がっこうぐらし!称号「自宅警備員」獲得ルート(完結)   作:島国住み

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絶対締め切りなんかに負けたりしない!



期末レポートには勝てなかったよ……


10日経過
足を洗い、手を染める


 

おはようございます。朝です。

 

「……おはよう」

 

今日はちゃんと妹も起きてくれました。

起こすの結構めんどくさいので助かる

 

「ふわぁ……今日も晴れか」

 

それも今日を入れてあと三日ですね。

称号まであと四日もあるのか。

正確には雨の日は午後あたりまで耐えてればいいんですけど、それでも長いですよね……

 

「今日は布団とか干そうよ。天気予報がないから明日がどんな天気すらわからないし。今のうちにさ」

 

「そうだな」

 

布団か。気が付かなかった。

どうしてもそういったフレーバー的な要素は捨象しちゃうんですよね。

 

「あとさ、洗濯もしないと。血がついちゃったのはしょうがないにしてもまだ使える服は洗濯しないと持ってる服がなくなっちゃう」

 

「でも水は貴重だからな……」

 

「だからこそ今まで洗濯物を貯めてたんじゃない。服の調達のために外に出る機会が増えるのは良くないよ」

 

「雨水って平気なのか?」

 

「いやいや。お風呂に貯めてた元水道水が残ってるでしょ?さすがにもう飲めないけど洗濯のすすぎには使えるはずよ。……日にちたってるから少し不安は残るけど」

 

なるほど。トイレ用水以上飲料水未満の水を使うってことですね

向こう(高校)なら簡易浄水器と電気があるから水質とか気にしなくていいんですけどね。

おうちに帰りたい……ってここが我が家じゃん……

 

「ポリタンクにいつの間にか移し替えられてたやつね」

 

「そ。とにかく水は貴重だからね」

 

これは純粋に疑問なんですけど、どうして妹はこの家にとどまる前提なんですかね?

「快適」あると人が言ってたら、そこを目指しちゃうのが人の性だと思うのですが。妹を引き留めるために学校のネガティブキャンペーンはしましたけど、それでもここよりは住みやすいのは隠せないですからね……

洗濯もそうですが結構不便なんですよね。二週間ならいざ知らずそれ以上となると……んにゃぴ……よく分かんないっす(生存)

自分は称号の為にかなり非合理的なことをしてるから妹の心変わりが怖いですね。自分のエゴに付き合わせている気がしてなんか申し訳ないです。

 

「やることも決まったし、ご飯にしよ?」

 

「うん、そうだね」

 

ご飯と言っても(レパートリーは)ないです。

缶詰のパンと……玉ねぎが残ってるのでコンソメスープが作れるくらいですかね

本当はウインナーとか入れたいんですけど、あれは冷蔵保存が原則なのでもう使えません

ウインナー保存食なんですけどね。でも市販のやつは塩漬けも大してなされてないし燻製されてないのも多いので常温だとすぐにヘタレるですよ。

ガチガチに保存したいなら塩抜きしないと食べれないくらいに塩漬けしないといけませんし、美味しさを重視すると保存性がね……

 

それでも三食乾パンよりはましですね。

食にありつけることに感謝を!

 

 

「……ごちそうさま。さて、ご飯も終わったし早速動かないと」

 

飛真君も穴でも掘って最終日に備えますか。

目指すは堀障子ですね。ワッフルワッフル!

