龍の国 日本   作:揚物

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c.圧力

 国際連合に所属する国から繰り返される難民や移民申請を断り、半鎖国状態を維持しながら遅れた技術の習得に時間をかけている。

 

「やはり気軽に出かけられるのは良い。 母国ではこうはいかんからな」

「子供も成人するまで居られればいいのだけれど、任期期間を延ばせないかしら」

 

 日本に訪れる友好国の軍人家族、駐屯のためであっても観光として各地を回り、日本の経済は十分に再生されていった。

 英米だけではなく仏や独などからも、日本に残っていた軍事企業の支社を公的業務で長期滞在で訪れるなど、なんとか清浄な大地に留まろうと手を尽くしている。

 

「いやはや、まさかワイバーンなる空を飛び火を吐く蜥蜴が存在するとは驚きですね。 しかし兵器として十分機能を発揮したのは素晴らしい」

「DNA情報は非常に高い。 しかしこれは国にとっても重要なものとなりえる」

 

 日本としても正当な理由なら拒否する必要もなく、当初の契約通り異世界で得た軍事技術やデータ交換などが活発に行われ、特に異世界の生物情報などはとても高価であった。

 

 

 

 日本が手に入れ戻ってきた魔法技術、その中で世界中が欲しがるものがあった。

 それは識別と吸着魔法を使用した魔道機械なのだが、これを使う事で容易に放射性物質をフィルタリングする事が出来るのだ。

 それも土壌から水に空気まで万能であり、原子力発電所の事故に備えて日本が開発していたものを、英米と共にさらに発展させこの世界においてどの国も喉から手が出るほど欲していた。

 日本は鎖国状態であるために技術はあっても輸出販売はせず、英米が独占する形で国連加盟国に優先順位をつけ、売却せずに軍に護衛させ使用していた。

 

「日本は世界に対して魔法技術の全てを開示すべきである!!」

 

 しかし、古来からの大地の支配者に対し、核を使用した国は国際連合から排除されており、その国家群は独自に国際連盟を形成し、日本に対して情報の公開を迫った。

 

「国際連合を離脱した国家が何を言う。 我々はそちらがやった始末で忙しい」

「日本には物資や技術を支払い正当に得ている。 無償で公開しろとはおかしな話でしょう」

 

「国家である以上、無償はおかしな話だ。 貴国も対価を出せばよいだろう」

 

 むろん技術を各国に輸送し、汚染除去をしている英米がゆるすはずもなく、それどころかやや中立であったロシアまで苦言を上げる始末であった。

 ロシアはもちろん国際連合に籍を置いたままであり、英米を通して技術等の売却と引き換えにほんの一部ではあるが正式に魔法技術を購入していた。その為無償で世界に公開しろと言う発言には、穏便にではあるが不快であると意思を表明していた。

 むろんその中には旧式化しているとはいえ、ロシアの戦車の現物や誘導弾の技術情報も含まれていた。

 

 しかし、他国とは異なり核を使ってまで大地を奪い返した国家にとって、正当な意見などなんの意味もなく、力で奪うための準備を静かにそして堂々と行い始めた。

 それ故に日本には英米だけではなく仏と独の軍も駐屯することになり、さらなる兵器や軍事技術が流れ込み始める。

 

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