龍の国 日本 作:揚物
発射されたハープーンによって、パルカオン15隻 パルキマイラ16隻に減るも、ほとんど効果は見られない。奇襲ゆえにバリアを張っていなかったので数隻はどうにかできたようだが、絶対的に数が不足している。
「海魔まで距離10kmを切りました」
ほとんど水面に顔を出す事なく、短魚雷の発射射程まで50近い光点が移っている。
「攻撃の振り分け! 射程距離を割ったものから順次攻撃せよ!」
「航空機群200機 きます!」
各艦から発射される短魚雷、そしてレーダーには空母から発艦した航空機が向かっている様子が映されている。
「艦対空誘導弾発射せよ!」
パルキマイラに使用する分を残しておく余裕もなく、航空機を出来うる限り仕留めなければ、航空攻撃で艦隊が甚大な被害を被ってしまう。
本来行う飽和攻撃を逆にされてしまう恐怖、急ぎ空中給油を受けた航空部隊が向かっているが、間に合うかどうかは正直不明であった。
「標的に命中確認。 されど撤退の様子無し」
次々と発射される短魚雷によって海魔の数は減っていくものの、数の力を頼みに怯むことなく向かってくる。死を恐れない事から操られていることは明白である。
「航空機接近!」
無数の海魔が迫りくる中、扶桑の艦橋から空に航空機である黒い点が見え始める。
ありったけ発射した艦対空誘導弾の攻撃、しかし機数が多く対処しきれなかった。
「各員衝撃に備えろ! 来るぞ!!」
「CIWS 起動します」
ラヴァーナル帝国に恐らく飽和攻撃と言う概念はないだろう。ただもっとも近い扶桑に向け、航空機が低誘導の誘導弾を一斉に発射しただけに過ぎない。
先頭を航行する扶桑に迫りくる誘導弾が約100発、搭載されているCIWS 8基が稼働し迎撃砲火があがる。
しかしその中を抜けた3発が扶桑に直撃し艦が激しく揺れた。
「CIWS 3基破損!」
「後部短魚雷発射管使用不能!!」
強固な艦は攻撃に耐えられても、搭載されている武装まで強固には出来ない。
艦対空誘導弾を失った護衛艦隊には空の守りはなくCIWS及び対空に対応している旧式の艦砲のみ、迫りくる航空機とパルカオンとパルキマイラ、そして海魔の群れ、状況が好転する兆しは見えない。
「護衛艦隊上空まであと10分」
緊急支援に向かうF-2及びF-15航空部隊、たった10分だがもどかしいほど時間がかかってしまう。
しかしパルカオンにパルキマイラに対応する為には十分な航空機の数が必要となる。どちらかの航空部隊が先行するわけにも行かず、連携を取るためにはどうしても空中給油の問題もあり、急ぐ事は出来なかった。
「風竜騎士団! ラヴァーナル帝国の本土を確認!!」
「攻撃せよ! 攻撃せよ!」
エモール艦隊の風竜騎士はラヴァーナル帝国西部に到着、日本の攻撃によって防衛力を重要拠点に集中し、一部低下している本土に襲い掛かる。
民間人もろくにおらず、人もいない沿岸部を破壊しながら内陸部へと向かっていく。そこにはいまだ無事な軍事拠点がある事を知らず。