龍の国 日本 作:揚物
ロウリア王国の侵攻が確認され、国籍を消したF35A編隊は国境を越え、ロウリア軍のワイバーンに強襲を仕掛ける。
「敵総数150、攻撃開始」
レーダーで敵を捕捉したF35A編隊は空対空誘導弾を発射、次々と誘導弾によってワイバーンは四肢を地上にばら撒くものの、誘導弾の搭載数の問題から25mm機関砲によって数騎は仕留め、そのまま周囲を大きく旋回したあと海側や内陸部の二手に別れその場から姿を消す。
地上では何が起こったか理解できず、本国からワイバーンを呼び寄せるも、再びF-35A編隊を投入し全滅させる。
日本としてはここが白竜の縄張りであり、ワイバーンが一切通れないと理解すればよし。
歩兵戦力だけであれば堅牢に建設したギムの防衛陣を突破は難しく、計画は頓挫するだろう。
3度繰り返したところでワイバーンの確認できている保有数が少なくなり、侵攻部隊は歩兵及び騎兵戦力のみでギムに向い始めた。
これで非常時を除いて日本側の介入は終わりとなる。
「来たぞ!」
ギム防衛軍司令官であるモイジは、地面を埋め尽くすようなロウリア軍の人の波を見たことで、恐怖に震える部下たちにかつをいれる。
「恐れるな! 我々がクワ・トイネを守るのだ! 火炎放射開始!!」
城壁に設置されている火炎放射器から炎が吐き出され、地面ごとロウリア兵を焼き払う。身が焼ける激痛でのた打ち回り、助けを求めて近くの兵士に抱きつき延焼していく。
それでも少数の部隊が堀の前までくるが、余りの深さに飛び込むことが出来ず弓矢の餌食となっていく。
幾つかの部隊が梯子を担いでくるが、渡そうにも木材だけで20mを超える長梯子などないようで、堀の底に下ろそうとして落ちていく。
そんな状況のため防衛陣地の唯一の城門であり橋に向け殺到していく。
「橋だ! 橋を落とせ!!」
木で出来た橋。たっぷり油をしみこませているので、火をかければ激しく燃え上がり簡単に崩れ落ちる。
最初は石を落としていたが、破城槌を押しながら兵士が渡り始めたところで火をかけると、油のしみこんだ橋は激しく燃え上がり、兵士達は悲鳴を上げながら橋の下に落ちていく。
ただ、余りに激しい炎によって一枚目の防壁である古い木の防壁に火が燃え移り、固定していたロープを切ると堀の下に落ちていく。
堀の下に落ちても運よく生きていたものは、これによって確実に死ぬだろう。
炎に巻かれ悲鳴と絶叫がこだまするなか、夕闇が周囲を覆うまで戦いは続き、戦線はギムの防衛陣で膠着状況となった。
いまだ9万近い兵力を押し留めているのだが、迂回されてしまう可能性もあるので住民は攻撃を受けたと同時に退避を始めている。エジェイまで日本によって整備された道路が通っている為、馬車によって順調に避難は進んでいた。