実際14日目にかれらが来るかは分かりませんけど、やっといて損はないですよね。

ぶっちゃけ暇だからそれしかすることないっていうのは内緒。

2週間だけならとりあえず水と食料さえあればなんとかなりますからね。

 

~あまりにも絵面が地味なためカット~

 

……えーとですね、まぁ作業場所の、えー家の前で穴掘ってたんですけども、ただ今の時刻は1時(推定)を回りました。

ちょっと作業に夢中になったんですけどもね。かれこれまぁ2,3時間くらい、えー掘ったんですけども堀障子は全く再現できませんでした。ザクッ。

 

予想以上に進度が悪いのは別にいいんですよ。暇を持て余してやってるだけなので。

ただこれ、経験値が入らないんですよ……

こういう単純作業ってツボに入ると集中しちゃうんで気づかなかったんですけど経験値入ってなかったです。

なんでや!経験値少しは入ってるやろ!って思って確認したら獲得した経験値はかれらを狩った時のやつでした。

作業中、たまにかれらがこっちにやってくるんですよね。それをやっつけた分しか経験値入ってなかった……

 

穴掘り損のくたびれ儲けじゃん。

こんなことしていられるか!俺は帰るぞ!!

 

「お兄ちゃ~ん」

 

「どうした?」

 

「そろそろ休憩しない?」

 

「ちょうどそうしようと思ってたんだ。今行く」

 

グッドタイミングですね。

スタミナのことを考えても一息入れるべき頃合いです。

 

「紅茶と……あと下の戸棚からお菓子も持ってきたの」

 

もう準備できてるのか。やけに用意周到だな。

手をきれいにして早速いただきましょう

 

「家事って大変だね。布団干すくらいどうってことないけど、洗濯は一着ずつ汚れを落としてすすいで……ってやるから時間もかかるし体力も使うから疲れちゃった」

 

「それなら僕も洗濯を手伝っておけばよかったな」

 

「え?……ううん。大丈夫大丈夫。私一人でもなんとかなるわ」

 

午後に飲む紅茶は美味しいなぁ

久しぶりにお菓子を食べたから正気度もついでに回復したし

体動かしてたからか紅茶を飲むペースが速いな。もう飲み干しちゃった

 

「もう飲んじゃったの?じゃあコップ頂戴。……はい、おかわり」

 

おかわりを注いでくれた。やさしい。

ティーバッグじゃなくて普通の紅茶なんですね。意外だな。

妹の機嫌がいいっぽいですね。なんか薄く笑顔だし。なんかあったのかな?

 

「でもお兄ちゃんってものぐさなとこ昔と変わってないよね。洗濯物がティッシュまみれになった時、いっつもお兄ちゃんがポケットティッシュ入れたまんま洗濯に出したせいだったじゃない。一回それで私のお気に入りの服がダメになって『弁償しろ!!』ってお兄ちゃんの部屋に怒鳴り込みに行ったことがあったっけ。懐かしいな」

 

「急にどうしたんだ?」

 

「ちょっと思い出しちゃっただけ。洗う側からすればポケットの中身は空にしてて欲しいよねって話。まぁ手洗いなら一つ一つポケットを確認する余裕はあるけど」

 

……?

ポケット?

何か引っかかるな……なんだっけ。なんか入れてたっけ?

 

「それでさ」

 

「お兄ちゃんが昨日履いてたズボンのポケットに入ってたんだけど」

 

「これ、なぁに?」

 

何の変哲もないハンカチだな………………あっ(察し)

待て待て待て待てそれはまずい

それって昨日めぐねえがくれたやつだ……

『証拠は何もない』キリッって言ってたくせにバリバリ証拠あんじゃん……

昨日学園生活部には会ったことを言ってないですからね。隠してたことがバレたら……ヤバいわよ!

 

……いやぁ昨日色々あったじゃないですか。外で学園生活部と会ったことだってすごい偶然ですし妹が家にいなかったのなんかマジで焦りましたからね。

昨日起こったことが多すぎてハンカチのことすっかり忘れてた……

借りた物を返さないんじゃなくて借りた事実すら忘れてるタイプの人間なんです……(二敗、うち一回は大げんかに発展)

 

でもこれはすべてを知ってる飛真君側からすれば真相に迫るヤバいブツですけど、傍からみればただのハンカチですからね。

妹もいつになく上機嫌ですし感づかれる前に話を逸らせば何とかなるかも。

 

