龍の国 日本   作:揚物

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88.不利

 衛星画像からは船団を3個に分け、なんとしても本国に到達しようという思惑が見て取れるが、そんなことをしても、ラヴァーナル帝国のレーダー網にはしっかりと写っている事だろう。

 

「敵レーダー波確認 妨害電波開始します」

「ハープーン発射可能」

「標的をパルカオン19、パルキマイラ5に設定」

 

 誘導弾の搭載数は全部で24発、パルカオン19隻にパルキマイラ18隻、不足している為航空支援が必要なのだが、距離の問題もあり十分な支援を得られることはない。

 脅威度はもちろんパルカオンの方が高いのだが、300kmで飛行する巨大な物体も驚異的。しかし確実にアトランタテス砲を搭載し装甲を持ちながら、対艦誘導弾を装備しているパルカオンを放置すれば、甚大な被害を被る事だろう。

 

「ECM妨害がさほど効いていないようです」

「システムが古い欠点が出てしまったか」

 

 扶桑のシステムも退役する艦艇からの流用品、第二線級護衛艦艇も最新システムではない。ラヴァーナル帝国のレーダーシステムを完全に欺瞞するだけの優位性はなかった。

 こちらを脅威として認識したのか、エモール王国艦隊を放置しパルカオン及びパルキマイラは日本の艦隊に進路を変更した。

 

「敵艦、誘導弾発射を確認!」

「迎撃せよ!」

 

 13発もの誘導魔光弾が護衛艦隊に迫り、搭載されている艦対空誘導弾、GMLS-3 / Mk.29 シースパローによって艦対空誘導弾による迎撃が行われるが。

 

「迎撃失敗!」

「CIWS起動します!!」

 

 2発が通り抜けCIWS 1Aが起動、迎撃網を抜けた誘導魔光弾が2発爆発し、わずかな残骸が護衛艦に降り注ぐ。

 

 ラヴァーナル帝国の空母三隻から次々と航空機が発艦している様子がレーダーに映った。

 確実に護衛艦隊を沈め、日本へと至る為に全力攻撃へと切り替えたようだ。

 

「航空機の支援は!?」

「1時間後を予定しています」

「対空戦闘用意! 艦対空誘導弾を惜しまず使用し迎撃せよ!! 旗艦をはたかぜに移管し扶桑を前に出せ!!!」

 

 扶桑ならロケットや爆撃にも耐えられるかもしれない。だが、護衛艦では甚大な被害を被りかねないため、CIWSの搭載数も多く強固なはずの扶桑を前面に出す。

 

「対潜レーダーに感有り! 海魔の群れです!」

「このくそ忙しいときに! 各護衛艦は短魚雷発射用意!! 海上に出ている魔物は艦砲の使用を許可する!!!」

 

 たった一つの前提条件が崩れたことで、前線の状況は悪化していく。

 

 

 

 

 

「風竜への騎乗用意!」

「ラヴァーナル帝国の本土まであとわずかだ! 今こそ我らが先祖の無念を晴らす時!!」

「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」

 

 それが蛮勇である事も、そしてエモール王国艦隊のおかげで日本の艦隊が不利な戦いを強いられていることも知らず、受けた無念を晴らすためにエモール王国の兵団は、ラヴァーナル帝国本土まであとわずかに迫った。

 

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