龍の国 日本 作:揚物
グラ・バルカス帝国の艦隊は半数の戦力を失い撤退した。アニュンリール皇国も半数以上の戦力を失ったものの、彼らにとって新たな資源を得るための艦隊は止まる事もなく、北東への進撃を続けている。
「全空母は艦載機を発艦! 攻撃を開始せよ!」
XF5Uを有するムーの空母群から全機が発艦、グラ・バルカス帝国との戦闘情報から、XF5Uでは性能こそいささか劣る事は判明したが、練度と数に置いては上回るような状況を作り上げた。
「プロペラ機相手になぜこんな!」
「くそ! 後ろを取られたぞ!」
「3番機がやられた! 上空からも来るぞ!!」
アンタレスと同様に思っていたアニュンリール皇国のパイロットは、思わぬ苦戦に連携を失い、数を力に連携の取られたかく乱に、ムー国のXF5Uはやや不利な状況になりながらも、実戦同様の訓練を続けたムー国と異なり、所詮は格下と余裕を持っていたアニュンリール皇国は甚大な被害を出していた。
「ムーとの連携時間に遅れるな! 我々ミリシアルこそこの世界の第一列強、最強であると証明するのだ!」
艦載機であるアルファ4の推定性能は原型に極めて近付いた。誘導弾こそないがロケット弾も搭載されており、大分戦力として期待できる段階に達しつつある。
直掩以外の航空戦力を失ったアニュンリール皇国にミリシアルの航空部隊が襲い掛かった。
「怯むな! 魔帝に連なる者に鉄槌を下すのだ!!」
アニュンリール艦隊の直掩機相手に、アルファ4が制空権を奪い取り、その制空権下でミリシアルの航空機部隊によって次々と爆弾が投下される。
爆撃機であるベータ4に搭載された、開発されたばかりの新型航空爆弾。以前の物に比べて3割程度威力は高い。
「標的に命中確認。 しかし影響は軽微」
一発で沈むなど甘い考えであり、十数発当てれば上部構造物が破壊され、戦闘能力を失う。戦闘能力を奪ってから、艦船で止めを刺せばいい。
ミリシアル帝国爆撃機による初の実戦を行っている最中、日本は太陽神の使いとして攻撃を開始していた。
ラヴァーナル帝国につながる国家と伝えられたエモール王国は怒り狂い、アニュンリール皇国本土攻撃に向かって、ありったけの兵力を送り込んでいた。
エモールの兵士によるアニュンリール皇国人の虐殺が始まるだろうと予測されているが、軍事施設が無事な場合大損害を受けかねない。それゆえに主力となる戦力は全て破壊しておくため、そしてアニュンリール皇国 本国への大陸間弾道弾の実射試験である。
励起爆弾は出来上がっているが、弾道弾の命中精度の理想値である誤差50m範囲内で済むよう、この二年で急ぎ新開発された大陸間弾道弾。
衛星画像から判明している全ての軍事拠点に向け、同時攻撃を開始した。