龍の国 日本 作:揚物
「攻撃を開始せよ! 攻撃を開始せよ!」
魔帝の兵器を失ったことで、通常戦力でアニュンリール皇国軍は対応していたが、空爆によって無差別に攻撃を受け、軍民問わずに兵力を失いつつあったが、侵攻は停滞していた。
「イクシオン20mm対空魔光砲を放て!」
装甲車両に搭載することで、水平射することでムーの戦車のように運用している。
しかし、如何せん魔物の軍団が余りにも多すぎた。
「魔物の群れが突っ込んでくるぞ! 魔石の充填を急げ!!」
「銃を撃て! 近付かせるな!!」
制御されている為に恐怖を感じず、突撃してきた魔物の群れに突入され白兵戦へとなだれ込んでしまう。
魔物の大兵団による激しい抵抗を受け、損害を出しながら陸戦戦力に関してはムー国の戦車が頼りであり、ミリシアルの車両に装甲板を付けたものでは、魔物の攻撃にはさほど防御効果がなかった。
アニュンリール皇国の皇帝であるザラトストラは、最悪な戦況に対策会議に参加しながら状況を静観していた。
そもそも降伏などすることはないが、エモール王国は無差別に有翼人を捕えるか処刑し、ミリシアルとムーの合同軍は徐々に侵攻している。
「残されているパルキマイラを出すべきだ!」
「大陸から魔物の輸送量を増やして対策を」
「何よりも国民の保護を進めるべきだ!」
「東岸部にも侵攻が予想される。 防衛ラインの構築がいるぞ!」
ブランシェル大陸以外にも占領している他大陸で開発生産していた、魔物軍団をどんどん輸送して対処しているが、いずれ枯渇するのは目に見えていた。
何よりも恐らく太陽神の使いからと思われる攻撃、それが致命的にまで戦力をえぐり取り、主力軍はもはや残っておらず、地方部隊や皇都守護隊を駆りだしている始末だった。
今は耐えられる、だが耐えるだけで追い返し、ラヴァーナル帝国復活まで国を守るのは非常に難しい。
血統が薄くなった者達を残し、皇族は南へと姿をくらませるのも手かもしれない。光翼人であるザラトストラにとって、有翼人のアニュンリール皇国民は奴隷や家畜と大差ない認識であった。
電子励起爆薬を使用した核の代替爆弾がB-52Jに大量に搭載され、ゆっくりとそして確実にアニュンリール皇国に向け飛行していた。
南部および西部の軍港を破壊する為、そして残ったラヴァーナル帝国の兵器を吐き出させ、日本が手を下す必要性をなくすためとなる。
日本は最後の準備を、これからは調べ上げた情報から、呆れかえるほど膨大な戦争の準備をしなければならない。
『戦争の勝敗はそれまでの準備に関わる』
だからこそ、生命にかかわる戦争の相手に対し、確実な勝利を収める為に国の総力を挙げた準備を進める。
例えそれが、星にダメージを与えるものだったとしても。