龍の国 日本 作:揚物
「ラヴァーナル帝国 人工衛星の破壊を開始します」
宇宙空間に配備されているキラー人工衛星、ラヴァーナル帝国の衛星群に対し小さな物体を放出、宇宙速によって小さな物体を受けたラヴァーナル帝国の衛星は砕け散り、次々と静止軌道から外れていく。
通信やレーダーとおもわれる魔信が激増していることから、衛星に何が起きているのか把握しようとしているようだが、分かったところでGPSや地上監視システムの衛星ではなすすべもない。
地上のビーコンはすべて破壊してあり、再び転移して逃げようにも、残された宇宙空間のビーコンは時間を追うごとに減り、あと数時間もしないうちに衛星は全て破壊が完了する。
衛星がなくては大陸間弾道弾を撃つことも出来ず、ラヴァーナル帝国の目と未来へ逃げる手段は潰した。
「ラヴァーナル帝国、艦船及び航空機による攻撃を試みている模様」
次々と発艦の準備を進めているだろうパルキマイラ、そしてパルカオンがラヴァーナル帝国本土の衛星映像に写り、慌ただしく西、つまり日本に向かって出航ししようと人々が集まっていた。
そしてラヴァーナル帝国から西方50kmの海には海魔が急速に集まり、シーサーペントらしき巨大な生き物の姿もある。
やはり海魔を使役する技術を要しており、下手に海上からの攻撃では被害が出たかもしれない。
パルカオン型艦船40隻とパルキマイラ型飛行物体80隻、300m級空母60隻とその他数百の巨大海魔、おそらくほぼ全力攻撃。
しかし艦隊を編成してくれるのは日本としても願ってもない状況、態々集まってくれるのなら数少ない攻撃で甚大な被害を与える事が出来る。
第一攻撃として北部及び南部沿岸地域に大陸間弾道弾が着弾、西部港の艦隊と合流する為艦隊を編成してたパルカオン21隻及びパルキマイラ62隻を沈める事に成功した。
ただし、ここで問題が発生した。エモール王国である。
彼らが自ら戦うと決して譲らず、どこから調達したのか船団を率いて旧アニュンリール皇国から東に向かい始めた。
勝てるはずがないというのに、恨み辛みで冷静さを失い、ただ感情に任せているのだろう。
爆発によって発生する巨大な津波に巻き込むわけには行かず、大陸間弾道弾による西部艦隊の攻撃を中止、急遽艦隊の一部を派遣しなければならなくなった。
急遽派遣された艦隊、しかし主力となる大和や長門は電磁加速砲による防衛任務がある為、手空きであった扶桑が旗艦として、第二線級の護衛艦と共にエモール王国艦隊を追っていた。
「エモール王国艦隊 通信に答えたし。 繰り返すエモール王国艦隊」
何度も通信を入れるも応答はなく、ただひたすらに東へと、ラヴァーナル帝国へと向かっている。
「艦長、このままでは」
「最悪の事態を想定する。 各員戦闘配置」
扶桑には対艦誘導弾は搭載されていない。艦隊もはたかぜ型2隻、あさひ型2隻、あきづき型2隻と7隻編成で決して万全とは言えない。
対艦誘導弾を装備していると言っても護衛艦の数は劣り、旗艦となる扶桑は何よりも設計が古くVLSも搭載していない。
何よりも非常事態であった為、改装空母のいずもやかがは別任務で対応できず、もっとも重要な航空支援がない。
多くの事を備え、もちろん他国の暴走についても警戒し、攻撃は危険だと何度も警告していた。
第一列強であるミリシアルと第二列強のムーも、列強国の総意として太陽神の使いと攻撃が終わるまで待つと確約していた。
それが最悪のタイミングかつ最悪な方法で破られてしまった。時間と多額の予算を投入して用意した戦術兵器が使用できない。