龍の国 日本 作:揚物
空から星が降る。認識できたものはそう思っただろう。だが次の瞬間に起きた事態は破滅的であり、一発目で直径10kmの範囲内の物全てが消し飛んだ。
大陸間弾道弾 電子励起MIRV。何が起きたか認識できることもなく、各地の軍事拠点は時間を追うごとに消えていく。
日本として要求性能である目標から50m圏内への攻撃に成功し、そこからMIRVによる広域破壊は対ラヴァーナル帝国に使用するに、十分な性能を発揮。
一日行われた大陸間弾道弾の実射試験によって、地上に確認できた軍事拠点の全ての排除が完了した
問題はここからとなる。ある程度発達した軍事技術を持つのなら、重要な兵器や施設は地下に隠す。ミリシアルも現にパルキマイラ及びパルカオンは地下施設に隠している。
偵察衛星及び偵察機で広いアニュンリール皇国本土を調べている中、北東進を続けていた艦隊はミリシアル及びムーの混合艦隊から壊滅的被害を受けたことで、通信の途絶えたアニュンリール皇国本土に戻りはじめた。
本来撤退を許すはずもないのだが、本土攻撃を控えている混成艦隊は一時的に下がり、補給と陸上部隊との合流、再度日を開けてアニュンリール皇国に向け艦隊を進める。
「これは、どういうことだ!?」
「本土攻撃をされたのか! 無事な港はないのか!?」
「通信繋がりません!!」
「艦内で動揺が広がっています! 艦長なにか!!」
アニュンリール皇国本土に艦隊は帰還するも、壊滅している海軍港に混乱し、着岸する事も出来ずに情報を集めようにも、通信は錯綜しており、艦の大多数を失った北東進艦隊ではそれもかなわず、ただ混乱が広がり続ける。
その間にも混成艦隊はアニュンリール皇国残存艦隊を射程圏内に捕え、爆装した航空部隊が襲い掛かる。
「レーダーに反応あり! ミリシアルの航空機です!!」
「残った航空機を直掩に挙げろ!」
「もう残っていません!!」
艦隊が混乱している中絶望的報告が上がり、対処しようにも手も足も出ず現れた航空部隊によってさらなる被害が広がる。
そしてその光景を港から見ていたアニュンリール皇国の国民は、絶対的強者であるはずのアニュンリール皇国の艦隊が、防空迎撃さえ満足に出来ず一方的攻撃を受け沈んでいく光景が目に映った。
「何が起きているんだ!?」
「これは夢か!?」
「誰か、誰か嘘だと言ってくれ!!」
アニュンリール国民の悲鳴や絶叫が上がる中、爆撃は港へと及び始め、 悲鳴が断末魔に代わり、逃げ惑う人々の中容赦のない無差別爆撃が広がっていく。
まだエモール王国の兵団は到着していないが、すでにアニュンリール皇国民への攻撃は始まっていた。だがこれは始まりでしかない。
エモール王国が考えている行為は、これよりももっと苛烈なのだから。