物書きってのはヨォ。
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薬師神向陽で検索してね〜。
どらもと〜…
お茶を飲みます
どらともじゃな〜い。
お茶飲みます
どらともか?
お茶飲みます
どらともじゃな〜い。
お茶飲みます
第十一試合決着直前。
控え室にて一人PCと向かい合う男がいた。
「一戦目、矢車さんは葉加瀬さんの攻撃を全く受けていない…
これはどう言う技術なんだ…?」
自問自答をただ繰り返す。
この男の名は加賀美ハヤト。
加賀美インダストリアル現社長。
対戦相手である矢車りねの分析に余念はない…
がしかし、それでも不可解な回避行動には頭を悩ませていた。
「分からない…分からないが…負けるわけにはいかないんだ…」
これは命を賭けたデスゲームである。
他のライバー達のように、闘争本能だけで戦うわけにはいかないのだ。
加賀美には背負う物がある。
一企業の社長として、築き上げてきた物がある。
突然轟音が鳴り、MCの声が会場に響き渡る。
「Aブロック準々決勝第三試合、勝者!葛葉!」
観客達の歓声を聴きながら、そっと掛けていたブルーライト防止メガネを外す加賀美。
「終わって…しまいましたか…」
浮かべるのは傷心の表情。
彼にとって、ライバーになったきっかけは些細な物で、自らの会社が手掛ける商品の広告をするためだった。
自らが広告塔になれば経費は掛からない。
ただそれだけの為だった。
だが、ライバーとして過ごして行くうちに、仲間達と過ごす日々の楽しさを覚えてしまった…知ってしまった。
だからこそ、そんな人達が命をかけて戦うのは心苦しいという物。
だがしかし…
「負けられないな…」
そう言って、加賀美は席を立った。
雨が止み、太陽の光が降るとなった会場。
MCは喉が枯れるのではないか。と言う位の勢いと声量で告げる。
「続いて、Aブロック第十二試合
先ずはこいつだ!
第六試合にて、多彩な薬品を用いた攻撃を難なく凌ぎ、圧倒的パワーで勝負をつけた、にじさんじの高田純次!
にじさんじSEEDs2期出身!矢車りね!」
そのコールと共に登場する一人の少女。
その表情は儚いとも、ダルそうとも。どちらとでも取れるような表情。
そのまま無言で、立つ。
どこからでも来いと、言わんばかりに。
「では、続いて。
対戦相手はこいつだ!
一つの会社をまとめ上がる若き天才。
歌唱、雑談。ライバーとしても死角なし?!
にじさんじ所属、加賀美インダストリアル社長。加賀美ハヤト!」
コールに応じて登場する加賀美。
2m程の距離を開け、対峙する二人。
グッと息を呑み、臨戦態勢を取る加賀美。
飄々と前にいる男を見つめるだけの矢車。
「…それでは、Aブロック第十二試合、スタートです!」
この二人の戦いは…異質だった。
これまでで行われた試合では、ほぼ全員が開始と同時に一旦相手との距離を開け、相手を伺うそぶりを見せた。
だが、この二人は違う。
考えていること、目的は違えど、相手を伺う事などない。
自らの想いを突き通すのみ。
加賀美は右手を前に突き出し、気迫を纏い、声を荒らげる。
「一気に行きます!
技名を叫んだ、加賀美の背後にて、瞬く間にロボット兵、戦車、攻撃ヘリなどが現れる。
「へぇ、結構多彩な事するんだね、加賀美君。」
少し大きめなメガネの位置を直しながら、攻撃自体には一切の興味もない。そんな口調で呟く矢車。
「えぇ、私の会社も今はホビーに手を伸ばしていますが、元々はロボット工学に携わっておりましてね。」
(矢車さんの回避能力は結局一切分からなかった…だからこそ、長期戦ではなく、短期決戦…一瞬で決める!)
語る加賀美の話にさえ、一切興味を示さない矢車は、ただ飄々と目の前に広がる光景を眺めていた。
「
焼き尽くせ!」
目の前に佇む少女に容赦など無い…
ただあるのは、死への恐怖にも勝る不甲斐なさ。
自らの無力を呪い、それでも尚、他者の命を蹴落とし、生き残り、夢を届けたいという意思。
(私にこの馬鹿げた事を止める力が有れば…
皆さんを救えたのに…)
奢りにも似たその感情…
目の前の少女には苦しまずに死んで欲しい…
そのような慈悲が必要か?
