龍の国 日本   作:揚物

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86.帰還 そして戦争の開始

 エモール王国の占いにより、とうとう一か月後の復活がはっきりとした。

 神聖ミリシアル帝国が把握し、解析したビーコンから発せられている信号も強く成り、世界中が緊張している中、昼間のはずが空が漆黒に染まり強烈な振動が発生した。

 

「衛星映像から確認、日本の東5000kmに大地出現しました。 ラヴァーナル帝国と思われます」

 

 防衛省の会議室では緊張が走り、日本国中に外出制限が出される。

 

「我々は太陽神の命によって、使いとしてこの場に来ている。 対話し武装解除せよ」

 

 全ての周波数に対し最大出力で放送を行い、返答を待つ。

 その間にも何かしらの情報収集が行われているのか、ミリシアルが使用している魔法通信らしきものが活発に行われているようだ。

 

「繰り返す。 対話し武装を解除せよ」

 

 一時間繰り返した頃、通信が入った。

 

『太陽神の使いとは笑わせる。 まず、お前達の国から消してやろう』

 

 通信が途絶え、衛星には発射された3発のコア魔法の映像が映っていた。こちらの通信から本土を特定し、躊躇なく攻撃にはいったようだ。

 衛星の捉えた映像にはラヴァーナル帝国国内も活発に動き、軍港や飛行場が特に集中している様子もある。

 

「大陸間弾道弾と思われる物体がラヴァーナル大陸から発射が確認されました」

 

 対話の余地もなく発射された大陸間弾道コア魔法、日本としてもはや対応する手段は一つしかない。

 

「イージスシステム連動よし」

「大陸間弾道弾、軌道計算よし」

「電磁加速砲、充填準備完了」

 

 ただ、静かにその時を待っていた大和型護衛艦及び長門型護衛艦、そして金剛型護衛艦に搭載されている電磁加速砲の照準がレーダー・コンピュータ・FCS・通信衛星の全てが連動し自動でトリガーが引かれる。

 音速の7倍の速度で射出された弾体は、正確にコア魔法の推進力部を撃ち抜き、コア魔法は爆発することなく海中に落下、おそらく海中では放出される放射能によって汚染される事だろう。

 もう猶予はない。このまま迎撃が成功し続けたとしても、世界は放射能に汚染される。

 殲滅攻撃衛星システムの起動するため、重要人物は急ぎ皇居に集まっていた。

 

「自分が死んでも子供には生きてほしい。 子孫に我々とおなじ過ちを繰り返してほしくない。 だからこそ、ここで全て終わらせなければなりません」

「形式上の勝利を得たところで、我々は大量殺人者である、決して誇る事も驕る事もなく、このような手段しか取れなかったことを恥じる」

 

 首相と防衛庁長官の起動キーが入れられる。

 

「我々はこの犠牲を無駄にすることなく平和を建設し、世界平和に貢献しなければなりません」

「戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、このような事が二度と起こらぬよう、尽力することを終生かけ行っていきます」

 

 今上天皇陛下と皇太子殿下の起動キーが入れられる。

 

『少年は青年になり、次世代の大人になる。 その時、銃を持たせ誰かを殺させたいか。 殺すのは今の世代が最後で良い』

 

 竜神様のもつ最後のキーが入れられ、攻撃衛星群は稼働を始めた。

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