根源の破壊者   作:フラッシュファントム

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破壊と創造

「これより作戦を遂行する」

 

 織斑計画の完全破壊から数年後、ネームレスはある人物を暗殺するためにこの世界に送り込まれた。彼はあの計画を無に返した後、世界の監視を別次元からしている。

 ネームレスの使命は物語の始まりとなる根源を排除することだ。彼の出自は不明だが元いた世界の崩壊から逃げてきた放浪者で幾多の世界を渡り歩いてきた。

 それらの世界もまた崩壊して放浪生活に戻るなどの苦境が続いた。彼の訪れた世界が無くなった原因は行きすぎた科学技術の発達と人の倫理から逸脱した実験から生じた副産物によるものが殆どだった。

 そしてネームレスは放浪中に得た超科学の力で時を自由に渡り歩けるようになった。彼はその力を使って世界を崩壊させた力の源を生み出した人物を発見、過去に赴いて暗殺。世界の崩壊を影で防ぐ存在となった。

 

(知的生命体が大きすぎる力を手にするからだ。私とて同じ存在であることは承知している。だからこそその力の根源を消すために私が任務を遂行する)

 

 ネームレスは自己満足のために行動する。今回の暗殺対象『篠ノ之束』を発見した。彼女は現在、1歳の幼児だが未来でISを開発する天災、ここで奴を殺せばISは生まれなくなる。幸い親が目を離している。彼女は外で遊んでおり母親は近所の奥さんとの話に夢中だ。今がチャンスである。

 

「任務、開始」

 

 彼は早速、光学迷彩で身体を隠して消音器を取り付けた狙撃銃を出して狙いを定める。照準器のメモリ中心に無邪気に動く束に合わせて呼吸をして手振れを抑える。

 ネームレスは手振れが無い一瞬の時に狙撃銃の引き金を引いた。銃口から放たれた弾丸が束の頭部を貫くと共に彼女は倒れてしまった。

 

「ターゲットの死亡を確認。任務完了」

 

 束の死亡を確認した彼は小型転送装置でその場から直ぐに離脱、異空間に逃げた。天災となる少女の生涯は幕を閉じた。

 その後、篠ノ之の両親は娘が亡くなった精神的ショックにより子供が産めなくなり妹となるはずだった箒の存在が消えた。それだけでなく鈴音の人生も変わりいじめが原因で引きこもりとなってしまった。

 影響はこれだげでなく白騎士事件が無くなったことで女尊男卑の風潮が消え去り、IS学園その物の存在が無くなった。

 ドイツの軍人であるラウラは織斑計画のデータを参考にして生まれた少女だが計画が消えたことで彼女の存在も無かったことにされた。

 英国にいるオルコットはISの存在が無いので両親の遺産を守りきれずに家は汚い大人に盗られて惨めな生活を送る羽目になった。フランスの少女『シャルロット』は父親がISとは無関係の業界に入っているが故に愛人を作らなかったので生まれず、シャルロットの存在が無かったことにされた。

 更識姉妹は姉妹仲が一切改善されることなくすれ違ったままの生活を送った。ISの存在が消えた世界は混乱もなく平穏な毎日が続いているようだ。

 

「観測完了。この世界は問題ないようだ」

 

 未来予知で大きな問題が起きないことを確認したネームレスは次の世界に旅立った。

 こうしてISの世界は織斑計画の完全消去と束の暗殺により物語が消えた。彼が破壊して生み出した世界は変わることなく平穏な日々が流れている。




こんな形で名無しの男が物語の根源をただ破壊するだけの話です。
思い付きかつ不定期で更新します。
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