…
いいや、違う…
ここに立つ者は、皆狂っているのだから…
一斉にたった一人の少女に対して放たれる火砲。
攻撃ヘリに搭載されている機銃、M249から放たれる5、56ミリ弾の雨はか細い体をズタズタにした事だろう…
戦車から放たれた砲弾は少女の体を木っ端微塵に消しとばした事だろう…
ロボット兵が持つSIG556、FN SCAR、BIZONなど、多彩な銃達によって少女の体は穴だらけにされていた事だろう…
…
……
………
…………本来ならば…
その場にいた誰もが驚愕し、息を飲んだ。
炎逆巻き、地面はえぐれ、周りには空薬莢が散らばる。
そんな中、少女は立っていた。
まるで何も無かったかのように、以前変わらず飄々とした姿で、態度で立っていたのだ。
「な…なに…なんで…ですか…いかに回避能力が優れていても…この攻撃を凌ぐ事なんて…」
露骨に焦りが見え、動揺する加賀美。
「ま、こんなものだよね…
期待はしてないけどさ。
とりあえず…
ダイマックス。」
そう呟いた瞬間、少女の体はみるみる大きくなり、やがてその場にいる全ての人間…いや生物が見上げる高さまでまで巨大化した。
「ダイマックス…だと…」
目を見開き、目の前で起こる現象を呟く加賀美。
その大きさは190mにも及び、その一息は強風となり、その一歩は大地をも揺るがす。
加賀美とその小さな小さな軍勢を見下ろしながら、矢車は呟く。
「ステージリセット…」
面白くない…そう言いたげな表情で、淡々と宣告されるそれは、まさしく死。
「も、もう一度…
(あの巨体なら、効果は薄いかもしれないが…少なくとも外す事はない…)
冷静に分析する加賀美だが、またしても驚愕する。
それらが放った砲弾もしくは弾丸は、矢車の巨体をすり抜け、彼方へと飛んで行ったからだ。
その光景を見た加賀美は…
「はは…そう言う事ですか…分かりましたよ、あなたのカラクリが…」
そう呟いたのは、矢車の巨大な腕が目の前の景色をなぎ払う瞬間だった。
一瞬で消え去る機械の軍勢。
「終わったかな?」
なにも感じてない、作業を終えた様な調子の声の下で、瓦礫から這い上がる男がいた。
「まだ…終わってませんよ…」
加賀美ハヤトである。
手にはロボット兵が持っていたFN SCARライフル。
たが、右足は不可解は方向に折れ曲がり、右腕は千切れ肩から先を失っていた。
全身からは血が流れ、滴り落ちる。
四諦がキリキリと痛み、悲鳴を上げる。
出血が多いせいか、意識すらも薄れる中、漢は立ち上がった。
「なんだ、まだ生きてたんだ。」
ま、興味ないけどね。そう言いたげな口調の矢車に対し。
「ええ、生憎諦めが悪い方でして。
私には夢があるんです。
私の手が…例え血に染まろうとも…
これからの未来を…
支えて行く子供達に…
夢を…希望を持たせてあげたい…
だから…私はまだ…こんな所で足踏みしてる暇はないんです!」
隻腕でFN SCARを発砲する加賀美。
迫る弾丸を見ながら矢車は
「でしょうねぇ!!!
じゃあ、死ねば。」
カチッ。
弾切れを知らせるトリガーの音。
自らの頭上に迫る巨大な脚。
それを見上げながら加賀美は思う。
(あぁ、ここで終わるのか私は…
ごめん、父さん…
結局なにも成し遂げられなかった…
子供達に…希望や夢を届けたいなんて、大層なこと言ったのにな…)
グチュ…
矢車の足元から広がる臓物が混じった様な血。
少し離れた所には、最後まで夢を、希望を握り、信じ続けた漢の左腕があった。
鉄と、硝煙と、炎と血の匂いが充満する。
みるみる小さくなってゆく矢車を見ながら、MCは告げる。
「勝者、矢車りね!」
最後まで…夢を…希望を信じ、未来へ託した漢の手は、今も固く握られている。
自分の体が冷たく…硬くなってゆくにも関わらずその熱い意志は受け継がれて行くのだ…