龍の国 日本 作:揚物
三大列強による対アニュンリール皇国戦争が開始され半年、捕縛される民間人はミリシアル及びムーに輸送されるか、エモール王国にその場で処刑されていった。
国としての体裁は失われ、抵抗をする一部の者達を除いて、すでに第二大陸の占領作戦も実行されていた。
「それでは現在の進行状況についてですが」
地図に表示された各地に展開された兵力と、抵抗状況が表示されている。
どこも攻勢は順調であるのだが、捕縛数よりも処刑数が圧倒的に多く、エモール王国に至っては処刑数に比べて捕縛数は1割程度でしかない。
「ラヴァーナル帝国の情報については、現在情報を聞き出しております。 ラヴァーナル帝国の兵器関連については完全生産は出来ず、解析率は高く一部に至っては生産も出来るようです。 パルキマイラ・パルカオンについては完全な運用ができるようです」
「誘導魔光弾の生産も出来るようで、少数ながら工場設備も確保できております」
伝説にもなっていた兵器、それさえも運用出来ていたにもかかわらず、太陽神の使いに手も足も出なかった事に、ミリシアルやムー国の面々は畏怖を感じ、敵ではなかったことに安堵していた。
「それで、大事な案件なのですが。 太陽神の使いは今後ラヴァーナル帝国に備える為、一切のかかわりを絶つそうです」
「……残念だ。 あの国には一度訪れてみたかったものだが」
「恩もある国家、ぜひとも国のトップにお会いしたかった」
「竜神様のお姿を拝みに行きたかったのだが」
防衛省 会議室
「そうか、日本の東側に」
アニュンリール皇国の皇族からの情報抽出によって、ラヴァーナル帝国の出現ポイントが東に10000kmの地点とわかった。
国土も国家規模そのものはオーストラリアと大差ないらしく、対処できなくはない。わずかな対話時間くらいは確保できるだろう。
「現在迎撃用レールガンの配備、電子励起弾道弾の配備は完了しました」
「量産配備を予定していました弾道弾は、定数を減らし攻撃衛星に集約いたします」
「間に合って何よりだ。 あとは時間が解決してくれる状況にできた事を皆に感謝しなくてはな」
「復活日ですがやはり不明であり、ラヴァーナル帝国のビーコン及び衛星から、数か月前に反応があるようです」
「復活年については、エモール王国の空間占いだよりか。 仕方ないが配備継続するのも予算がかかって仕方ない」
オーストラリア大陸を消し飛ばせるだけの戦略兵器群、維持するだけでも膨大な予算がかかるが、戦争の準備は順調に進んでいる。
元より話し合うつもりはないが、最低限の確認を行えるだけの力は整えられた。残るはその時を待つだけとなる。