「……ハンカチだな」

 

「うん、そうだね。ハンカチだね。でもこれ女物の柄だよね。縁にレースがあしらわれててすごいガーリーだね。……今はしわくちゃになってるから可愛さ半減だけど。お兄ちゃん良いセンスしてるね」

 

良い趣味してはりますなぁ(京言葉)

もしかしなくてもこれ、バレてるな。

しかし未だに笑顔は絶やさない。あくまでも何気ない雑談の体を取っている。怖い。

 

「もちろん私のじゃないよ。しかも嫌な汗のにおいがするからずっと前に使ったわけでもないよね。昨日お兄ちゃん汗かいてたしその時使ったんだよね?でも不思議なのは微かに柔軟剤のにおいがするんだよね。私の家で使ってるのとは別の種類のやつが。そもそも普段から何度も同じハンカチを使ってればどうしてもニオイが染みついちゃって一日経ったら柔軟剤の香りなんて霧散するものなのに変だよね。お兄ちゃんって()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だったんだね。知らなかったなぁ………………どうしたの?顔、真っ青だよ?」

 

もうだめだぁおしまいだぁ

完全勝利する未来が見えない。どう切り出す?初手謝罪?昨日言い忘れた体でいく?

……いや、冷静に考えてみたらそんな大したことじゃないな。書かな……言わなかったのは確かにこちらが悪いんですけど、実際これで家の平穏は守られたわけですしそこをしっかり説明すれば納得してくれるはず。

十分な説明責任を果たせなかったのは誠に遺憾である。しかし再発防止にまい進する所存である故、許してちょんまげ

 

「あ、あのな。実は、昨日()()()()()()ことがあるんだ……」

 

「言わなかった?()()()()の間違いじゃないの?……まぁいいや。それで、このハンカチは一体どのような経緯を経てお兄ちゃんのポケットに収まったの?」

 

「それはですね……外に出て、そろそろ帰ろうかなって時に偶然あの人たちと会ったんだ。その時自分は汗だくだったから……それでハンカチを頂いたんだ」

 

「どうして昨日言わなかったの?大事な話だよね?ほとんどの人間がいない中で誰かと会ったっていうのは些事だから省略したのかな?……それともそれが真の目的だったから?」

 

「ちがう!本当に偶然だったんだ!」

 

「……意図的に言わなかったのは否定しないんだ」

 

「……っ」

 

「でもね、私もお兄ちゃんに言ってなかったことがあるの。もっとも、言う必要もないどうでもいいことだから言わなかっただけだけど。昨日お兄ちゃんを探しに行ったときにかれらと遭遇したの。それで邪魔だったからやっつけたんだけど……そしたら一撃で倒せたんだよ!そりゃ一撃で仕留めたのはこれが初めてじゃないけど……いわば実戦でちゃんと処理できたの!私は非力だけど、それでも感情をこめて殴れば……なんとかなるんだね」

 

「そ、そうか。よかったな」

 

なんかバール持ってるんですけど。どっから持ってきたんですかねぇ……

しかも猫を撫でるみたいに布でバールをきれいにしてるし。生命の危機を感じる

これ返答次第では一撃が飛真君に向かって放たれるのでは……?

飛真君の正気度がジワジワ減ってるんですよ。極度の緊張状況に置かれると正気度は減っていくんですけど……それですかね?

