キングオブゴールキーパー(笑)に転生したようだ   作:ハッタリピエロ

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吹雪アツヤorigin

俺は今、フットボールフロンティアのスタジアムで白恋中の試合を見ていた。

 

白恋中の動きは事前に見たビデオの動きとは全く異なるものとなっていた。

 

今までの白恋中の動きは士郎とアツヤの二人を中心としたプレイ、良く言えば二人の凄さが際立つ、悪く言えば二人のワンマンプレイだった。

 

だが今では他の皆も二人ほどではないが、相手をマークして動きを止めたりと相手を翻弄している。

 

アツヤも時には味方にパスをしたりしてチームを引っ張っていた。

 

なぜここまでプレイスタイルが変わったのか。

 

ーそれはあの勝負の後

 

「士郎くーん!アツヤー!来たよー!」

 

白恋中のメンバーが河川敷に入ってくると

 

「えっ!?アンタまさか……!!」

 

「目深先輩、知り合いやっぺ?」

 

「何言ってんだ!!あの帝国学園の絶対守護者源田幸次郎だぞ!!?」

 

『て、帝国学園んっ!!?』

 

藁帽子の荒谷紺子や金髪の髪にファーのついた白いロシア帽の真都路珠香を始めとする白恋のメンバーが驚いていた。

 

「ふ、二人とも何してたの……?」

 

荒谷が心配そうに聞いてくる

 

「ああ、ちょっと勝負してたんだけどね。全然勝てなかったよ」

 

「し、士郎とアツヤの二人が!!?」

 

「そ、想像できないっぺ……!!」

 

真都路と氷上が信じられないような顔をしていた。

 

その後白恋メンバーが練習を始めたので俺は近くのベンチでボーッとしていた時

 

「何やってんだアツヤ!」

 

うん?

 

怒号が河川敷に響いて俺の意識は元に戻る。

 

「なんであそこでパスを出さないんだ!あれじゃ試合ではボールを奪われるぞ!!」

 

「あー……なんだそんなことか。安心しな。俺からボールを取れるやつなんていねえよ」

 

「そうじゃないだろ!サッカーはお前一人でやってるんじゃねえんだ!」

 

「……確かにな俺一人じゃない。俺と姉貴の二人だ。ってゆーかお前ら下手くそなくせに何言ってんだ?」

 

「アツヤ!!」

 

「そもそもお前ら人数合わせのためだから」

 

「テメェ……!!」

 

これは……マズイな

 

俺がグラウンドに入ると

 

「あ?なんだよ源田。止めにでもきたのか?お前には関係ねえだろ」

 

「……確かにな。俺には関係ない」

 

「なら「だがお前のやり方が下手くそもいいところだから教えにやってきたんだよ」なんだと!!」

 

俺はハァ……とため息を吐いて

 

「……お前のやり方は二流には通用してもすぐに限界が来るぞ」

 

「テメェ……!!」

 

アツヤが俺の胸倉を掴んだ時に

 

「……と、お前がチームメイトに言っていたようなことを言ってやったが……どうだ?」

 

「はっ!俺とアイツらは違うんだよ!」

 

「……どうだか」

 

「テメェ!!」

 

「なら俺と勝負しようぜ?俺を抜いてみろ。勿論俺はGKじゃないから手を使わないし、必殺技も使わねえ。なんなら何人ががりでもいいぜ?」

 

「上等だ!!テメェをぶっ潰しやる!!」

 

アツヤがボールを持ってセンターラインに立つと俺はサイドラインの前につく。

 

「行くぜェェ!!!」

 

アツヤが勢いよく突っ込んでくるが

 

「…………フッ!!」

 

俺が一瞬で加速してボールを奪う。

 

「なっ、なんだとっ!?」

 

俺はアツヤを一瞥すると

 

「……この程度か?」

 

「……チッ!もう一回だ!もう一回勝負しろ!」

 

そして再びポジションに着くと

 

「今度こそ!!」

 

