龍の国 日本 作:揚物
大規模な共同訓練、各国バラバラでは効率が悪い、最善な割り当てを行うことで効率よく戦う。だからこそ、ムー国・ミリシアル帝国・エモール国が揃って大軍事訓練を開始。
仮想敵国はお互いである。砲弾は演習弾、その他はペイント弾、兵器の損傷やけが人は覚悟の上での厳しい訓練。
「照準よし! 撃てぇ!!」
演習砲弾が撃ちだされ激しい水柱が船体を揺らす。その間にも空では模擬爆装したXF5Uによる航空攻撃が開始され、ペイントを搭載したドラム缶が次々投下される。
対空砲のペイント弾によって何機ものXF5Uが撃墜判定を受け、それでもなお数発のドラム缶が直撃しペイントが飛び散る。
「くそ! 我が艦は損傷判定を受けた。 旗を上げろ」
旗を上げ、前線から後方へと下がる、その間にも次々とミリシアルとムー国の戦闘が続けられる。
制空権の奪い合いでは、XF5U同士だけではなく、風竜を駆るエモールの騎士団も参加し、XF5Uに翻弄され、ペイント弾を撃ち込まれ次々と数を減らしていった。
「飛行機械のくせに早い!」
「速度で戦うな! 生物である利点を生かせ!」
アンタレスであれば互角であった風竜も、XF5U相手にはほとんど対応が出来ず、時間を追うごとに撃破判定を受け数を減らしていく。
休憩もなしに行われた48時間の連続演習によって、200人近いけが人と多くの兵器が損傷を負ったものの、ほんの少しのミスが絶望的損害を被る事を身をもって教えることは、練度の上昇に確実に貢献していた。
「今回の訓練では航空機による爆撃の命中精度に問題があります」
「海軍もまだまだ、防空と言う概念を理解しきれていない。 これではジェット機相手には良い的だ」
「陸は絶望的だ。 戦術がWWⅠクラスで発展しておらず、装甲車両も全く足らない、これでは戦いにすらならん」
訓練結果から各国の問題点が明らかにされるも、数年で解決できる内容ではなかった。
「陸上における占領戦は不可能、海空で対応するしかないでしょう」
「ロケット弾と爆弾の開発が急務でしょう」
「XF5U以外の航空機も必要でしょう。 偵察衛星からアニュンリールの航空機の速度は大凡900kmと確認されています」
「これ以上の技術公開は適切ではありませんが、ミリシアルとムーには開発を急ぐように伝えましょう」
アニュンリール皇国がいつ動き始めるか不明ながら、列強国で足並みをそろえさせるために共同軍事訓練や交流を積極的に行い、太陽神の使いを、日本を必要としない力をつけさせようと準備を進めていた。