龍の国 日本   作:揚物

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7.戦乱の予兆

 中央暦1638年12月

 神聖ミリシアル帝国との外交を終え、次に扶桑を含めた外交艦隊はムー国に向け出航。多角的に鉱物資源を手に入れるため、大国との外交に動き始めた。

 一方で外交のための浮島には神聖ミリシアル帝国の商人も訪れ、パンの缶詰や生地などを買い求め、貿易黒字は予想以上に上がりつつあった。

 そんな中、ロウリア王国が軍備を整えていると情報が入り、国籍を隠した航空機の準備が進められる。

 これはクワ・トイネ公国に詳細に説明していないが、確認したところ鉄龍と日本の戦闘機を呼んでいるからだ。

 国旗がなければ所属不明国家、もしくは未確認の野良ワイバーンになるだろうと予測された。

 F-35Aの塗装を白一色に変更し、侵攻が確認された場合全てのワイバーンを駆除する。それで任務は終了、費用はクワ・トイネ及びクイラから資源で賄うよう話が着いている。

 そして浮き島に現れる商人達には少しずつ噂を流している。

 《最近見慣れない凶暴な白竜がギム周辺の空を縄張りとして飛びまわっている》と。

 もちろん噂半分でしか聞くものはいないが、少しずつ広まるだけでいい。事が起きた時、その竜の仕業となればよいのだから。

 

 

 

 ギム防衛陣

 

「それは適切ではありません。 まず囲むように撒いてください」

 

 ギム防衛陣では、火炎放射の効率的使用方法を教えているのだが、噴出す炎の恐怖に怯え上手く操作できていなかった。

 簡単な戦略のレクチャーも行い、後始末が日本にまで及ばぬ様きっちり方をつけてもらう。

 

 

 

中央暦 1639年1月

第三兵器技術研究所

 たった5人しか所属者の居ない場末も場末、帝国時代の技術研究と保存を目的とした零細部署。

 技術が失われないように細々と予算も付いており、資料をデータ化しプラモデルやCG企業に設計図の提供などを行っている。

 

「たっ……大変です!」

 

 いつも静かで埃も被っているような部署に、慌てて新人が駆け込んできた。

 

「クラウドファウンディングでオイ車の予算が付きました!!」

 

「はぁ? あれはジョークで出したやつだぞ? そんな酔狂なやつらがいたのか?」

 

 転移後のジョークとして、旧帝国陸軍未完の戦車 オイ車、3000万でプラモデル、3億で実物大模型、30億で実物復元、で出したものだ。

 所長は信じずにイスに寄りかかったまま古い図面をデータ化していた。

 

「ほんとうです! 見てください!」

 

 部下が差し出した書類には、30億円を突破し34億3241万と書かれていた。

 ひったくるように書類を掴み目を通すが、間違いなく正式なもので申請金額を超えている。

 

「……上に報告をしてくる」

 

 所長は席を立つと書類を持って本庁をに向った。

 1ヵ月後、三菱協力の下、旧設計図を参考に大型ブルドーザーを基にして製造に取り掛かった。

 

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