にじさんじさんの人気ブーストのおかげもあって、最近は多くの方に見ていただくことができて、本当に嬉しいです。
評価を付けていただけることもちょくちょく増えてきました。
ここでわたしから一つお願いがございます。
私はしがない物書きです。オリジナルでは勝負が出来ず、にじさんじさんの人気にあやかり二次創作を描くことでしかまだ文章を綴ることができません。
ベストセラー作家さんならまだしも、私の書く物語は万人受けする物とは程遠い。
ですが、わざわざここまでアクセスして下さった方々にはできるだけ楽しんでいただきたいのです。
なので読んでいただいた上で厚かましいことではございますが、一つ読者様にお願いがございます。
評価を付けてくださるだけでは、私のような未熟な物書きにはどこが悪かったのか、どこを改善するべきなのか、どこを良さとして伸ばすべきなのか見当もつきません。
なのでどんな些細なことでも構いません、例えば「台詞回しのテンポが悪い。」や「キャラ崩壊が激しい」、「もう少し配信を追ってから書いて欲しい。」など書いてくだされば可能な限り全力を賭して改善させて頂きます。もちろんお褒めの言葉をいただければそれが私の糧になります。再三ひつこいようですが、何卒宜しくお願いいたします。
長々と失礼しました、では本編をお楽しみ下さい。
夜も更け、星が輝きを失い、太陽が昇る。闇は消え、光が灯り、世を照らす。風は吹き、水は流れ、植物は芽吹く。これは人類が誕生する幾万年も前から続けられてきた覆る事のない法則、際限のない生命と死の理。
いかなる偉人であろうとも、どんなに人気なライバーであろうとも、この理から逃れる事はできない。
「だからこそ…最後まで輝いて魅せてくれよ?私はそのために君たちを生み出した…」
男は第五試合が決着するのを見下ろしながら、楽しそうに、まるで新品の玩具を買ってもらって子供のように無邪気な笑顔でそう言った。
…
……
………
ざわざわ…
第六試合、これまでにどれ程の血が…絶叫が…このコロシアム中を満たしただろう…
観客達はどれ程の哀しみを背負っただろう…涙を流しただろう…怨み、憎しみ、そう言った類の感情を心に宿しただろう…否。
観客達が抱く物は興奮と喜びと期待。
画面の前で眺める事しかできなかったライバー達が目の前で血を流し…死に絶えていると言う非現実性が彼らを興奮の渦に巻き込んだ。
その渦は未だ収まることを知らない…
「まだまだ続きますこのトーナメント。続いては第六試合!!
矢車りねVS葉加瀬冬雪。」
対戦カードの発表により観客達は沸く、歓声が飛び交う。
「うおぉ!!」 「こりゃ、また楽しめそうだな!」
無責任な声が飛び交う中、二人がコロシアムに足を踏み入れる。
「矢車先輩…ワイ年下だからって手加減しませんから…」
「私も、後輩だからって手加減しないから。」
二人の殺気がピリピリとコロシアム全体に伝わる。
「では!試合開始!」
開始と同時に二人はバックステップで距離を取る。
葉加瀬は腰に付けた試験管の内2本を矢車に向けて放る。
(最初はこれで様子見かな、矢車先輩何してくるかわからないし…)
「キマエラ、ガード。」
その言葉を矢車が発した直後、地面を突き破り現れる怪物。
頭を獅子、胴を山羊、尾を蛇として成り立つ生物…それこそがキマエラ。
「パリンッ」
主人の呼びかけに答えたキマエラは試験管を胴で防ぐ。
がしかし、それを見た葉加瀬はニヤリと笑う。
「ふふっ、用心深い矢車先輩ならそうすると思ったよ、空想上の生き物が出てくるのは予想外だったけどね。」
キマエラの胴から煙が上がり、皮が焼けただれ、肉が露出する。
「なにっ?!まさか…さっきの試験管の中身は…」
矢車は苦しむキマエラを見て、驚愕する。
「そ、強酸性の薬品、塩酸だよ。ま、これは私が従来のものより濃度を上げてあるオリジナルだけどね。」
そう言いながら葉加瀬は更に試験管を投げつける。
「キマエラ、ブレス。」
(取り敢えず、葉加瀬の投擲をいなせる位置まで距離を取る。」
キマエラが吐いた炎は葉加瀬の試験管を破壊し溶かし尽くす。
伝説と同じように、万物を燃やすのだ。
「うわっ、キマエラって炎も吐けるんだっけ。面倒だなぁ。」
(ま、距離を取りながら行けば確実にダメージ入るし、矢車先輩を片すのは難しくはないでしょ。)
ブレスの射程外まで距離を取った葉加瀬は三度試験管を取り出す。
「距離を取って、キマエラの射程外まで逃げらばどうなるとでもなると思ってる?残念。」
矢車は少なくとも少女が見せない、いや、見せてはいけないような残虐で酷い笑みを浮かべながら言う。
「キメラは別にキマエラだけじゃないからな?」
この凄惨で残虐的な思考は、15000以上の命を持っていた故か、はたまた長きにわたる少女としての生活故か。
否、これは彼女本来の思考であり、人格であり、最高のパフォーマンスを発揮できる状態である。
葉加瀬はその言葉にギョッとし、顔を歪める。
「うへ、こわっ。本当に11歳?」
たわいも無い会話を挟むと次の瞬きが終わる頃には人型の…いや人型と言うか、人そのものだろうか。人の形を持って入るが、見た目が凶暴すぎる。身長は優に190センチを超え、異常発達している手、膨張している筋肉、今にも切れそうなほど浮き上がった血管。
