がっこうぐらし!称号「自宅警備員」獲得ルート(完結)   作:島国住み

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悔い改めて♡


つかず離れず 上

自転車は家にあるからきっと遠くには行ってないはず。せいぜい住宅街のどこかにいるはずだ。

でも住宅街って一口でいっても道が入り組んでいるし視界が悪いから探すにはすこぶる悪い場所だ……

 

妹がもし飛真君を探しているのだとしたら候補地が多すぎて探しきれない。どんどん遠くに行ってる可能性がある。だからどうにかしてこれ以上遠くに行かないようにしないと

 

家から少し離れたところで防犯ブザーを鳴らしっぱなしにする。閑静な住宅街なら絶対にブザーの音が聞こえる。そうすれば妹なら飛真君が家の周辺にいることが察せるはず。音の方向に向かうってことが分かるだけでも随分と探す範囲が減る。

ただ、この方法だとかれらも引き付けることになって非常にリスクが高いな……

 

………でもこれしかない。目印もなく探すことのほうがよっぽど危ない。

 

ピピピピピピピピピピピピピピピッ…………!!

 

これだけうるさければ気づいてくれるはずだ……急いで捜索活動に移ろう……!

防犯ブザーを中心に大きな円を描くように回っていれば必ずどっかで鉢合わせられるはず。

 

やっぱかれらが寄ってきてるな……

こっちは突進で単体であれば蹴散らせるけど……悪手だったか?

 

……!

あそこに倒れてるゾンビ、明らかに()()()()()………

ご丁寧に頭部を鈍器で一撃だ。これは妹が殺ったに違いない……

よく見たらポツポツと血痕が向こうに伸びてるな……たぶんバールについた血を拭わなかったんだろうな。

これを追っていけばきっと間に合う!

 

 

血痕はだんだん音のほうに向かってるな……

 

 

……あ!いた!!

なんかフラフラしてる。急ごう!!

 

「咲良!!」

 

「………………………!!」

 

やばい大声出しちゃった。

あああああやっぱ一匹こっちに気づいた!妹に向かって一直線に迫ってきてやがる!妹は放心して全く反応できてない……

向こうのほうが近い!間に合わない!いや、「立ち漕ぎ」を使えば、いけるか……?

 

くそっ、間に合えっ……!

 

ドンッ!!!

 

なんとか突進でかれらを吹き飛ばせた………

でも、何体かがこっちに気づいて寄ってきてる……早く逃げないと……

 

「……お、お兄ちゃん……」

 

妹は……顔が真っ青だ。足もガタガタしてる。恐慌状態に陥ってるな……

これじゃ自力では歩けなさそうだ。

でもママチャリでよかった。荷台があるから二人乗りができる

荷台に乗せて……

 

「しっかりつかまって!」

 

うおっ……ペダルが重い……

スタミナの消費量がマッハですね。これ家まで間にあうか……?

 

妹がしっかりつかまってくれたおかげで急加速で何とか逃げ切れることができました。

防犯ブザーとは逆方向から家に向かえば多少速度落としても大丈夫かな……

 

■■■

 

……なんとか家に帰ってきましたぁ

 

「……うっ……うっ……ぐすっ……」

 

帰ってきたはいいんですがずっと妹がこんな調子で。

泣いてしまう理由は分かる。起きたら誰もいなかったんだもんな……

全面的に自分が悪いからどう釈明すればいいのか皆目見当もつかないゾ……

 

「どこに……どこにいってたのよっ……」

 

「ちょっと外に……」

 

「そんなのわかってるよ!だって、家じゅう探してもお兄ちゃんいなかったもん!……置手紙もなかったんだよ?そんなに急いでたの?でも外に用事なんてないでしょ?ねぇ、どこに行ってたの?まさかコンビニなんて言わないでしょうね?」

 

「道路まで……」

 

「道路?なんで?」

 

「その、体がなまると良くないと思ってちょっと()()を……」

 

「え?……まさか、それだけのために何も言わず、勝手に外に出たの……?」

 

「……………………。」

 

「……信じらんない」

 

あ、妹のハイライトが消えた。

我ながらクソみたいな理由だな……

家にいるのがなんか嫌になって外に出たっていうのがホントの理由ですけどね(小声)

そんなこと言ったらもっとこじれるからこんな毒にしかならない理由を使うしかなかったんや……

どっちがより毒性が薄いかって話ですね。ははは……

 

「私の気持ちは考えてくれなかったの?……起きた時に絶対いるはずの人がいないんだよ?昔の世界だったら別になんてことはないけど、今は……!」

 

「軽率でした。ハイ。」

 

「そんな言葉で済ませられるわけないでしょ!!」

 

うわっ、抱きつかれた!しかも頭がみぞおちに入って痛い……

 

「怖かった。怖かった怖かったこわかったっ!!お兄ちゃんはいつもそう!残された人が何を思うかなんてこれっぽっちも考えてないんだ!どうして何も言ってくれなかったの?私は、家族なのに……!心配するに決まってるじゃない!探しに行くに、決まってるじゃない…………ぐすっ……」

 

ああああああああまた同じ轍を踏んでしまった!

