆弾で跡形もなく吹き飛ばし、奪取されたことを隠す。

 着々と準備が進められていく。

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