でもこれ周りかれらだらけで絶体絶命とかじゃないと適用されないんですけど、なぜ今それが発動してるんですかね?(すっとぼけ)

 

「で、『頂いた』って言うくらいだからこれの持ち主は()()先生だよね。何か話をしたんじゃないの?」

 

「このまま学校に連れてかれそうな勢いだったけど……断って家に帰ってきたんだ。本当にそれだけなんだ。心配するようなことは何一つ起きてない」

 

「……そのせいで私はお兄ちゃんを探しに行く羽目になったんだけどね」

 

「そ、それは……あっ!でも僕が頼んで、もう家に来ないようにしてもらったんだよ。これでもう安心だよ。黙ってたのは……謝るよ。けど咲良を騙そうと思ってしたことじゃないんだ。時期を見て言うつもりだったし、もう学園生活部の人たちとは会わないだろうから自分の中では終わった話だったんだ」

 

これがすべてですね。

(この縛りプレイ中は)もう学園生活部の人たちとは会わないつもりっていうのが本音ですけどね。

邪悪な心からした行動ではないということを分かって欲しい

 

「………………」

 

いけるか……?

頼む、分かってくれ……

 

 

 

「………………嘘つき」

 

「嘘なんかついてない!信じてk「勝手に家に上がり込んで気味悪い置手紙を残してく人がそんなすぐにあきらめるなんて考えられない。それにお兄ちゃんも学校に行きたいんでしょ?そうに決まってるそういえば夜も起きて窓を見てたやっぱり逃げ出す機会をうかがってたんだ……いいわ。あくまでも綱引きをしようっていうのなら……断ち切ってやるわだってお兄ちゃんは私のなんだもん奪われるくらいならいっそ、いっそ……」

 

ちょっとなに言ってるかわかんない。

綱引き?何言ってんだ?話の脈略がないし意味不明だ。

なんかヤバい雰囲気だな……

 

「お、おい。どうしたんだ……?」

 

「待っててねお兄ちゃん。ちょっと痛いかもしれないけど……」フラッ

 

ちょっ……こっち来た!バール!バール危ないから離して!

やばい(やばい)。どう考えてもマトモじゃない。

ポーズ!とりあえずポーズだ!

 

ああ!妹の正気度が、0になってる……

今までなんだかんだ言って耐えてきたのに。もはやこれまでか。

ハイライト君はもうとっくのとうになくなってたけど、ついに目の焦点まで合わなくなっちゃったからなぁ……

 

攻略Wikiに頼ろう。もうこうなったら先人の知恵を当てにするしかない。

えっと……お!『ケース別発狂対策』。これだ!

りーさん、めぐねえ、ゆきちゃん、プレイキャラ……ってこれ主要キャラしか対策載ってないじゃん……

お、お客様の中に『訳の分からないことを呟きながら鈍器を握りしめて近づいてくる妹』の対処法を知ってる方はいらっしゃいませんかっ!!

 

『発狂対策 汎用戦術』か……今回のケースが果たして汎用に入るのか甚だ疑問だけど他に参考になりそうなのはこれしかないしなぁ……

どれどれ……「まず、発狂は基本的に予兆が現れるものであり、正気度管理を適切に行えば回避可能なバットイベントである」……知ってるわそんなもん!そうなった時の対処法を知りたいんだよ!

 

 

一通り読んだ感じ、どうやらまだ希望はあるみたいですね。

親しい人の死とか不可逆なものが原因となった発狂は落ち着くまで時間がかかるらしいんですけど、今回の場合はそうじゃないので行動次第ではすぐに立ち直れるらしいです。

何よりも大事なのは相手を落ち着かせることらしいです。

あと、危険だからといって狂気に陥った人間から距離を取っていると大抵の場合ロクなことにならないとも書いてあったな。回復が遅れるし突拍子もない行動をとる可能性が高まる。

自制心を失ってるんだからそれはその通りだな……

 

で、肝心の方法なんですけど……好感度が高い人が()()()()なだめにかかるのが一番早いそうです。交渉系技能があるとなお良し!とのこと。

錯乱してるので話の内容とかはあんまり重要じゃなくて、相手に対する態度が鍵を握ってるらしいです。

もちろんこれは発狂の原因が自分ではない場合です。

 

