とんでも展開過ぎて独自改編をする事になりました。
ご了承下さい。
事前に告知させていただきます。
いいですか?
感想で本編と違うんですね。
って書かないでくださいね?
いいですね?
水が蒸発するかもしれないと思える程の熱気とコロシアムに響き渡る歓声…
その中心で生を謳歌し、生物としての本能を剥き出して佇むものがいた…
「いやぁ、まさか次の対戦相手にりねちゃんが来るとは思っても見なかったよ…
いやぁ、ほんとに…
…
……
楽しくなってきちゃったじゃないか…」
目を見開き、口元で笑みを作る。
普段の優しげな表情など一片たりとも残っておらず、そこにあるのは狂気だけ。
他者を下し、虐げる事でしか生きている実感を得られない生物として生を受けた彼の名は夢追翔。
それとは対象的に、熱気の中に居ながらもまるでその一空間だけは冷え切っている様に佇む者がいた。
途方もない時間を渡り歩き、異形だと言われ、尚更でも生にしがみついてきた。
自らの存在意義を探し求めてきた…
答えなどなかったのかもしれない。
最初から存在していなかったのかもしれない。
だが、止まらない…
否、止まらない。
無であるが故に有。
有であるがゆえに無。
永遠を生きる者として、ここで立ち止まるわけにはいかない。
「私も楽しくなってきたところです。」
矢車りね。
身長1900cm。
汚部屋の住人である。
両者は歓声と熱気の中心で対峙する。
「それでは!準々決勝第三試合
矢車りねVS夢追翔。
スタートです!」
MCの声と同時に始まる殺し合い。
血にまみれ、それでも尚生きる為に戦うしかない。
「ダイマックか…」
夢追がその言葉を発すると同時に放たれる鉄槌。
遥か上空から降りてくる拳になす術も無く潰される…
…
はずもなく、矢車の拳は夢追の頭スレスレで止まった。
「
ギチギチと夢追の頭上で音がなり、やがてひび割れて行く。
「こんなので私を止められると思ってるの?」
音の壁を突き破り、夢追に迫る巨大な拳。
「危なっ?!」
間一髪躱した夢追だが、尚も矢車の拳は夢追を捕らえ続ける。
「こういう手はイメージダウンになるから、あんまり使いたくないんだけどね。」
口を開いた夢追の背から大量のドードーが現れる。
「さぁ、ショーの開幕だ!」
夢追の言葉と共に羽ばたく無数のドードー達。
自らの数百倍の大きさを持つ矢車に対し、真っ向から向かってゆく。
「この程度の数で私を仕留められると思います?」
突然、矢車に対してこの程度の数の攻撃が効くはずもない。
がしかし、それは夢追にもわかっていて…
「えぇ、分かってるよ。
だが、生憎僕はそこまで優しくはなくてな。」
矢車に対し、不敵な笑みを浮かべる。
夢追は懐からリモコンを取り出し、矢車に向ける。
「ま、まさか…夢追さん?!」
途端に驚いた表情を浮かべる矢車。
これから何が起こるのかを瞬時に悟り、顔をしかめる。
尚も不敵な笑みを浮かべ続ける夢追は…
「えぇ、そうですよ。
ご想像の通りです。爆ぜろ!」
夢追が力強くリモコンのボタンを押した途端に一匹のドードーに装着されているC4爆薬が爆裂し、その場で大きな爆発を生む。
そして、その爆発は周りのドードーに装着されたC4爆薬に対して連鎖反応を起こす。
確かに矢車には葉加瀬、加賀美の猛攻を難なく凌いだ回避能力がある。
ダイマックス、完全回避とチートじみた能力を有する矢車だが、弱点はある。
それは…
「余りに強力な能力だけど、同時使用はできないと見た!」
そう、完全回避とダイマックスこの二つは強力過ぎる故同時に使用する事ができない。
もしもそれが可能ならば一回戦ではキメラを使う必要性などなく、二回戦でも瞬殺が可能だからだ。
「つまり、ダイマックスしている状態の矢車さんに回避する術はない!」
会場一帯を爆風が包む。
一つの爆発程度では矢車に対してダメージはないだろう。
だが、百余りの数を伴った爆発である。
無事では済むまい…
夢追、そして会場にいた観客達は確信した。
「やったか?」
煙が時期に晴れてゆく。
その先には四肢が欠損した矢車がいる…
はずなのだが、その姿は見当たらない。
「なに?!一体どこへ…?!」
動揺を隠せず、視点をあちらこちらに移す。
だが、意外にもその声は夢追の背後から掛かった。
「ここだよ、まさかここまでやられるとはね。」
夢追の背後にいるのは爆散した筈の矢車だった。
顔に冷や汗を掻く夢追。
頭の中で必死に思考を巡らせてゆく。
なんで生きている…?!
なんで回避できた?!
そんな隙は与えてない筈…完全な不意打ちだぞ…?!
ダイマックスを解除、発動するにしても数秒ラグがあるのはここまで戦いで確認済みだ…
どうやって…
そして、やがて一つの答えに辿り着く。
「…そうか…そういう事だったのか…
時間制限…」
時間制限…ダイマックスには本来時間制限が存在する。
今までの戦闘ではダイマックスを使用した直後に試合が決していた為、その弱点は露天する事がなかった。
だが、今回矢車はその弱点を大いに利用したのだ。
数秒ラグがあるため、爆発が始まった今からでは間に合わない。
ではどうするか…
ダイマックスのタイムリミットを逆に利用し、瞬時に解除。
そして回避する事で爆発を乗り切ったのだ。
「ご明察、夢追さん。
でもこれで終わり。」
次の瞬間、夢追の腹を小さく、細い腕が貫通する。
「カハっ?!…」
夢追は吐血しパーカーに血が滲み、広がっていく。
グチャッ。
引き抜かれた腕があった位置にはポッカリと穴が開き、その穴からまた血と内臓だった何かと肉がボトボトと地面に落ちる。
夢追はフラフラと壁に寄り掛かり、地面に横たわる。
血が流れ、自分の視界が霞むのを自覚しながら尚空を見上げる。
「ハハッ…こんなに…血に塗れた場所なのに…あいも変わらず空は澄んでるなぁ…」
意識が薄れていく中で、微かに矢車が近づいてくるのを感じる夢追。
「…矢車…さん…
負けたことには…悔いは…ない…よ。
まぁ…
頑張って…」
夢追は誰よりも安らかな顔で目を閉じ、それと同時に彼の生涯の幕を閉じた。
「…さようなら…夢追さん。」
矢車は血みどろの手を見下げながら、去ってゆく…
「勝者!矢車りね。
夢追翔を下し、準決勝へと駒を進めました!」
今日も空は澄んでいる、この空の下で誰が不幸になろうが、誰かの命が尽きようが真っ青に澄んでいる…