アツヤが向かってくるがファイントのフェの字もないただの突っ込みなので

 

「……なっ!?またっ……!?」

 

「……どうした?あっさりと奪れたぞ?さっきの言葉はなんだったんだ?」

 

その後も馬鹿正直に突っ込んでくるアツヤからボールを奪い続ける。

 

「クソがァァァァ!!!」

 

ボールを奪おうとアツヤが突進してくるが俺はボールを後ろに回して足の裏でボールを前に戻す、いわゆるヒールで躱す。

 

「……なんでだ!?なんでボールを奪えねえんだ!!」

 

「……少し考えればわかるはずなんだがなあ……」

 

「ああ!!?」

 

「……仲間と協力すること。どんなに強くても一人じゃ限界がある」

 

「そんなはずはねえ!!俺はいつだって姉貴とだけで勝ってきた……!!なのに……!!」

 

「……確かに他のメンバーはお前らには及ばないかもしれない……だがサッカーってのは皆でやるんもんじゃないのか?お前は何のためにサッカーをやってるんだ?お前のやるサッカーってのは相手を、仲間を見下すためのつまらないものなのか?」

 

「そんなわけ、ねえ……」

 

「お前のチームメイトだって勝つためにサッカーをしてるのかもしれない。でもサッカーってのは皆でボールを繋いで楽しむものなんじゃないのか?お前のサッカーのオリジンは?」

 

「俺の……オリジン……」

 

アツヤは思い出す。

 

自分のサッカーの原点を

 

ーアツヤー!パス、パース!

 

俺を誘ってくれた姉貴……

 

そうだ……あの時は純粋にサッカーボールを蹴っていたんだったな……

 

ーアツヤ凄いなー!

 

ー頑張って!アツヤ!

 

母さん……父さんの応援が好きだった……

 

ーアツヤは俺たちのなかで一番のエースストライカーだな!

 

ー俺たちも負けてられねえな!

 

そうだ……俺は皆の笑う姿が……皆と一緒にボールを追いかける……そんなサッカーが好きだった……いつしかそれか当たり前と思って……皆の気持ちを考えていなかった……

 

いつからか……姉貴以外の全てを見下して、自分を信じてくれる白恋の仲間を見てすらいなかった……

 

俺は……こんなつまらないサッカーをしたかったのか……?いや違う!自分を信じてくれる仲間を……!裏切るようなサッカーはしたくない!

 

だから……!!

 

「皆……!!俺じゃアイツ……源田には勝てねえ……!!だから……恥を承知で頼む……!!俺に力を貸してくれ……!!」

 

アツヤが頭を下げて皆に頼み込むと

 

「……しゃーないっぺな!アツヤ!貸し一つっぺよ!」

 

荒谷が協力すると宣言すると

 

「あー………わかってくれたのならいいんだ……じゃあやるか!」

 

目深もアツヤのことを許して白恋中メンバーとアツヤが和解した瞬間であった。

 

「んじゃあ……!!仕切り直しだ!!行くぜェ源田ァァ!!」

 

再び突進を仕掛けてきたアツヤ。

 

だが先程のようにはいかないと気づいた。なぜなら

 

(コースが塞がれてるな……)

 

そうドリブルでボールをキープして逃げるには少々難しい……いや、

フェイントなどを駆使すれば抜けなくはないが……

 

「はっ、どうした、逃げねえのかぁ!」

 

アツヤがボールを奪おうと足を突き出してくるが後ろにボールを回してアツヤの足を出す方向とは逆の位置にボールを動かし続ける。

 

だがアツヤは先程のように焦っていなかった。

 

と後ろから氷上と喜多見のスライディングが襲ってきたが両足でボールを挟んでバックジャンプして躱す。

 

「チッ!」

 

「……で、どうだ?チームプレイってのは」

 

「……悪くねえな」

 

「さてと……どうする?まだ続けるか?」

 

「はっ!当然だ!」

 

