龍の国 日本 作:揚物
非常事態と言うこともあり、浮島ではなく鬼姫エルヤは日本本国へと輸送された。
多くの理由もあるが、何よりも安全を確保し、新生物研究所で何かされていないか精密検査を行うためだ。
「いつ戻れるのですか」
鬼姫エルヤは精密検査を受け始めて一週間、あらゆる病原菌や血液検査などを行っているため時間を要していた。
「数日以内には、ヘイスカネンにお送りすることができます。 もうしばらくお待ちください」
検査結果はどうしても時間がかかる。体の構造は大分人間と近いとはいえ、相違点もある為時間が通常よりも掛かっていた。
「今のところ問題もなく、検査終了次第となります」
付き人として黒騎士が側に控えているが、国内を幾らか見て回り知見を広めてはいるが、国の皆が待っている事は確かであり、早く戻る事を希望していた。
グラ・バルカス帝国は守勢に回る事をよしとせず、主力艦隊を派遣。1000隻にもなる大艦隊は、圧倒的物量をもってムー国首都オタハイト、および商業都市マイカルを殲滅。そのまま神聖ミリシアル帝国首都ルーンポリスを攻撃する為に向かっていた。
しかし数キロにもわたる船団は格好の的であり、ムー国東海無人島基地からB-52Jストラトスフォートレス 3機が向かっていた。
そして同時期、B-1Bランサー2機が空中給油を得て、グラ・バルカス帝国本土上空に到達していた
グラ・バルカス帝国のレーダーでは発見する事が出来ず、ステルス性能を存分に生かし、対応不可能な高度から内陸部への爆撃、それも精密に軍事拠点だけを狙い、電子励起爆弾を投下、5トン爆弾に匹敵する威力によって巨大なキノコ雲を上げ、軍事拠点が地図から消えていく。
無敗・無敵の神に選ばれた帝国が、突然受けた爆撃によってグラ・バルカス帝国の国民は逃げ惑い、混乱し何が起きたのかも中々理解する事が出来なかった。
B-1Bは精密に進路上の軍事基地2箇所を爆撃、首都を守る為と思われる軍事拠点だが、もう一か所目的地があった。
アンタレスの妨害を受ける事もなく、悠々と帝都ラグナにまで至り、グラ・バルカス語に訳された降伏を求めるチラシを大量にまく。
そして何の変哲のないただの鉄骨、それを一本落とす。
“いつでも首都を地図から消せる”
その意図を明確に理解させるための過度の爆撃、これでもなお理解せずに戦争継続するのなら、繰り返し軍事拠点を爆撃し、それでも理解しないなら工業区、そして商業区と順次爆撃を行う。
燃料も弾薬もただではなく生産にも時間がかかる、戦費を回収した所で生産時間を無駄にした事に違いはなく、無駄は極力避けたい意図があった。