にじさんじ妄想トーナメント   作:薬師神 ひなた

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タイトルについて誰対誰なのかをわかりやすくしようと思ってたんですけど、なんかダサかった。


Aブロック第七試合「傷だらけのバーサーカー」

第七試合開始直前。

控室にその人物はいた。

この殺伐とした場所で…

何人もの同胞がまたその同胞によって消されていく空間に期待と羨望を抱く人間が…

「鈴原っ…楽しみ!」

美大生、鈴原るるである。

「鈴原るるさん、そろそろ試合開始時刻です。」

試合開始が迫るなか鈴原の笑顔は崩れることを知らず、少なくともそれは何も知らない人間が見れば「可愛い」。そう評する物だろう。

「はーい。」

選手入場ゲートから漏れ出す光に向かって歩き出す。

……

「会場の皆様、続いての対戦カードはこちら!」

MCが会場の興奮をさらに煽るように告げる。

「デビュー初っ端から圧倒的インパクト!その力強さの根源は若さ故のスタミナか?…違う。魔界村をも退けた精神力か?…違う‼︎…

狂気。狂気‼︎圧倒的狂気‼︎止まる事を知らない狂戦士(バーサーカー)!鈴原ァ!るる!」

その名を轟くと同時に観客たちが沸く。

「うおー!面白いのが来たな!」

「次は鈴原か!相手は誰だ!」

「こりゃ、鈴原の勝ちだろ。相手になるとすりゃ一期生か、それこそそれ以降のスタークラスじゃなきゃ。」

コロシアムに足を踏み入れた鈴原の第一声は…

「こんるる〜」

この状況で、この歓声の中で、いつも通りの挨拶。

狂気、だがこれこそがベストパフォーマンス。

「さて、この狂戦士(バーサーカー)に対峙する猛者の紹介だ。

…始まりの8人…伝説の始まり、にじさんじ一期生の看板を背負う者として、この戦いは負けられない!壺を2度制した男!渋谷はじめ‼︎」

現れたのは長身、緑髪、メガネの男。

「復活したのか!すげぇ。」

「この対戦は見ものだな!」

2人のライバーが近づき、5メートルほど開けて対峙する。

「はじめましてだね、鈴原るるさん。」

にこやかな表情、優しげな言葉選び、だがそれと対照的に手に握られるのはHK416アサルトライフル。

対する鈴原は感激!と言った表情で。

「渋谷先輩!こんるる〜、鈴原るるです!楽しい戦いをしましょう!」

手に握られているのは抜身のオンタリオ US マチェーテ。

軍隊でも採用されているそれは59センチもの刀身を鈍く光らせ、渋谷を捉える。

「それでは、Aブロック第七試合…開始ぃ!」

MCの開始の掛け声が掛かると同時に鈴原に降りかかる5.56×45mm NATO弾の雨。

ダダダダダダッ。

カラン、カラッ。

辺りに響くのは空薬莢が落ちる音と銃撃音のみ。それ以外の音は一切ない、いや、あったのだとしてもそれは誰の耳に届くこともない。

40秒程で弾丸は撃ち尽くされ、熱くなった銃身から煙が上がる。

「な、なんで…なんでだ…」

硝煙が晴れ、視界が澄んできたころ、この場にいる全員が驚愕した…鈴原るるを除いて。

「渋谷先輩、流石ですっ。こんなに至近距離で撃たれたのって初めてだったので、ドキドキしました!」

彼女はその華奢な身に一発も弾丸を受けずに現れたのである。

一分間に700発もの弾丸を打ち出すそれの連射を至近距離、面射撃で食らったのだから、無事でいられるはずがない、誰もがそう思った…

美大生の体に風穴が開き、血が流れ、死に絶えることを観客はみな切望した…

だがそんな想いは彼女の無邪気な笑顔と共に消え去った…

鈴原は突然飛んできた銃弾をマチェーテで弾き飛ばし、自らはほとんどの銃弾を避けていたのだ。

「渋谷先輩、次はどんな攻撃ですか?ショットガンですか?他にはどんなことができるんですか?」

自らへのダメージ…

傷や痛みなど気にしない、戦闘だけを望み、純粋な好奇心、戦闘欲を糧に動き続ける…

狂戦士(バーサーカー)ね…こりゃ納得だわ。俺じゃあ力不足かもね。」

そう言ってHK416を投げ捨て、缶程の大きさの目のを地面に投げつけた。

その瞬間、鈴原と渋谷を包み込む煙幕。スモークグレネードである。

「渋谷先輩、鬼ごっこですか?鈴原結構得意ですよ!」

目を見開き、口角を上げる鈴原。

鈴原が駆け出す音がしてから10秒程経っても渋谷は仕掛けず、また鈴原も捕捉することはできないまま。

煙幕が晴れ、現れたのは渋谷はじめ…

ではなく、壺だった。

「渋谷先輩、そんな所に隠れてるんですか?」

鈴原は壺に向かってマチェーテを振りかざす。

ドンっ!