ショッピングモールの時も無断宿泊して妹を泣かせてたじゃん……

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。経験からも学べなかった自分は一体……?

何でもします。本当に何でもしますから許し亭許して(334代目)

 

「ごめん。」

 

「今度こそ本当に愛想をつかされたんだと思って絶望してたらアイス買ってくるみたいなノリで外に出てただけなんて……私は、喜べばいいの?怒ればいいの?泣けばいいの?わかんないよわかんないよっ!」

 

「ごめん。」

 

クソ兄貴じゃん(直球)

言い訳をさせていただくと、プレイにある程度慣れたら結構外に出ても平気なんですよ。ましてや自分ひとりなら自分の身だけ気にしていればいいし。

NPCの立場に立って考えてなかったですね。外っていうのは本来危険極まりない世界で、何も告げずに飛び出すなんて自殺行為ですからね。これに関しては擁護の余地が残されてないので叱られて当然ですね……

 

「……でもちゃんと戻ってきてくれたんだね。衝動的に外に出ちゃった私を探し出してもくれたし。これで分かったでしょ?何も言わず外に出るのがどんなに恐ろしいことなのか。お兄ちゃんは()()をしたんだよ?」

 

「ごめん。」

 

家に妹がいないってわかった時メチャクチャ焦ったからなぁ

確かに心臓が縮む思いをする。正論すぎてなんも言い返せない……

 

「さっきからごめんごめんばっかり。私は謝って欲しいんじゃなくて、二度とこんなことをしないって誓ってほしいの。これはマナーというか、それ以前の問題だから」

 

「二度と勝手に外に出たりしません。破ったら針を千本飲むのもやぶさかではない。」

 

「……絶対だよ?今は昔とは違うんだから。」

 

「はい」

 

「そういえばお兄ちゃん結構外にいたと思うんだけど何してたの?本当に運動だけ?もしかして……」

 

ヤバ。なんか勘づかれそう。

何とか許してはくれたんですけど、まだ妹のハイライトさんがお戻りになってないんですよね……

抱きつかれて至近距離の状態で光を失った目をこちらに向けられると……ヤバい(汎用性が高い言葉)

妙な迫力があって……まぁ何が言いたいかって言うと、ここで下手なことをすると一瞬で妹の正気度がポシャるってことです。

慈悲で垂らされた蜘蛛の糸を離すわけにはいかない……!ここは()()を見せるぞ!

 

「な、なんか今日はスコップの調子が良くて……それで夢中になっちゃったんだ……」

 

「ふーん……。確かにちょっとお兄ちゃん汗臭いもんね……」スンスン

 

「そ、そうなんだよ!たくさん動いて汗かいちゃってね……」

 

「なーんだ。よかった。最初はてっきり()()()()()のところに行ったのかと思って気が気じゃなかったの……」

 

えっなんか口悪っ……気のせいだよねそうだよねそうに違いない。

……まぁしかし自分の判断は正しかったですね。

これは持論なんですが、誠意っていうのは『正直に話す』ってことじゃなくて、『相手の望むことを言ってあげる』ってことだと思うんスよね。(浮気男並感)

今ここで正直に学園生活部と会ったなんて言ったらどうなったかは、ガバの多い自分でもわかりますよ。鎮火しかけている所にガソリンをかける道理はありません。

 

学園生活部問題は解決しましたからね。もう彼女たちはここにはやってきません。ですので『あの時ぶりですねっ!』なんてことになってバレるなんてことは絶対にありません。

この縛りプレイが終わるまでバレる要素はゼロ。これで丸く収まるのなら言わない方が良いですよね?

人それぞれの真実があっていいんです。これが多文化共生社会、ダイバーシティですよ!(生気のない目)

 

とはいえこのまま外出の話題が続いたらいつボロがでるか分からん。話をそらさないと。

 

「ケガとかはしてないか?もしなにかあったら一大事だ。」

 

「ケガ?たぶんないと思うけど………でも、不安だからさ……」

 

「?」

 

「ちょっとお兄ちゃん見てくれない?」

 

「へ?」

 

「へ?じゃなくて、早くしてよ」

 

ケガの有無なんて自分で分かるでしょうに……

しかしそう言われた以上見るしかないな。

妹は既にボディチェックのポーズをしてるからまさか嫌とは言えないし

 

目視で大丈夫だよな……

飛真君は直感低いから見たところで何も分からんと思うけど。

 

「なんかお兄ちゃん目つきがやらしい……」

 

ただいまー!(唐突) 冤罪冤罪冤罪ー!

