大魔女とドラゴン   作:ディアナ

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デビルラッシュのお話です。
パーティはRリーチェSエンラSシェリングSエウリュディケーのカードSなしFイシスです。


悪魔の軍勢

 座り込んで作戦を考えていると急に村が騒がしくなってきた。もともと騒がしい町だが異様な騒がしさだ。何かに追われているような空気がしている。目の前を通りすぎる人たちが皆同じ方向に走っていく。なんの騒ぎかわからないが、人々が同じところに集まるのであればこの中にゼラさんがいるかも知れない。私は人の流れに乗じてゼラさんを探しながら町の中央の所まで来ていた。何があったか気になるので話しかけやすそうなおじさんに聞いてみることにした。

 

 「すみません、これは一体なんの騒ぎですか?」

 「悪魔の軍勢がせめてきたってんだよ!」

 「悪魔……ですか?」

 「あぁ、そーだよ!この辺に魔王の城があんだよ!そこから来たんじゃねーかって噂だ。今年も贄を捧げたのになんだってんだ。」

 「そうなんですか……。ありがとうございます。」

 

 こうしてはいられない。すぐにイシスさんたちに知らせて討伐に向かわなくてはならない。魔王の城は討伐したはずだが、もしかしたらそこの残党が主の復讐のために攻めてきたのかも知れない。そうなると、この町の人たちが危ない。町を走り回っているとさっきの探偵の姿があった。たしか名はシェード、いや、シェリングフォードだったか。

 「シェリングフォードさん!」

 「お、さっきのお嬢さんじゃないか、寂しくて抱き締めてもらいに来たってか?」

 「違います!悪魔の軍勢が来たって!」

 「あー、そりゃたいへんだ。ではさっさとお暇させて頂こうかな。」

 「ちょっと待ってください!」

 「なんだい?わりぃが無一文のお嬢さんなんて俺は用はないぜ。」

 「そ、その。緊急事態です!お力を貸していただけませんか?」

 「なんで俺なんだよ。他にもっと戦えそうなやつがいるんじゃねーのか?」

 「あなたは弱いのですか?少なくとも私よりは戦えるように思えるのですが。」

 「ほぉ……。なかなか見る目があるじゃねぇか。で、なんでそう思った?」

 「シェリングフォードさんの持つカードには特殊な力を感じます。それに、ただ者ではないという女の勘です!」

 「ひゅー、女の勘と言われちまうとなぁ……。」

 「お願いします!私1人では手に負えないと思うのでお力添えを!」

 「なんだ、お嬢さんも戦う気かい?」

 「私はこう見えても魔女です!」

 「なるほど。で、報酬は何を約束してくれるんだ?」

 「報酬……。その、私には見ての通り何もありません。」

 「報酬は払えない。けれど私のために働いてくれってか?それは都合が良すぎねぇか?さっきのアドバイスを忘れたか?こっちだって命をかけて魔王と戦うんだぜ?」

 「……。で、では!報酬は……。その……。私と言うのはいかがでしょう?報酬金に見合うだけの労働を約束します!」

 「つまりはお嬢さんの命って訳か?見ず知らずの町を守るためにそれは釣り合わねぇんじゃねぇのかい?」

 「その……。ここに友人が来ているかも知れないのです。ですのでそのくらいは平気です。」

 「そうかい。だが俺はガキに興味はねぇんだよなぁ。」

 「で、では!やはりお金ですか?!一刻を争うんです!なんなりとお申し付けください!」

 「ったく……。分かったよ。金にがめつい人に思われるのも癪だ。お嬢さんのそれで手を打とう。」

 「ありがとうございます!着いてきてください!」

 「はいはい。あとシェードで構わんよ。俺のあだ名だ。」

 「はい!」

 

 私はシェードの手を引っ張りながらイシスさんたちと落ち合う予定だった宿まで来た。ここにもしかしたら帰ってきているかと思って来たが、残念ながらイシスさんたちはいなかった。

 「おいおい、お嬢さん。ちょっと待ってくれ。」

 「何ですか?!時間がないんです!」

 「わかってるわかってる。時間がないときこそ冷静に、だ。」

 「どういうことですか?」

 「お仲間さんをさがしてんだろ?そのお仲間さんたちもお嬢さんと同じ考えだったらとっくに迎え撃つ準備をしてんじゃねーのか?」

 「……そうですね!では行きましょう!」

 「はぁ……。忙しないお嬢さんだ。」

 

 私たちは魔王軍の攻めてきた砦に向かった。そこにはすでに2人がいた。

 「やっときたかや。何を呑気にしておる!ぬしはわっちらのリーダーじゃ!」

 「は、はい!イシスさんもよろしくおねがいします!」

 「承知しました。ところでそちらの方は?」

 「ん?俺か?お嬢さんのボディーガードってところだな。」

 「シェリングフォードさんです。」

 

 私たちは最低限の挨拶を済ませるとすぐに戦闘体勢に入った。すると遠くから見たこともないようなドラゴンが現れた。遠目に見るとドラゴンの形をしているが、身体の至るところが朽ちていて強烈な悪臭を放っていた。死体が何百年もかけて腐敗したかのような見た目だった。その目は深緑色に光っていて意思を持たず、ただ目の前の獲物を駆逐するだけの存在のように思えた。

 「ドラゴンゾンビかや!」

 エンラは苛立ちを込めた声で叫んだ。

 「誇り高きドラゴンともあろうものが、自分の死をなぜ潔く認めぬ!」

 「ぐおおぉぉぉぉぉぉ!!!」

 ドラゴンが咆哮をすると、空が急に曇り毒の雨が降ってきた。

 「こりゃ、不味いな。早々に決着を着けねぇと町が毒の海だ。」

 「いきますよ!」

 私はみんなが攻撃出来るように陣形を整え、一斉に攻撃を放った。ドラゴンゾンビは攻撃に耐えられずみるみるうちに身体が溶けていった。

 「やった!」

 私が喜んでいると周りのみんなは次の戦闘体勢に入っていた。

 「まだまだいるぞ!気を抜くな!」

 「そなたに言われずとも気など抜きませんよ。」

 次に現れた敵は私たちが見覚えのある姿をしていた。

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