というか自らが直接の原因になるとは想定されてないんですよ。原因は外からやってくるので。

最後の藁が自分だったとかではなく100%飛真君の落ち度ですからね。

一応自業自得のケースも書いてありましたけど……『浮気発覚』とか『痴情の縺れ』みたいに自宅警備員ルートには全く縁がないのばっかりでしたね。しかも大抵の場合修復不可能でリセット推奨とか書いてありましたね。おお怖。

今回の件は想定外らしく体系だった対処法はありませんでした。

 

でも不思議なのがこんなことになってるのに好感度はマックスの10のままなんですよね。

ただ単にまだ反映されてないだけかもしれませんけど……

ともあれこのチャンスを逃すわけにはいかない!

 

というわけで、ポーズ解除!

 

まずはこちらから近づきましょう。逃げたら逆効果です。

立って話すのもなんですしベッドの縁にでも座ってもらいます。

 

「と、とりあえず座ろうよ。な?」

 

返事を待たずに手を抑えて座らせちゃいます。凶器が怖いので。

 

「自分はどこにも行くつもりはないし、もとよりここで暮らすつもりなんだ。こっそり家を出ていくわけないだろ?落ち着いて考えればこれが誤解だってすぐ分かるはずだよ」

 

こういう時は相手の目をじっと見るべきだって書いてありました。

虚ろな妹の目を見てると、その濁った黒に引き込まれてしまいそうで正直見ていたくはありませんが我慢するしかありませんね

 

「決意が揺らいだから黙ってたんでしょ?そうだそうに違いない私が目の上のたんこぶだから出し抜く機会をうかがってるんだそもそもなんで家で暮らすことを決めたの?惰性でしょ?理由も目的も最初からなかったんでしょ?だから今頃になって後悔してコソコソ動いてるんだ……」

 

ダメだ。言葉はまるで無力ですね。

非常にリスキーだけど、かくなる上は……

好感度はマックスの10。それならきっと、きっといけるはず……

 

「あっ、ちょっ……」

 

「不安になることは何もない。大丈夫、大丈夫だから……」

 

めぐねえホールドと呼ばれてる技です(今名前つけた)。

りーさんとかゆきちゃんは一度発狂すると本当に面倒なのに加えて、二人とも割と簡単に正気度0になっちゃうんですよ。でも、上手くめぐねえを正気度が高い状態にしてると部員の心のケアをしてくれたりするんですよね。その時使われるのがこれです。

要は優しく抱擁するってことです。めぐねえが持ってる素質もあるんでしょうけど、かなり効果が高いんですよね。だから学校籠城ルートではめぐねえの正気度管理が重要なんですよ。

 

お互いに信頼していれば効果があるって書いてありました。好感度=信頼関係とすれば……?

信頼関係がぶっ壊れたから今こんなことになってるとは思うのですが、好感度自体は高止まりしてるのでヨシ!

もちろん飛真君はめぐねえじゃないんで鬼が出るか蛇が出るかわかりませんけど試してみる価値はある!

 

「きゅ、急に何よ。こんなことで誤魔化そうとしたって……」

 

「自分にとって家は一番、一番大切な所なんだ。他の場所に移ろうなんて思ったことは一度もない。だから学園生活部に会ったことは大したことじゃないと思って言わなかったんだ。でも、自分の勝手な判断が咲良を不安にさせてしまったのかもしれない。本当に、本当に誤解なんだ。信じてくれ……」

 

「なんで家にそんなにこだわるの?変じゃん。そのくせ一日家を空けたり、ふらっと外出してみたり。私のことも家のことも何にも考えてないじゃん。怪しい怪しい怪しい……」

 

……ひらめいてしまった。

妹はアウトブレイクから日が浅かった時に「役割の不在」で悩んで正気度ゴリゴリ減らしてましたからね。自分の立ち位置には人一倍敏感なんでしょう。

飛真君が意図的に情報を隠したからではなく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から情緒不安定になったのでは?

