龍の国 日本 作:揚物
容赦も慈悲もない、空対艦誘導弾の波状攻撃、補給の時間があるとはいえ、定期的に行われる攻撃によって手も足も出ずにグラ・バルカス帝国の艦が沈んでいく。
本来であれば無人機によって攻撃する予定であったが、今回は新人パイロットの訓練を兼ねている。
無人機は現在量産体制に入り、本来の戦争に備え、ほんのわずかな数以外は本作戦では投入されていない。
無人艦の建造も計画されているが、これはまだ一隻目の建造が進んでいるに過ぎない。
人の価値が高騰する中、人が戦場で戦う事を終わらせようとしていた。
何よりも相応の損害を被る可能性をラヴァーナル帝国に対して想定しているため、無人化は急務であった。
半日にもわたる攻撃によって艦隊は壊滅、いくらか降伏し拿捕された艦もあったが、事実上グラ・バルカス帝国は外征能力を失ったに等しい。
手足をもがれ、首に短刀を突きつけられた状態に陥り、グラ・バルカス帝国はようやく降伏した。
軍事拠点も破壊され、継戦能力を著しく喪失したのもあるが、帝都に威嚇とはいえ明確な爆撃があったためだ。
何よりもグラ・ルークス皇帝が戦況を正確に把握し、勝機はないと判断を下した。暗君でも賢君でもないが、愚かな皇帝ではなかった。無条件降伏であったが、太陽神の使いとして
・戦争犯罪者の引き渡し
・第二文明圏からの撤退
・自衛を超える軍事力の保有の禁止
・対ラヴァーナル帝国軍部隊の供出
一方で譲渡も行い
・皇族の存続容認
・安価な食料の売却
・GAの返還と保有許可
ただし、戦争犯罪人の査定には全て太陽神の使いが行うとして、外交官から議員、そして大手企業の幹部から軍の将兵に至るまで、徹底的に調べ上げられ、半数以上が戦争犯罪者として“処理”された。
建前上は無期懲役ではあるが、過激派及び抗戦派を態々刑務所に入れて管理しておく利点などなく、ムー国の刑務所に収監されていたが、ムー国内の問題児との喧騒における刑務所内による“事故死”となった。
莫大な戦費の支払いは、残存艦とあらゆる兵器の売却をムーに行う事、そして工作機械や技術権利まで売却することで減額を行った。
むろんムー国から様々な権利や金銭の支払いを受け、日本は戦費の回収は行っている。グラ・バルカス帝国の技術とはいえ、取り込むことでムー国は急速な発展が見込める為、支払いはスムーズに行われた。
神聖ミリシアル帝国は、ムー国東にあるイルネティア国に監視のための施設を建設、そして賠償金の受け取りで一応の矛を収めた。
何よりもアニュンリール皇国との戦争に備えなければならず、賠償金の一部として受け取ったレイフォル産の20万トンの魔石を精錬し、解析の進み解放された技術を取り込んだ兵器の製造で余裕がなかった。
兵器工廠は連日フル稼働であり、新しく開発された魔道機関によって2割型性能の向上も見込め、全ての兵器更新を行うために、現場は悲鳴を上げている。
船渠では防空艦と空母の建造が行われ、部分的に解放された技術を参考に、新鋼材を開発し大型の艦船がどんどん作られ、たった一隻ではあるが日本から輸入した機関や設備を外された大型貨物船、そのペイロードを利用しさまざまな兵器や機関の実験が行われている。
グラ・バルカス帝国が第二文明圏内から撤退し、ムー国の監視を受ける事となるが、レイフォルの復旧は事実上不可能であった。
GAの艦砲射撃以外にも植民地化政策によって多数の国民が死亡し、行政など完全に失われていたためだ、その為第二文明圏が合同で管理することになり、治安維持を行うこととなった。
グラ・バルカス帝国内は現在内戦によって乱れている。戦争継続を望む過激派による暴動が多発している為であり、限られた自衛戦力で内乱を抑えるためにどんどん国力を失っていった。
一時的な平和、そして短い戦争準備期間が始まる。
書き貯めおわりです。
アニュンリール皇国のあれこれが考え終わるまでは、
また横道にそれたり遊戯に過ごしたりと、時間がかかります。