横須賀に咲く花束   作:ヨコヨコ

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第二話 事件を越えて

「・・・一時間以上待ち、だったんじゃなかったっけ?」

 

「あ、あはは・・・流石ミケちゃんだね。」

 

カップルや学生でにぎわうカフェの店内、先ほどまで一時間待ちと表示があった店内になぜかすんなり入れてしまった。予約も何もしてないのに。

 

「えへへ~、ラッキーだねっ。」

 

多分その元凶はこの目の前にいる岬明乃だろう。ラッキーガールという二つ名がぴったりなレベルでこいつは運がいい。

 

くじ引きはほぼ1等、遠足などの行事で雨が降ったことは一度もない。多分僕が不運なのは絶対彼女のせいだと思いたい。

 

「でもやっと食べれる♪念願のタピオカパフェ!」

 

「そもそも、タピオカって飲むやつだろ?」

 

「最近はアクセントで入れるところも多いみたいだよ。あっ、私のケーキ来たみたい。」

 

3人の頼んだものがそろうと、久しぶりの雑談に会話も弾む。

 

数年前までは当たり前だったけど、お互い離れ離れになってからは一度もできてなかったし、新鮮って言葉が一番かな。

 

「そういえば、海斗くんは最近どうしてたの?」

 

「どうしてたのって。海洋実習は一度もう終わってるよ。RATSの確認して、感染が確認できなかったからね。まぁ、横女の船には近づくなって命令は来てたから、晴風の応援tにはいけなかったけど。・・・何かあった時のためにバックアップで用意はしてあったよ。」

 

まぁ、結果的に晴風は沈んだんだけど。と、最後の言葉は空中に消えてしまった。

 

当時無線封鎖されていた作戦において、潜水艦の中からは何かが衝突した音とソナーで晴風が武蔵へ体当たりを敢行したのは判明していた。だからか、沈没するという可能性も正直よぎっていた。晴風の沈没は正直予想の範囲内、だけどまさか港で沈むなんて。 

正直、あの時の船の雰囲気は最悪だった。守れたはずの場所を守れなかったから。

 

「なんで自己満足かな。」

 

「ふぇ?何か言った?」

 

「いや何もって明乃!??一人でそんだけたべ・・・ええっ!?」

 

女子高生の食欲は常人の何倍、なんて言葉を聞いたことがある。やれ、甘いものは別腹だとか。美味しいから大丈夫だとか言うけど、正直空想でしかないって思ってたけど。

 

目の前の明乃はなんとだ。どうやらあのパフェじゃ物足らず追加のパフェとパンケーキも平らげていた。おいおい、僕の幼馴染はいつからあんなになってしまったんをだい?ちなみにもえかは先ほどのケーキをゆっくりと食べ目の前の状況を朗らかに見つめている。なんてメンタルだ。

 

「ああ、コーヒーがおいしい・・・」給料日はまだ先。学食は無料とはいえこれ以上の出費は厳しいものがある。

 

僕ら海洋学校の生徒は、学生といえど国の機関に属する。非常時には学生だろうが現場に駆り出される(武蔵救出作戦なんかいい例だけど。)そのため防衛大学校のようにちゃんと給料が出るのが特徴だ。学年ごとに給料も少しづつ上がるし、任務手当や危険手当もしっかり出る。

 

つまるところ、普通の学生よりかはもらえてるはずだけど・・・

 

「大丈夫だよ。私も少し出すから。」もえかの囁きマジ天使の調べ。

 

この隣にいる知名もえかは僕の恋人だ。いや、正直もったいないぐらいの女性だけど。

 

「それに、ね?」

 

「んー?」

 

僕は、もえかから離れられないだろう。

 

ちなみに、店を出るときに財布が軽くなったのは言うまでもない。

 

 

 

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