大魔女とドラゴン   作:ディアナ

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 リーチェが実装されたときはとても反響がありましたよね。懐かしいです。この物語はリーチェが実装されたときの環境で話が進みます。
 実際にパーティーを組んでみて勝てたダンジョンが登場します。ただし、その挑戦回数が1回とは限りません汗


ナイル神

 気がつくとそこは洞窟のような所だった。さっきまで一緒だったゼラさんの姿はそこにはなかった。さらに、他の魔女たちの姿も見当たらなかった。洞窟には壁に等間隔に松明が灯されており、人為的なものを感じさせられるので少し安心した。しかし、それでもモンスターが出てきそうな雰囲気がぷんぷんする場所だ。洞窟の壁にはかつて戦争でもあったのか、沢山の傷痕が見受けられた。

 するといきなりスライムのような小さな青と赤の生物が顔を出した。

 「んんん?!」

 可愛い見た目の可愛い声で、しかもスライムなので私はつい油断して近寄ると体当たり攻撃をされた。かすり傷の1つも負うことはなかったが、どうやら話しをすることは出来ないようだ。仕方がないので少し気が引けるが氷の魔法で凍らせてからさらに奥へと足を進めた。すると今度はさっきと同じスライムが4体出てきた。彼らもさっさと倒して最深部と思われる所まで来たときに、先程までとは少し違ったモンスターが現れた。

 

 「こんなところまで何のようだにゃ!ボクたちは始まりの搭の守護者、カーバンクルー三兄弟だにゃ!」

 そう言うと彼らは私に向かって攻撃を仕掛けてきた。その攻撃も微々たるもので痛みを感じることは無かった。

 「カーバンクルーさん?私は道を知りたいのです。ここがどういったところなのか教えて頂けませんか?」

 「弱者に教えることなどないにゃ!いくにゃ!」

 3人は一斉に飛びかかってきたが、私の魔法1つで打ちのめした。

 

 「いたたたたたた……。」

 「その、教えて頂けませんか?」

 「この先を行ったところに魔王の城があるにゃ。そこのヴァンパイアならもしかしたら何か分かるかも知れないにゃ。」

 「そうですか。ありがとうございます。」

 そう言って私は彼らを後にし、魔王がいると呼ばれる城に行くことにした。魔王と聞くと大抵の人は怖がるだろうが、私たち魔女にとって魔王とは尊敬すべき存在である。なので、会いに行きたいと思ったまでだ。

 

 洞窟を抜けカーバンクルの言っていた魔王の城を探しつつ、舗装された綺麗な道を歩いていた。

 1人ゆったり過ごすのは好きだが、土地勘のない場所で右も左もわからぬまま過ごすことは難しい。まず、食料の調達をすることも必要だし、それを得るためにお金を稼ぐ必要もある。最も前までは自給自足で生活していたのでお金を稼ぐ必要はなかったが。

 

 高かった日は傾き掛けていた。どれだけ歩いても魔王の城らしきものは見当たらなかった。カーバンクルが言っていた通りであればこの道を山の方に行けば見つかるとのことだが、歩いても歩いてもたどり着かない。すると、道脇の芝生の上で寝転びながら本を読んでいる美しい女性を見つけた。長い髪が黄昏時の風に吹かれてよりいっそう美しさを際立たせる。私がその女性に見とれていると、その女性がこちらに気づいて手を振ってきた。

 

 「ごきげんよう。」

 にこっとこちらに微笑み掛けて芝生の横をとんとん叩いてこちらを見ている。

 「こちらでお会いになれたことは神のお導きでしょう。もしよろしければ少しお話していきませんか?」

 私は言われるがままにその女性の横に座る。横に座るとなんとも言いがたい綺麗な清水のような香りが漂ってきた。人見知りで他人に声をかけることが苦手な私だが、今回に限っては美しさに見とれて声が出せなかった。

 「我が名はイシス。そなたの名はなんと?」

 「り、リーチェと申します。とある事情で遠くの孤島から参りました。」

 緊張して声が裏返ってしまった。そんな私をみて少し微笑みながら私の服装を見て続けた。

 「お見受けしたところリーチェさんは修道女でございましょうか?それとも……。」

 「えぇ、そうです。修道女です。」

 魔女とばれてややこしいことになるのを私は嫌って修道女と名乗ることにした。それを聞いたイシスは少し笑って何か含んだ顔で会釈した。

 「ところで、そなたはなぜこのような辺境に来られたのですか?こちらにはヴァンパイアの城くらいしかありませぬよ。」

 「そのヴァンパイアの城に用事がありまして。」

 私がそう言うと不思議そうな顔をして探りをいれてきた。

 「教会は悪魔を忌み嫌うもの。修道女であるそなたが足を踏み入れてはならぬ場所。いかにして?」

 「いかに修道女としても、私は異国のものです。こちらの教会と私の国の教会では信仰は異なります。なので、私の国では悪魔の地に足を踏み入れてはならぬなどという決まりはありません。」

 うまくごまかせたかは分からないがとりあえず言い訳ができた。人が嫌いとは言えどもなぜかこの方とお話をするのは楽しかった。するとイシスはまたさらに攻めてきた。

 「では、そなたは単身で魔王の城に足を踏み入れいかにしようと?もしや、贄になろうなどとは考えまいな?」

 「えぇ、そんなことはないですよ。それよりも、イシスさんこそどうしてこちらに?」

 

 攻撃されっぱなしではいずれ魔女とばれる気がして反撃に転じてみた。最も反撃になっているのか、そもそも向こうは戦ってるつもりすらないのかは定かではないが。

 「我が名に聞き覚えはないか?異国のものであれば知らぬのも仕方がないの。」

 イシス……イシス……。たしかに言われてみれば聞いたことがある。たしか伝記か何かで読んだことがあるような……。

 「我はナイルの豊饒の女神である。そして、魔法の神として知られておるのだがな。」

 まさか、そんなはずは、神?理解が追い付かない私にさらに追い討ちをかけるようにイシスは続ける。

 「魔法の神であるがゆえ、そなたの魔力なぞとうに見抜いておるのだが?」

 そう言うとすこし意地悪な笑顔をこちらに向けて楽しそうにしていた。

 「なかなかの良い切り返しであったぞ?察するにそなたは魔女ということで差詰め苦労を重ねてきたのでしょう?そこで、魔女と知られれば不利益が出ると思い修道女を名乗った、と言ったあたりかの?」

 すべて見抜かれていた。少し悔しい思いをしながらも、これだけ人と話せたことは嬉しかった。もっとも相手は人ではなく神であったわけだが。

 

 「しかし、滑稽ですね。神であるイシスさんが神のお導きなどとは。」

 「なに、ちょっとした戯れですよ。」

 ふふっとわらうそのいたずらな顔が美しい。

 「今日は良き日です。よかったら今晩だけでも共に宿を探しませんか?」

 そう私が提案すると、快くイシスさんは提案を受けてくれた。

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