その後も、何度もフェイントや連携プレーを仕掛けてきたが俺からボールは奪えなかった。

 

だけどアツヤの顔はどこか清々しいものだった。

 

アツヤは今までの自分の行いを皆に謝って、皆もアツヤを許した。

 

ーそして現在

 

白恋中が9ー0で圧倒的勝利を収めた後俺は士郎に呼び出された。

 

うむむ……こうやって二人きりで対面するのは初めてだし……士郎が女の子だとわかって前世を含めて彼女いない歴30年の俺にはどうも緊張が抜けない……

 

それに士郎は初めて会った時はなにかで押さえつけていたかというぐらい胸が大きい……

 

「……何の用だ?」

 

「ありがとうね……僕以外を信じていなかったアツヤに……大切なことを思い出させてくれて……」

 

そう言って微笑む士郎は天使のようで俺は思わず赤面しそうになるが

 

「……あれは偶然だ」

 

「ウソばっかり……アツヤのことを放って置けなかったんでしょ?だから姉としても感謝の言葉を伝えたいな♪」

 

「……まあそういうことにしてやる。あと、一回戦突破おめでとう」

 

「ありがと♪」

 

「じゃあな。待ってるんだろ?チームメイトが」

 

「そうだね。じゃあね。源田くん」

 

「ああ」

 

俺が先に帰った後の廊下では

 

「源田くん……なんでだろう……優しい君と……ずっと話していたい……そんな気持ちでいっぱいだよ……」

 

吹雪士郎は胸に手を当てて早まる心臓の鼓動を感じていた。

 

・・・・

 

士郎と別れてから俺は特にやることもなくしばらくブラブラしていた。

 

「ねえ……あの人って……」

 

「……うん。あの源田……」

 

「アイツが日本最強プレイヤー……か」

 

声の方を見てみると向かいの道路で俺と同じぐらいの歳の女の子たちがこちらを見ているのに気づく。

 

だがまああの試合の後、こういった視線は慣れているので俺は気にせずに前に進む

 

 

 

 

 

 

 

ー……と思ったのだが遠くからの車の駆動音を聞いて振り向くと

 

信号を渡ろうとしている彼女たちにトラックが迫っているのが見えた。

 

「ッ!!!マズイ!!チーターアクセル!!」

 

俺は咄嗟にドリブル技を使って一瞬で彼女たちと車の間に行くと

 

「来いッ!幻獣王レグルス!!」

 

化身を登場させると突っ込んできたトラックを受け止めさせる。

 

トラックは止まり中から運転手と思われし人物が出てきたが無視することにした。あれだけの騒ぎを起こせばすぐに捕まるからな

 

それよりも

 

「大丈夫か?お前ら」

 

倒れている三人の安否確認をする

 

あれ?この三人……どっかで見たような……

 

「ありがとう……助かったわ」

 

「……ありがとう」

 

「ありがとね」

 

青いロングヘアーの少女

 

青髪のショートカットにジト目の少女

 

特徴のあるオレンジ髪に青色の釣り目の少女の順で俺に礼を言ってきた。

 

「なに、大事に至らなくて何よりだ。じゃあな」

 

そして俺は家に帰ってテレビのニュースをつけると影山の神のアクアの件が明らかとなったニュースと先程のトラックが影山の指示だということが自供で明らかとなっていた。

 

トラック事故を引き起こそうとした狙いは世守子中の次の対戦相手、永世学園のメンバー、先程の女子たちを負傷させることが狙いだったらしい。

 

それにしてもあの子らどっかで見たよーな気がするんだよな〜?

 

 

 

 

 




さて!今日登場した子たちは誰でしょう!?

あと士郎はヤンデレではありません!

またアンケートを取ることにしました!

内容は源田の強化委員先です!

また源田の必殺技です!

・チーターアクセル(ドリブル技)

疾風ダッシュより上

説明文
疾風の速さで駆け抜けろ!

源田強化委員先

  • 伊那国雷門
  • 永世学園
  • 世守子中

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