龍の国 日本 作:揚物
綺麗ごとで勝ってしまえば、ラヴァーナル戦争後、覇権争いで戦争をするだろう。
だからこそ、極めて凄惨でなければならない。美学もロマンも何一つなく、軍民問わず、何もかも消し去る暴力。
侵攻したエモール王国軍が壊滅したことで、ラヴァーナル帝国への本格的な攻撃が開始された。
躊躇されていた攻撃衛星から投下されたMIRV型電子励起爆弾、軍事施設と思われるものが消滅していく。それでもなお、目を失っていながらコア魔法弾道弾が発射され、即座に迎撃されコア魔法の弾頭がラヴァーナル帝国本土内に落下していった。
地下施設に隠されていた発射地点にMIRV型電子励起爆弾を投下。コア魔法を撃つ度に発射基地が破壊され、周辺に放射能が舞い散る。
発電設備や上下水道設備、そして丁寧に丁寧に軍事力を削り取り、応答するつもりのない降伏勧告を日本は発し続けた。
「何が起きている!?」
「これが、太陽神の使いの力なのか!?」
映し出される映像をみながら、観戦武官ではなく各国の責任者は浮島で絶叫の声を上げていた。
沿岸部には船を、飛行場には脱出する飛行機を求めて人々が集まる姿が、衛星映像に映るがそこにむけ電子励起爆弾が投下され消滅。
誰一人逃げ出さぬよう、満遍なく沿岸部を、飛行場を破壊し尽くし、脱出手段を求めていた者達が消滅していく。
民間人、兵士でもないただの民間人を老若男女問わず、確認できる陸海空の軍事拠点に対して攻撃衛星に搭載されている電子励起爆弾が投下され、小規模な基地と地方都市のみが残され、首都と思われる大都市を除いて全てが消える。
「こっ……、降伏をさせないおつもりですか」
余りの状況にミリシアル帝国の軍務官は太陽神の使いに問う。
「降伏? 私達は最初にチャンスを差し上げました。 それでも、先制攻撃を仕掛けてきたのは彼らです。 慈悲などありませんよ」
冷たく怒りなどを込めて言い放つことなどせず、笑顔を向けながら幼子に聞かせるように話す太陽神の使い。それがますます各国の大将や軍務大臣達を恐怖に陥らせた。
全土への攻撃衛星からの電子励起MIRVによって、満遍なく大地全てが焼き尽くされていく様子が、無人機によって記録される。
砕け散るビル群も、逃げ回る人々も、何もかもが爆発によって飲み込まれ、クレーターだけが残され、聞こえないはずの悲鳴が幻聴として聞こえてしまうほど、都市から逃げようとする車両が、電車が、爆発に飲み込まれ、大地からラヴァーナル帝国が消えていった。
余りの映像にPTSDになった国の大臣もいたが、戦争というものをロマンや美化しないためには十分な効果であった。
二か月後、降り続いた土石交じりの雨も止み、神聖ミリシアル帝国・ムー国・エモール王国・パーパルディア皇国の船団が到着。
ラヴァーナル帝国が存在していた大陸には何一つ残されておらず、点在する深くえぐられた大地に流れ込む地下水の大湖と、吹き飛んだ土塊によって若干広がった海岸線、草木一本残っておらぬ荒れ果て崩れた山々、数か月にもわたる調査の為上陸した四大列強世界連合の面々は恐怖に震えた。
“ラヴァーナル帝国は世界の敵である”
それは世界の共通認識であるが、戦争にならぬ一方的な大量虐殺、大地さえも破壊し尽くし、そこにラヴァーナル帝国があったという痕跡さえ残さない力に、太陽神の使いに対して恐怖が生れるには十分であった。
・・・
あれです。
二次創作してる身ですが、本当に心配してます。
原作を買ってない人は、興味を持てたら買ってください。