補助線を思いついた時みたいな気分だ。テンション上がるなぁ~(震え声)

それなら自ずとかけるべき言葉もわかってくるぞ……

 

「実は、家じゃなくて……その、咲良が大事なんだ。たまたま助けた人たち(学園生活部)よりな。学校なんかに行ったらずっと一緒に居れなくなっちゃうだろ?……でもこんなこと恥ずかしくて面と向かって言えないから今まで胸の内に隠してたんだ……」

 

これが正答や!

本心かどうかなんて関係ないです。飛真君の命がかかってるので文字通り必死です。許してください何でもしますから!(嘘をつかないとは言ってない)

もう折り返し地点はとっくに過ぎて後半戦です。こんな道半ばで死ねるか!

普通にこの発言と今までの行動が全く言行一致してないですからね。でまかせもいいとこです。

 

「……本当?ほんとに、私が、一番、大事なの?」

 

「もちろん。大事に()()()るよ」

 

 

 

「……………………えっと、その、私、お兄ちゃんがそんな風に私のこと()()()くれていたなんて知らなくて……取り乱しちゃった。ごめんなさい。」

 

……これは、危機は回避されたってことで、いいんだよな?

正気度も一部が戻ってきたし。心なしか声色も柔らかい。

 

あぁぁぁぁぁぁぁ……疲れたぁ!!

コントローラーが汗でびちょびちょですよ。乗り切った、このビッグウェーブを……!

そうなればもうめぐねえホールドする理由はない。すぐに離れよう。

疲れた。今はとにかく一人になりたい……

 

「……ダメ!まだ、信用したわけじゃ、ないんだから……」

 

せ、背中にバールの硬い感触ッ……

無理だ。動けない。動いたら、死ぬ……

何で!?もう疑う要素ないでしょ!?

 

「………………」

 

しかも何も言わないし。ど、どういうことだってばよ……?

こっからじゃ妹の表情が窺えないから判断しかねるし。耐えるしかないな。

……見てくださいよ飛真君の目。虚空を見てますよ。

妹の正気度が回復した分を埋めるかの如く飛真君は正気度が減っています。

飛真君に無理をさせすぎたな。本当に申し訳ない。

 

「グゥー」

 

「ほ、ほら。もう夕飯の準備しなきゃ。な?」

 

「……うん」

 

やっと顔が見れた。ハイライト君久しぶり~雰囲気変わったね。少し痩せた?

お腹鳴ったの聞かれたせいか顔はちょっと赤いですけどそれ以外はいつもの妹ですね。安心。

……でも色々あったとはいえ、まだ夕方なんだけどな。おなか空くの早いな。

 

「何か食べたい物ある?」

 

「うーん……あ、肉!肉がいい!」

 

肉かぁ……まだ缶詰あったかな?

多分あるだろうから米を炊けば大丈夫か

こっちとしても大して労力がかからないのでありがたいですね

 

「じゃあ、作ってくるから……」

 

やっと一人になれた。

炊けるのを待ってる時間もなんだか幸せなものに感じてしまいますね。

ぼーっとしてないで缶詰探すか……前に鶏そぼろとかは食べちゃったからあるのは……獣肉?

物産展とかで珍しいから買ったはいいけど、その特殊性ゆえに食べる機会を失っていたって感じですかね。高かったり珍しかったりする缶詰ってもったいなく感じてつい食べるのを後回しにしちゃうんですよ。

妹の言う肉は魚の肉じゃないはずだからこれにするしかないな

 

 

 

ご飯が炊けたな。こうなってくると勝手にお腹が空いてくる。

お昼を食べれる状態じゃなかったからな……腹減るのが早いのは仕方ないか

 

「できた?」

 

「うん。ただ肉の方が……獣肉しかなくて」

 

「どれどれ……猪と、エゾシカ?どんな味なんだろう?楽しみだな」

 

抵抗感はないようですね。それなら食べちゃいましょう

……あ。美味しい。

猪がおいしいのは知ってたけど、エゾシカもなかなか……

 

「美味しいけどさ、なんか味濃くない?もっと素材の味を……」

 

「缶詰だからな。ちょっと濃いかもしれないな」

 

 

 

 

夕飯はつつがなく終わりましたね。良かった。

今日は無難に一日が過ぎる予定だったのに、そうはいきませんでしたね。

寝よう。寝て少しでも正気度を回復するんだ!

