ジゼルの祝いが集まった翌日 オレとジゼルは祝い返しのため 暗竜家への道を歩いていた
「お前をこうして 外へ連れて歩くのははじめてだな」
『卵のときは よく連れて出てましたけど
こうして 殻がない状態で見る景色はいかがです ジゼル』
\~♡/
ジゼルはオレに顔をこすりつけるばかりで あまり周りを見ているようではないな
自分で歩ければいいのだが・・・
まだ歩ける段階ではない上に まだ自由に飛べん 仕方なく小脇に抱えている
いっそこのまま 追いていけば自力で飛べるようになりそうな気もするが
『ダメです』
「わかった わかった ・・・ところで暗竜家に着いたようだな」
崩れた遺跡の中に 外見上はそう変わらないが 人の気配のする建物がひとつ
これが話に聞いた 暗竜家なのだろう
7種の竜の中で最強の力を持つ暗竜 是非一度来てみたかった家だ
この家にも生まれたばかりの子竜がいるが 生まれてから体がやや弱いとのことで
訪問を見送っていたのだが ジゼルの祝いの返礼と 顔合わせの名分ができたこの機会
「ようやくこれたな 最強の暗竜のみが住む家 なかなか風情のある佇まいではないか」
『崩れかかっているように 見えるのですが ああエリーゼが見えますね
あともう一人』
帽子をかぶった男が一人 人間・・・か? 魔族のような気配も感じるが
まあオレも あまり人のことはいえんが
〔ようこそ暗竜家に ハドラーさん 私は先代暗竜術士メリアの息子でエリーゼたちの兄
郵便屋のウィルフと申します〕
「ほう 竜術士ではない人間もいるのだな」
〔私はここに住んでるわけではなく 休暇の時だけ帰っているので
それより上がってください あ この子がジゼルちゃんですね はじめまして〕
「失礼しよう ああこれは手土産の茶葉だ 持っていけ 水出しでも飲めるぞ」
ジゼルを抱えていたのとは逆の腕で持っていた荷物を渡した
家に入ると外見とは違い きれいに片付けられたものだった
生きている遺跡やダンジョンではよくあることだがな
中で待っていたのは以前顔を合わせた暗竜術士のメリアと 術服を着た男と腕に抱いている子竜
そして人間の女 ・・・ム?たしかに外見は人間だが違うな モシャス(変身呪文)いや
これがおそらく人化術の完成形か
〔いらっしゃいませ ハドラーさん こちらが今の暗竜術士の・・・〕
〔テイム・フランテルです この子が私の一番竜プレアです
卵が孵っていますので 形としては暗竜術士となりますがまだまだこれから修業の身です
ご迷惑も多々おかけするでしょうが どうぞよろしくお願いします〕
\まあ おれの方が そっちのチビより年上だからな たまーになら相手をしてやってもいい/
テイムにプレアか 新任の竜術士と一番竜の割には アグリナとは髄分様子がちがうな
【・・・メリア母さんの補佐竜のラルカ・・・ よろしく】
やはり人間ではなく竜だったか これほど姿を人間に似せられるとは中々の術だな
しかし 暗竜が三人か その気になれば世界を滅ぼしかねない力を秘めているそうだが
それを制御する暗竜術士も 相当の手馴れということか
「オレはハドラー こやつがジゼル 後オレの中に聖母竜というやつがいる よろしく頼む」
『多分聞こえてないでしょうが 聖母竜です どうぞよろしくおねがいします』
ペコリ ニコッ
ジゼルも一礼し笑顔を見せた
「ほう出来るようになったな」
ニコニコ
ジゼルがオレにも笑顔を向けているが それはさておき
〔ご丁寧にありがとうございます ハドラーさん達もこちらの席にどうぞ
今 お茶をお出しします 折角ですからハドラーさんのお土産のお茶をだしますね
ラルカ お願いね〕
コク
ラルカが淹れた茶は冷たく 外の夏の暑さとは正反対だ
「この冷えた茶も竜術によるものか?」
〔ええ 暗竜術だけでも 物を冷やしたりはできますから〕
「やはり 竜術というのは便利なものだな たしかジゼルにも暗の力があると聞いている
いずれは 学ばせてみるか・・・」
まだ額に生まれたての証である 鱗の模様が残るジゼルの潜在能力に 何ともいえん感情が湧く
〔おいしいですね このお茶 私はコーセルテルの外で働いてますけど はじめて飲む味です
コーセルテルで作ったんですか?〕
「ああ 大した量が採取できなかったのだが マシェル達が竜術で増やし煎じたおかげで
このとおり 水でも十分な味がでる これをジゼルの祝い返しに各家に配ろうと思っている」
〔それは喜ばれるでしょうね コーセルテルは暑すぎる日がないとはいえ
それでも夏場は参っている子竜もいますから 冷たい水ですぐに飲めるお茶はありがたいですよ〕
【お茶葉がどこで採れるのか知りたい・・・】
なかなか好評だな これは気分がいい もっとも ほぼマシェルたちの手柄だが・・・
『アバンにも感謝しないと・・・』
いや それはいい
茶を飲みながら 和やかな時が過ぎる中・・・
〔そうだ ハドラーさん エリーゼから聞いたんですが 紙芝居を作るそうですね
どんな内容か聞いてもいいですか?〕
ウィルフの一言で ここに最初の紙芝居が形になりはじめた・・・
コーセルテルのイラスト集を無事購入 とっても満足したこの熱い思いが冷めないうちに更新できました といっても今回のは前編ですが。
基本単行本で読むので 雑誌時のカラーページや グッズの絵など貴重なイラストが多く しかも書き下ろし小冊子の全員サービスの申し込み用紙付 楽しみに待ってた甲斐がありました。
暑さもピークをむかえ 一日中消耗を強いられる日が続きますが みなさまお疲れがでませんよう。