龍の国 日本   作:揚物

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78.それは実験に過ぎない

 パルカオンの大まかな性能は判明しているが、バリア強度そのものについては不明である。

 それも水中にまで展開できるのなら、それなりの脅威となるのだが、バリアそのものの解析が大事となる。

 つまりラヴァーナル帝国のバリアというものの判定、パルキマイラという存在に張れたのだから、パルカオンにももちろん搭載が予想されており、戦艦に搭載できるのなら相応の規模で都市や軍事拠点にも張られている可能性が高い。

 何もわからないラヴァーナル帝国相手には、出来る限りの情報と対策を用意しなければならないため、もっとも近い存在であるアニュンリール皇国には、追い詰められた実戦によって存分に情報を吐き出してもらわなければならない。

 

 

 東周りに北部混合艦隊に向かってくパルカオンの艦隊に対し、近海で単独行動をしていた一隻のそうりゅう型潜水艦による、試験的攻撃が行われる。

 

 

 

 ラヴァーナル帝国の遺産を運用する栄誉あるアニュンリール皇国の艦隊。それゆえにプライドも高く、皇国が爆撃を受けたことに激怒していた。

 

「下等な奴らめ! 決して許さんぞ!」

 

 有翼人にとっても他の種族は全て下等な蛮族、本土に侵攻している者達に激しい怒りを持っていた。

 もちろん司令官もその一人であり、全力攻撃をもって混合艦隊を壊滅させるつもりであった。

 そんな時突如パルカオンが激しく揺れ、側面に水柱が上がる。

 

「何事だ!?」

 

 魚雷がバリアに当たることなく到達したことを表していた。どうやら水中からの攻撃は想定していないようだ。

 そして水中攻撃に関する備えは皆無に等しいらしく、被雷した二隻のパルカオンは傾き始める

 

「船底に攻撃を受けました! 浸水止まりません!!」

 

 退艦する時間的猶予もなく、乗員ごと海中に沈んでいく様を残り3隻のパルカオンの船員たちは唖然としてみていた。

 ラヴァーナル帝国時代の無敵の戦艦、何をされたか不明でありながら2隻も沈んでいく。その様は理解を拒絶させるには十分であった。

 

「攻撃だ! バリアの出力を最大にしろ!」

 

 その中でも艦長クラスは攻撃を受けた事だけは理解し、即座に命令を下す。

 だが、それこそ日本が待っていた状況であった。

 

 

 艦を覆う光が強く成った事を確認し、続いてF-2編隊から発射された空対艦誘導弾による試験攻撃は、バリアに直撃したが貫通もせず衝撃も抜ける事はなかった。

 確かめるように一発ずつ、丁寧に丁寧に一隻のパルカオンに撃ち込み続け、徐々にバリアの光の揺らぎが大きくなっていく。

 

「誘導魔光弾!?」

「どこからだ!? どこから攻撃を受けている!?」

「敵位置はどこだ! 反撃できんぞ!!」

 

 慌ただしくバリアの中で、状況を魔導レーダーによって観測しようにも、陸上設置式の大型レーダーでも判別できない距離から撃ちこむことが可能なのに、艦船に積める出力でわかるはずもない。

 6発目、バリアが激しく明滅し、衝撃波が艦を激しく揺らす。

 

「馬鹿な! ラヴァーナル帝国の無敵のバリアが!!」

 

 7発目の直撃と同時にバリアが弾け、爆発の炎と衝撃がパルカオンを襲う。8発目が到達してもバリアは再起動することなく、バリアを破壊した場合発生機関に何かしらの異常が発生すると推測された。

 一隻目のパルカオンが上部構造物を破壊され、事実上戦力を喪失したことで、他への新たな試験が開始される。

 つまりバリア復旧までどれくらいかかるのか、そして短期間で沈めるには何が必要なのかと。

 そしてバリアは何をはじき、何を通過させるのか。

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