激闘の一回戦が終わり、観客たちの熱が収まる間も無く、第二試合が行われる。
「第二試合!魔界ノりりむVS神田笑一。この試合は両者ともに素手。
一試合目とは打って変わって純粋なパワー勝負が見られるのでしょうか。」
コロシアムの中心にて対峙する小さな少女と糸目の男。
「りりむの虜にしてあげる…」
少女は幼きサキュバス、自らの使命を忘れゲームにふけっていた彼女の姿はなく、ただ本能のままに相手を虜にする本来の姿を取り戻した。
「……私、早く終わりたいんですけど。」
にっこりと笑っている様に見える糸目、困った声色からして常人から見れば彼はただの好青年に見えるかもしれない。がしかし、ライバー時代の彼とは違う。今の彼には感情などなく、ただひたすらに相手を嬲る。
「機械」そんな言葉がぴったりだ。
「では!Aブロック第二試合!スタートです!」
コロシアムに開始の合図が鳴り響く。
「りりむ、悪戯も相手を痛ぶるのも大好きだけど神田君はあんまり声とか上げなさそうだからなぁ…終わらせちゃお。」
そう言ったりりむの目、サキュバスの眼。それは目を合わせた相手を魅了し、自らの虜とする力。異性だけでなく同性ですら虜にする能力の前になす術などない…
「りりむの勝ちでしょ。審判、判定は?」
(勝った。当然だけどね、りりむの虜にならない男なんていないんだから。)
そう心の中で思った矢先であった、彼女の角に自らが暗示を掛けたはずの神田笑一の手がかかったのは。
「え…なんで…」
分からない…分からない…なぜ…そんな疑問符だけがりりむの頭の中でこだまする。
「私には効きませんよ?そういうのは。」
もう消えてしまいそうな糸目をさらに細め、笑いながら神田は静かに告げる。
次の瞬間、神田の腕に力が入りりりむの角をへし折り捨てた。
「うぁぁぁあぁあぁあああ。」
齢10歳の少女の声帯から出される声とは想像も付かない、そんな悲鳴が響き渡る。
頭を真っ赤に染めた少女が痛みに悶え、地面を伏せる。
神田笑一はゆっくりと彼女に近づき、頭を鷲掴みにし持ち上げる。
「やめて…助けて…許してください…」
試合開始直後、痛ぶるのが好きだと余裕を浮かべていた少女の姿はもうそこにはなく。あるのは抵抗する意思すらない、敗者の姿だけ。
神田笑一は左手でりりむを持ち上げ、右手でりりむの腹を貫いた。
神田笑一の腕は少女の臓物を押し除け、肋骨を数本折りながら再び外へと行き着いた。
バキッ、バキッ。骨の折れる音が響きコロシアムは静まり返る。
彼が手を引き抜いた刹那、少女の腹に開いた穴から臓物が、大量の血液が溢れ出した。
ビチっ、ビチビチっ。ブシャァ。
臓物が地面に落ち、溢れ出した血が神田のズボンと靴を真っ赤に染める。
「終わりだね。もう一発殴っとけばよかった。」
そう呟いた神田は少し冷たくなって、硬くなった少女だった肉塊を放り捨てた…
声を震わせながら告げられるアナウンス。
「しょ、勝者…神田笑一…」
神田は門の向こうの闇の中へと戻っていく。
そんな酷い惨劇が終わった後、一人神田を見つめる女性がいた。
「…神田…アンタは私が止める…」
すみません、本編放送でも神田笑一さんの圧勝としか明言されておらず。一話分のボリュームを出すために、放送とは違って、両者素手、グロ目の話になっております。