変人だからできたこと。

……そりゃ知らず知らずのうちに噛まれてたら危ないから念入りに見るでしょ

こんなこと言われて涙が出、出ますよ……

 

「気のせいだろ。……あ、返り血がついてる」

 

「え、ヤダ……お兄ちゃん、取って!」

 

「それくらい自分でやってよ」

 

「そーだよねー、だってお兄ちゃん私のことやらしい目で見てるんだもんねー」

 

ニヤニヤしてる。

あーこれはからかわれてますね。間違いない。

急にケガしてないか確認しろって言ってきたのはこれが目的だったんですね。

ガバに次ぐガバで飛真君の威厳はだだ下がりですからね。このままでは年長者としての地位が揺らいでしまう……

ここは兄として威厳を見せねば。妹にからかわれたままではイカン!

 

「わかったよ。拭いてやるから、ちょっと待ってろ」

 

除菌用ウエットティッシュはどこに置いたっけ……あった。

あんなことを言われて動揺すると思ったら大間違いだぞ。むしろ積極的に妹のいちゃもんに応じることで出鼻をくじく。完璧な作戦だ。

ナメられたら終わりなんですよ(不良の発想)

 

「はい。右腕出して」

 

「うん。……ちょっとそんなにゴシゴシしないでよ」

 

「じゃあこれくらい?」

 

「今度はなんかくすぐったいよ。……お兄ちゃん、わざとやってるでしょ?」

 

「さぁ?……はい、右腕終わり。次は足だな」

 

「今度はちゃんとやってよね」

 

「はいはい。」

 

バールに付いた血を拭かないまま歩いてたせいで足に結構血がついてるんだよな……

お互い気が動転してたから気が付かなかったけど、もっと早く気付くべきだったな。

こういう時にカッパの偉大さを感じる

 

「んもぅ!くすぐったいよ!……もうちょっと強くこすってよ!」

 

「これで皮膚に傷を作ったらヤバいだろ?だから慎重にやらなきゃ」

 

「それはそう、だけどっ……」

 

さては飛真君に頼んだことを後悔してるな?

しかしもう遅い。どれくらいの強さが一番くすぐったいかを把握した飛真君に死角はない!

兄を愚弄したことを後悔するがいい!フハハハハハ!

 

「もう少しだから、我慢しろ」

 

「…………………………」

 

「……ハイ、終わりっ!…………咲良?どうした?」

 

「な、な、なんでもない。……ちょ、ちょっと私バールをきれいにしてくるね!」

 

ありゃ。行っちゃった。

なんか顔が赤かったな。怒っちゃったのか?

少しからかいすぎたかもしれない。まぁでも妹に意趣返しできたのでヨシ!

 

ちょっと外に出ただけのつもりだったけど色々あったせいでもう昼過ぎか。

なんかこう、何かを始めるのは遅いし寝るには早すぎるんだよなぁ……

 

うーん……仕込みに時間がかかる料理でも作ろうかな?

今日は妹にさんざん迷惑をかけちゃいましたからね。

最近食事を簡単に済ましてたからたまには時間をかけるのもいいかもしれない。

 

でもよく考えたら調理器具と素材がかなり限られてるから時間をかけたところで工夫の余地が少ないんだよね……

レンズ豆があるからそれとコンソメで味付けしたスープみたいなのは作れるとして、メインをどうしよう?

サバ缶カレーとかでいいか。迷ったらカレー。間違いはない

米炊くの結構時間かかるから意外とできたころにはちょうどいい時間になってるかもしれないな。

 

こんな時にコンロが一つしかないと不便ですね……

並行して作れないから待ち時間がどうしても生じてしまう。

 

乾燥食品と根菜は長持ちするとして生鮮食品もうお目にかかるのは無理ですね。

カレーの味をまろやかにしたいから牛乳を使いたい……

欧州の方じゃロングライフ牛乳が普及してるらしいからまだ良さそうですけど、ここじゃ探してもないだろうしなぁ……

 

さすがにレンズ豆だけだと味気ないので切り干し大根を入れてケチャップを少量加えます。水筒に入れて保存しておきましょう。

トマト缶としょうがをちょっと入れればカレーとサバがどうにか調和してくれるだろ(適当)

 

こんな感じかな。二人とも昼食べてないから量としてもちょうどいいと思う。

気が付いたらもう夕方だし。炊飯器ってほんと偉大な発明だったんだな……

 

「ご飯できたぞー」

 

「はーい」

 

おっきたきた

別に怒ってなさそうですね。

 

「ちょっと早かったか?」

 

「ううん。昼ごはん食べてないから私お腹ペコペコ。早く食べよ?」

 

「そうだな。いただきまーす」

 

食べてみた感じは……良さそうですね。

材料が足りてなかったから大丈夫か不安ではありましたが、何とかなりました

 

そういや妹の正気度はどうなってるかな?