鈴原の刃は惜しくも弾かれ、鈴原も大勢を少し崩す。

「おいっ!ゲームはスタート地点に戻らないとだよな?」

ダブルバレルを抱えて渋谷はじめが壺の中から再度登場する。

がしかし、先ほどの温和丁寧な口調、態度とは打って変わって荒々しい言葉遣いになっている。

「?。あ、こんるる〜。聞いた事あるんです、渋谷オワリ先輩ですよね?」

渋谷オワリ…渋谷はじめのもう一つの人格。

その本質は怒り、策士である渋谷はじめの知力、壺を勝ち抜いた精神力、バトロワで培った銃の扱い、そして相手を躊躇なく潰す渋谷オワリの残虐性。渋谷オワリは渋谷はじめの全てを得た、言わば戦闘タイプの渋谷はじめである。

そんなオワリはダブルバレルを鈴原に向け、

「俺のダブルバレルが火を吹くぜ。」

ドンっ!ドンっ!

散らばるショットガンの散弾は、面射撃を捌き切った鈴原と言えど、避けきれず、腕や太腿の辺りから服に血が滲み、滴り落ちる。

「わぁ!鈴原ショットガンに撃たれるのも初めてなんですよ。こんな感じなんですね!」

自分の体から出血し、痛みだって耐えがたいものであるだろうに尚も笑みを絶やさない。

「クッソ、化け物め…だがこれならどうだ!」

オワリが叫ぶと、地中から壺が鈴原の周りに出現する。

「壺がいっぱい!今から何が始まるんだろう!」

この状況でさえ、彼女の好奇心は止まることを知らない。

手に持ったマチェーテを収めることもなく、無邪気にはしゃいでいるのだ。

壺ノ炎舞(つぼのえんぶ)!」

渋谷オワリがそう叫ぶと、

壺の中からおじさんが登場し、M249、MG34、PKM、RPK、FNミニミなど、名だたる軽機関銃を所持している。

それらから発せられる銃撃は10秒間におおよそ300発。

壺おじさん達は同時に射撃を開始。

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド。

「壺達が用意した軽機関銃は10丁、発射数は1550!この千の雨!避けらるものか!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド。

ドドドドドドドドドドドドドド

ドドドドドドドド

ドドドド

ド。

「我にじさんじ一期生ぞ?!」

勝ち誇った発言は銃声によってかき消された。

銃撃が止んだ次の瞬間、煙の中から聞こえるのは鈴原の声。

「渋谷オワリさん…もう終わりですか?」

渋谷オワリはギョッとして、

「なにっ?!」

懐からだしたHK45を構えた次の瞬間、首が飛んだ。

「人間って脆いね…

おつるる〜、渋谷はじめ先輩。」

傷だらけのバーサーカー鈴原るる、腕、脚に多数の傷。

弾丸が貫通しており、重症…

と思いきや、みるみると傷が塞がり、完治する。

「な、何という再生力!鈴原るる、この女!本当に人間なのかぁ?!」

と言うと、凄い速さで目を見開いた鈴原がMCに詰め寄る。

「人間なら目を潰されても再生しますよね?ね?ね?」

怖い…ナチュラルに怖い…

「は、はい。

と、取り敢えず!Aブロック第七試合勝者!鈴原るる!」

だが、勝負が決してもバーサーカーの殺戮は終わらない…

「あはっ!壺の人たち面白い!」

残った壺達は危険を感じ、渋谷はじめが敗北した後も再装填(リロード)し銃撃を行ったが

「まだ、戦えるんですね!楽しい!」

マチェーテで弾丸を弾きながら、突進してくる鈴原になす全てなく首を飛ばされてゆく。

また1人、また1人と徐々に減って、彼らの壺は血の海になった…

マチェーテに付着した人間の脂を振って落としながら呟く。

「鈴原、戦えれば何でもいいと思ってたんだけど、これは楽しめそう!」

にじさんじ一期生が散ったこの日、残ったのはちみどろで、無邪気な笑顔で、マチェーテて振り回す美大生だった…

 

 

 

 

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