龍の国 日本 作:揚物
グラ・バルカス帝国に対して残されていた大陸間弾道弾が撃ち込まれ、北部と南部の軍港が破壊された。
しかし南部に至ってはミスが起きてしまった。正確とは言えない狙いであったにせよ、海上で爆発してしまい巨大な津波を引き起こし、民間施設にも被害をもたらしてしまった。
このため現状の弾道弾の精度では内陸にある軍事基地を狙うのは適切ではないと判断され、現状では空爆による精密な攻撃が最適であるとの判断に至る。
ミリシアルの艦艇を先頭に、ラ・カサミ級2隻、日本の扶桑と艦隊を組んでプシュパカ・ラタン沖に停泊していた
神聖ミリシアル帝国及びムーと共に訪れ、総意としてアニュンリール皇国の外交官と話を行っていた。
「ヘイスカネン国から誘拐した鬼姫エルヤの返還を求める。 これは命令である」
神聖ミリシアル帝国の外交官が代表として、アニュンリール皇国外交官に対して要求を出していた。
「一体それはなんのことで」
「ヘイスカネン国を我々は国家承認し、詳細な情報を得ている。 言い逃れや隠す事は許しません」
冷汗を流しているアニュンリール皇国の外交官を尻目に、一切の妥協を許さぬ強い口調で話を続ける。
仮にも神聖ミリシアル帝国は第一列強、現在戦争中とはいえ、すでに太陽神(日本)の参戦により大勢が決しつつあり、運用していなかった対魔帝艦隊を派兵していた。
「期限は3週間、それまでに返還がなければ、周辺国との一切の交易を禁ずる。 それでもなお返還しないのであれば、覚悟を決めるように」
確固たる証拠があるとして、有無を言わさず言い渡す。
所詮は偽装出島、しかしそれゆえに本当の戦力を配備していないことはわかっている。
確率は半々ではあるが、アニュンリール皇国本土から艦隊が出てくるか、それとも黙殺するかだが、日本の読みでは黙殺方向で返還を行うと考えられている。
むろんそのような事をさせるつもりはなく、表向き公式的に圧力をかけ、どうすべきか会議を行っているうちに強奪し、返却できないとして非を問うつもりであった。
一年か二年か、完全に交易を禁止する間に、ミリシアルやムーは国力の増強を行う算段であった。
現在 大陸の北側を航空機が飛行していた。
先進生物研究所の爆撃40分前に強襲し、鬼姫エルヤを救出、そして爆撃の騒ぎに乗じて離脱すると言う事になっている。
防空体勢も破壊する為、先行したF-35Aもステルス機能を優先した装備で防空識別圏に侵入、レーダー関連設備を破壊するため、そして先進生物研究所に向けてV-22が向かっていた。
最大まで増槽タンクを装着したV-22、往復距離にあまり余裕はないが、それでも救出部隊を送り込むには十分である。
迅速に鬼姫エルヤを奪還する事が任務のため、TALOSのみで構成された救出部隊を編成、たった2小隊ではあるが強襲するには、これ以上の戦力を投入すると撤退時に時間を要してしまう。