全てが化学での理解の範疇を超えている。
そんな化け物に腹を殴られ、吹き飛ぶ少女。
「ぐはっあっ?!」
腹部からの出血、口からは血反吐を吐き、苦しみに悶える。
「信じて学び続けてきた
ポーチから取り出した鎮痛剤を含みながらしっかりの己の敵を目で捉える。
(実質3対1か…空想上の生き物と女の子と人間みたいな化け物…しゃあない、取っときたかったけどやるか、あれ…)
まだ効かない鎮痛剤に苛立ちを覚え、痛みを堪えながらヨロヨロと葉加瀬は立ち上がる。
「まだ立ち上がるんだ…苦しいでしょ?痛いでしょ?もう休んだほうがいいと思うけど。」
矢車は少女とは思えない、諭す様な、諦めた様な、そんな冷たい声で語りかける。
「冗談言わないでよ、私まだやれる。
化学者は常に人類を進化させ続けてきた…
私だってその端くれ、だったらこのまま何も成し遂げずにあの世になんていけない…そんなの私が尊敬する人達に顔向けできないから。」
そう言って葉加瀬は腰に付けたフラスコの中身を飲み干す。
本人がデビュー当初から凄い効果がある!と言い張ってきたアレである。
「え、それ本当に効果あるの?」
同じグループに所属している誰もが疑った。
言い張っているだけだと、本当はなんの効果もないのだと、仲間でさえ、リスナーでさえ笑った薬。
「
人間には本来リミッターが備わっている。
本来の力を出してしまうと体がその負荷に耐えられないからである。
だが稀にそのリミッターを超える人間がいる。
それすなわち、人間を超越した力、スピード、知力、全てを備えしものなり。
葉加瀬の薬はつまりそう言うことである。
(でも私の腕じゃ恐らく殴ったときの衝撃で私の腕が先に壊れる。だったら私の戦い方で、私らしく!)
葉加瀬は薬によって得た速さで駆け回り、酸性の薬品を投げつける。
一辺倒、シンプルだがそれ故に突破できない。
ガードすることはできても酸性の薬品が体を蝕み、反撃に出ることができない。
「速い…追えない…でもキマエラ!ブレスで撃ち落として!」
キマエラのブレスによって薬品が焼け落ちてゆく。
矢車が炎を纏い、薬品を防いでいるような光景である。
それを見て、葉加瀬は最後に残った、ポーチの中身を取り出す。
(もう、そろそろ足も限界かな…でも絶好のチャンス.とっておきをぶつけるか。)
葉加瀬はそれを炎の中に投じる。
次の瞬間…
「BTooooooooooom‼︎‼︎‼︎」
爆発が起き、その衝撃は葉加瀬もろともキメラ、キマエラ、矢車を飲み込む。
コロシアムの壁ですらボロボロ、葉加瀬は衝撃で叩きつけられ、座り込む。
「はぁ、はぁ…やったよね…」
これを見て静まり返っていた観客たちも沸く。
「うぉぉ!すげぇ!なんだ今の爆発!」
「俺は葉加瀬が勝つと思ってたぜ!」
今し方起こった爆発は水蒸気爆発によるものである。
キマエラが吐いていた炎。万物を焼き払うそれの熱さはマグマをも超える。
それに対して葉加瀬が放ったのはただの水。
がしかし、この水が炎によって急激に温められ、膨張することで爆発が起きるのである。
葉加瀬のとっておき、かつ裏技。
同業者でいえばドーラにしか効かない気がするが、愛嬌である。
水蒸気によって起きた霧の中からゆらりと人影が現れる。
「な、なんで…」
その人影は勿論矢車。
がしかしその姿には観客達までもが驚愕した。
矢車は無傷、先程の爆発すら物ともせず、無傷で現れたのだ。
「やぁ、今のはすごかったね。だから私も少しだけ見せてあげる。」
彼女の左腕がみるみる巨大化し、先程の人型のキメラ2人分はありそうな大きさになる。
「腕だけキョダイマックス」
矢車は笑いながら言う。ただその目の奥では怒りの炎が燃え盛り、目の前の敵を潰さんとしている。
「え…ポケモン?矢車さんってポケモンなの?」
このタイミングで素っ頓狂な、質問をする葉加瀬。
「いや…私は人間だよ。
たださ、途方もない時間を生きてるとさ、こう言うこともできるんだよ。」
巨大な拳が葉加瀬の頭を覆う。
(あぁ、私の人生ここで終わるんだ…まだ逆6V育成し終わってないんだけどな…)
そこで彼女の視界は真っ暗になった。
「勝者!矢車りね!」
MCが興奮気味に勝敗を告げる。
死んでいった者達など、最初から居なかったかのように、そんな者気にしないと言うように。
矢車は自らの拳から血が、臓物が、いろいろな葉加瀬冬雪だったものがながら落ちるのを見終わった後、キマエラ達に目を向ける。
別々の生物の遺伝子や体を無理やりつなぎ合わせて誕生させられた生物達は衝撃によってバラバラに…木っ端微塵に吹き飛ばされていた。
「ごめん…私の…
ですよね…
私の判断ミスですよね…
ごめんなさい…」
少女は先程の闘いでは一切見せなかった、少女らしい、泣き顔を見せる。
頬からは涙が溢れ、目を真っ赤に腫らしながらキマエラ達の残骸にすがる。
彼女は永遠を生きる者、周りの人たちは皆、自分よりも早く老い、旅立ってゆく。
そんな中で自らと共に永劫の時を過ごす彼らは彼女にとって支えだったのだ。
が、悲しみに暮れる彼女に目を向ける者は誰一人としていない。
観客達が求めているのは闘争心を剥き出しにした殺し合いなのだから。