大魔女とドラゴン   作:ディアナ

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 町に到着したリーチェ一行はゼラたちと再開を果たすために情報集めをする。同時に仲間も募集していた。


名探偵の戯れ

 「ふぅー、なんとか着いたかや……。」

 くてぇと関所の前で座り込むエンラを横目にイシスさんは入町の手配を済ませていた。

 「ねぇ、エンラ。エンラって何歳くらいなの?」

 「ありゃ?女に歳を聞くなぞぬしもまだまだじゃの。」

 「女同士なんだからいいじゃない。」

 「ではぬしよ。わっちはいくつに見えるかや?」

 「そうね……。」

 見た目だけで言えば15歳前後である。少し大人と見ても18歳にはなっていない。つまりは成人はしていないだろう。私とて成人していない身ではあるが、私の世界の理では魔女だから何百年も生き長らえるなどということはない。人である以上100にもなれば死ぬものだ。そこから考えると15歳と考える。しかし、弟子がいて、ドラゴン探しの旅をして、龍喚士部隊の幹部までしていたとくる。ますますわからなくなって頭を抱える。そして、導き出した答えは……。

 「15歳くらい?」

 「ほぉ……。」

 「お!当たった?」

 「じゃからぬしはわっちにはタメ口でイシスには敬語なのじゃな?」

 「え?な、なんというか、町娘のイメージが消えきれてなくて……。」

 「気にするな。わっちもその方が気が楽じゃ。」

 「で、正解なんですか?」

 「まぁ……、惜しいかもしれぬな。」

 「あれ?じゃあ私よりもしかして歳上?」

 「ぬしの歳を知らぬがざっと20倍くらいかの?」

 「?!」

 「ドラゴンは長生きなのじゃ。これに懲りたら人に歳など聞かぬことだな。」

 唖然としている私をほってイシスさんの方へ歩いていった。

 「行きますよ。」

 イシスさんに急かされて私も着いていく。

 

 町は賑やかだった。たくさんの商店が並んでおり、土産物屋のようなところには雨の雫のような形をしたかわいい生き物のぬいぐるみや、占いに使うのか分からないが美しい宝玉のようなものが売られていた。食べ物の露店には「本日狩り立てのドラゴンの肉」などと書かれたものがいくつも売られていた。町行く人たちも皆人に見えないものがたくさんいた。あるものは獣の耳を持ち、あるものは身体が溶けかけているものもいた。もちろん普通の人に見える人もたくさんいる。そして私たちも周囲からそう見られていることを願おう。

 「そなた、ゼラという人間を探していましたよね?」

 「はい、生き別れた友人でして。」

 「ここは商人の町です。町の規模は大きくありませんが、情報網はとてもすごいのですよ。旅をするときはここで情報を集めました。」

 「なるほど!ではここで私は情報を集めたいのですが……。」

 「わっちはここで飯が食いたいの!」

 「では、ここでひとまず別行動にしましょうか。」

 「しかしぬしよ、こやつは宿に泊まる金がないのではないか?」

 「へ?あ……。」

 「心配いりませんよ。3人分宿を取っておきます。ですので、そこで落ち合いましょう。」

 私はイシスさんのなんやかんやで優しいところにとても感動していて。ここまでお金といい情報といい手伝ってもらってなんと感謝していいのかわからないほどだった。

 「ありがとうございます!」

 「ふふっ、こんな面白いおもちゃを大切にしないわけがありませんからね。」

 クスッと笑って今までの私の感動を返せと言いたくなるセリフ吐いてから町に溶けていった。

 

 さて、情報を集めることにしよう。とりあえず目の前にいた商店のおじさんに声をかけた。

 「すみませんー。」

 「いらっしゃい!今年は麦が豊作でね!安くなってるよ!」

 「いえ、そのお聞きしたいことがありまして。この辺りで緑の私の似たような少女を見かけたという情報はありませんか?」

 「知らないなー。すまねぇなお嬢さん!」

 

 その後を数件を回ったがどこも何の情報もなかった。

 「イシスさんは情報がとても多い町と言っていたのに……。」

 独り言をボソッと呟いて座り込んでいると、いきなり肩を抱かれた。

 「よぉ、お嬢さん。」

 「ヒィッ!」

 私は驚いて手を振りほどいて後退りした。横を見るといかにも胡散臭そうな探偵のような男性がキセルを持って立っていた。

 「第一声が悲鳴とは私も傷つくな。」

 「そ、それはあなたがいきなり!」

 いきなり肩を抱いてきたからだ。と言いたかったが、男性が相手とわかった瞬間に言葉が詰まってしまった。もともと話すのが得意ではない上にこの手の男でまともだったやつはいない。

 「いきなり、なんだ?私の方こそいきなり悲鳴を挙げられて、周囲の目が痛いのだが?」

 それを言われてふと周りを見ると、少女がナンパに合っているかのような目で通りすぎる人たちは見ている。中にはこれ以上手を出したら取っ捕まえてやると言わんばかりに睨みを効かせている腕っぷしの良さそうな人までいる。

 「す、すみません……。」

 「わかってくれればいいんだ。」

 何がだよ。いきなり抱きついてきてなんだその言い草は。とりあえず顔面に1発氷結魔法をぶちこんでやりたい。そう思いながらも口に出さずに堪える。

 「そして、何のようですか?ナンパですか?」

 「失礼な。私は君のような年端のいかない少女は好みではなくてな。なに、ただ1人で行き詰まっているように見えたから少しアドバイスをやろうと思ってね。」

 「失礼なのはどっちですか。たしかにアドバイスはありがたいですけど……。」

 これは信用していいのか?それとも困っているところにつけこむ罠なのか?私が考えているうちに彼は語り出した。

 「私の名前はシェート。この辺りで起きているある事件のことについて調べているものだ。君は?」

 「私はリーチェです。いなくなった友達を探しています。」

 「こうやって取引をするんだよ。」

 「え?どういうことですか?」

 「頭の回転の悪い子だ。」

 「なっ?!」

 「私は今1つも本当のことを言っていない。名前も、していることも。だが君はどうだ?」

 「……。」

 「名前を名乗られたから私も名前を。何をしているか言われたからしていることを。という等価交換の意識で話しただろう?」

 「えぇ、まぁ。」

 「知りたいことがあるなら、それと釣り合う報酬を支払うべきだな。間違ってもなにも買わずに情報を貰おうなんて考えないことだな。ここの人間は商人だ。」

 「……ありがとうございます。」

 「面白いやつだな。私はシェリングフォートだ。またどこかで。」

 「え?」

 「安心しろ。今度は本当の名だ。」

 そう言うと彼は足早に去っていった。全く嵐のような人とはこういう人のことを言うのだろうか。それともただのお節介なんだろうか。とりあえず良いことを聞いた。情報がある町で何も得られなかったと言うことはつまりそう言うことだろう。しかし、お金になるものも情報も持ち合わせていない私に等価交換をできる場所などあるだろうか。

 

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