あれ?意外と高いですね。

その割には情緒が不安定な気も……

()()()()()平気だってことですかね?何をすればどれくらい減るのか把握できてないから、あんまり数値を信用できないですね。

 

「……さっきから私の顔じっと見てどうしたの?」

 

「いや。なんでもない」

 

ま、考えてもムダですかね。

正気度低空飛行を極めているりーさんと比べたらかなり安心できる。

乱高下されるのも厄介ではあるんですケドね。

 

「「ごちそうさま」」

 

いやー食った食った。

今日はパパパッと後片付けをして終わり!閉廷!

 

でも寝る前にちゃんと汗をかいてしまった体をきれいにしないとな。それと着替え

毎日やってることですが今日は特に念入りに行わないと清潔さが損なわれてしまう

衛生とか清潔さはおろそかにしてると結構いろいろなことにデバフが付くんですよね……フキフキ

あ゛あ゛~シャワー浴びてぇ~~

しかしこれも称号までの辛抱。

俺、今週生き残ったら熱々のシャワー浴びるんだ

 

「お兄ちゃ……あっ、ご、ごめん!」

 

「なに?」

 

……慌てすぎでは?

まぁ、どういった要件なのかは何となく察しがつくが一応ね

 

「そ、そろそろ寝ようと思って……」

 

知 っ て た 。

でも今回は自分の部屋で寝てもらいたい

飛真君がやっぱ寝づらそうですし、こっちとしても飛真君が完全に寝付くまで画面から離れられないんですよね。

さっさと寝てくれた方がありがたいんですよ。いつ寝付くか分からないのにずっと真っ暗な画面を見てるのは……いやーきついっす。

妹はなんか朝トゲがある感じだったけど、今は大人しそうなのでいけるか?

 

「今日は別々で寝たほうが良いんじゃない?」

 

「……え?なんで?」

 

「深い理由はないけど。でもやっぱ一緒に寝るのは()()()?」

 

「う、うん。そうだね。じゃあ……おやすみなさい……」

 

意外とあっさり。言ってみるもんやな!

なーんだ。簡単じゃないか。これで睡眠の質は保たれた!

 

今日は予想してなかった出来事が多くて疲れましたね。

それでは、おやすみなさい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あれ?飛真君全然眠りに落ちてくれないんだが。

もしかして二人で寝ることに順応しちゃった?

一人で寝るの久しぶりですからね……これはこれで寝づらいのか

 

ああもう!寝てくれ!もう真っ暗な画面を見るのは嫌じゃ!

 

もうマジ無理……星でも見よ……

なんか夜空がやけに手が込んでてすごいきれいなんですよ

街の明かりがないだけでこんなに夜空は変わるんですね。

 

「あれ、お兄ちゃん起きてるの?」

 

「え?うん。なんか目が冴えちゃって」

 

なぁんかこの流れ見たことあるんだよなぁ……

寝付けないけど明かりは節約したいしそうなると星見るしかないんですよね。

選択肢が狭まっている以上似たムーブをしてしまう。

 

「……寝付けないの?」

 

「……うん」

 

やっぱりなぁ……

お互いあのスタイルに慣れちゃったんだな。それはそれでどうなの?って思いますけど………

 

「あ、あのね………私、一人で暗い所にいると、()()()のことを思い出しちゃって怖いの。だから……その、一緒に寝ちゃダメ、かな?」

 

「それなら仕方ないな」

 

ダメとは言えないですよね。だって枕持ってるんですもん。既定路線じゃないですかやだー

結局昨日と一緒か。なんかもうこれが日常と化してきたのヤバいな

いやでも害もないし飛真君も慣れてきたっぽいし別にいいか。不都合が生じたらその時考えよう

しょうがない。寝ますか。

 

「やっぱりこっちの方がしっくりくるね」

 

「……………………。」

 

「寝ちゃったのかな………?」

 

落ちた………落ちたな(安堵)

少し前まではあんなに寝にくそうにしてたくせに。

こうもすぐに眠りに落ちるとなんか複雑ですね。

 

まぁ、とにかく寝てくれたんで結果オーライです。 

 




このまま妹パートに行くと文字数が多くなってしまうので次回に分けることにしました。
ですのでもう少し、もう少しだけお待ちください(早く書き上がるとは言ってない)

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