今の水準だと幻聴とかが聞こえてもおかしくないんですよね……

こっちも疲れました。そろそろゲームを中断したい。

 

もう寝る支度はルーティンになってるのでパパっと済みます。

ベッドがとてつもない引力を持ってる……飛真君もやっぱ疲れてるのか

これはすぐ寝れる。もう画面が暗転しかけてる!早い。

 

「……もう、勝手に寝ないでよ」

 

ああ! あとちょっとの とこだったのに!

おかげで目が覚めちゃったじゃん。

いやまぁ当然来るだろうとは思ってましたけど。飛真君が寝た後に来てほしかった

 

「まぁ別にいいんだけどねっ」ぎゅっ

 

……………飛真君の腕を抱き枕か何かと勘違いしていないだろうか?

これは、その……非常に、ダメです。

節度……そう、節度!いくら仲が良くても距離感って大切ですよね(色々当たってるから!)

起きたってことは操作できるってことですから寝がえりを打ってもらいます。

 

「あっ……」

 

「………………。」

 

「わざとだ。今絶対わざと私を避けようとした。ねぇそうでしょ?ねぇねぇねぇ……?」

 

ひぇぇぇぇぇぇぇぇ………

なんでこんなちょっとしたことでハイライト君が退社しちゃうんですかねぇ…?

画面暗いから実際どうなのかは分からないけど、オーラがもう、禍々しい。

君子危うきに近づかず、されど妹には逆らえず。大人しく従いましょう……

 

「い、いや。ちょっとびっくりしちゃっただけなんだ……」

 

「なーんだ。そうだったのね。じゃあ、おやすみ。お兄ちゃん」

 

結局こうなるのか。一緒に寝ると正気度が回復するって今まで思ってましたけど、ここにきて懐疑的になりましたね。

回復できてる?うーん、減ってはないけど増えてもないんだよなぁ……

 

今日は危機的な状況に対処するためにずっと交感神経が出ずっぱりだったよね。だから自律神経を整えるためにリラックスして副交感神経を優位に持ってかないといけない。うん。

……いいかい?左腕には何もない。誰もいないんだ。リラックスしてる状態でまぶたが重い。外界からの刺激は一切ないときた。そんなときにすることは一つだよね?

そう、睡眠。

寝よう!寝てくれ。寝てください(切実な願い)。煩悩の数を数えてたらいつの間にか寝てるはずだから。寝ろ!

 

「すぅ……すぅ……」

 

近い。寝息が近い!

一生懸命飛真君に念話を試みてるのにこれじゃ意味ないよ……

もう何をしても無駄だ。ほっとこう。

 

 

 

 

 

どうしよう。このままじゃ『不適切なコンテンツ』になっちゃう。Switchの民に動画を届けられなくなってしまう……

いや。画面は暗いから絵面はセーフだ。放送コードには引っかからないハズ。

ここまでやってきたのに運営に動画を削除されるのは嫌だぞ…… 

 




時間に余裕ができたのでさぁ書くぞとなったんですけど、中々筆が進まなくて。
パソコンの前にずっといるのに一文字も埋まってない虚無虚無タイムを量産してました。

書いては消してを繰り返して何とか形にはなったんですが……
修羅場書けない。難しいぃぃぃぃぃ!(発狂)
今の自分の力では無理でした。

冗長になったので妹パートは次回になります。
飛真君のクズ男化が止まらない。一体誰のせいなんだ!!

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