七つの存在が消えた.…
血を流し
絶叫し
苦痛に悶え
生を謳歌していた頃を懐かしみ
憎しみ、恨みそういった感情とともに
夢を抱いて沈んでいった。
そんな惨事をみて、当の本人達の抱く感情は計り知れない。
Aブロック第八試合、開幕の合図。そのゴングまであと5分…
「さぁさぁ、えげつねぇ試合を見せてくれたぞ、第七試合。にじさんじの看板!屋台骨とも言える一期生を下した鈴原るる。
鈴原の戦いを超える試合を見せるくれるのかァ?!」
MCが煽ると観客達は吠え、盛り上がる。
自分達にとってそれは見せ物であり、関係のないことなのだから…
「まずはこの男。
先ほど負けた同期、渋谷はじめの雪辱を晴らせるか?!
一期生の良心。その可愛さは女を超える?!
一期生出身!鈴谷あき!」
紹介によって起こる声援を背にコロシアムに足を踏み入れる小柄な少年。
その姿はまるで少女。だがその心に抱える影の大きさは計り知れない。
「続いてはこいつ!
その背中に背負う想いは、身体の大きさとは非にならないぞ!
にじさんじseeds出身!鈴木勝!」
続いて登場したのは、同じく小柄、がしかし鈴谷の可愛らしい白基調のファッションと打って変わって服装は黒、黒、黒。
そんな服装が対象的な2人が向かい合う。
「…鈴谷先輩、俺先輩だからって、手加減しないから。
最初から全力で行くよ…
その言葉を口にした瞬間、鈴木勝の影が大きく広がり、その大きさは彼の2倍ほどの背丈になった。
そして、その影は巨大な腕を振り下ろそうとする。
「待ってよ、勝くん。」
その言葉で影の動き、勝の動き、両方がピタリ止まった。
「何ですか…」
困惑気味に勝が尋ねる。
「やっぱり暴力的なのはやめようよ…ジャンケンで勝負しよ?」
場が鎮まり帰る…
「…へ?
ジャンケン…?」
勝は、戦いを仕掛けようとしたにも関わらず、動き、思考共にストップしていた。この異様な状況に脳がついていかなかったのだ。
「そう、ジャンケン。
ダメかな…?」
鈴谷あきの恐るべき上目遣い。
それは女性は愚か、同性である男性ですら魅了する。
「うっ…分かりましたよ。ジャンケンにしましょう。」
諦めた、負けましたと言わんばかりに勝負を受ける鈴木勝。
にじさんじ妄想トーナメント始まって以来の異様な勝負。
運否天賦に賭ける戦いが始まった。
「いくよ!最初はグー!ジャンケン!ポン!」
その掛け声と共に突き出される拳。
鈴谷あきが出したのはグー。
それに対して鈴木勝が出したのは…
「え…うそ…だろ…」
チョキである。
敗北である。
「あっ!勝てた!」
その場で嬉しそうな笑顔を浮かべる鈴谷あきを見て観客、MCはほっこりとする。
「…回…負だ…」
「え?何て?勝くん。もう一回言って。」
「三回勝負だ!」
涙目になりながら言う鈴木勝。
「俺様だって鈴谷先輩の条件飲んだんだから、三回勝負でいいだろっ?」
半ばその様子は駄々を捏ねる子供。
「いいよ、分かった。」
…
……
負け、負け、負け。
運の無さが顕著に現れる鈴木勝。
全敗である。
「くっそぉ…なんで勝てないんだよ…
俺に運勢のエンチャントしてくれ…」
涙目がさらに加速し、半泣きになる鈴木勝…
その様子を見て、観客、MC、対戦相手の鈴谷あきまでもがなんか申し訳ない気分になる。
「勝くん、あっち向いてホイで勝負しよっ!今度は勝てるよ、ねっ!」
必死に励まし始める鈴谷あき。
「…うん…」
異様な運ゲー、延長戦。
負け、負け、負け、負け、負け、負け、負け、負け、負け、負け。
圧倒的敗北数。
何回やっても勝てない鈴木勝。
「も、もう一回やればいいんじゃないか?…」
「頑張れ〜」
観客達は声援を上げるが…
顔を上げた鈴木勝は完全に泣いていた…
「こんな世界…俺が壊してやる!…グスン」
そう言って、走り去っていった…
早かった…新幹線くらいの速さ。
みな呆然とし、鈴谷あきだけが心配そうに鈴木が走っていった方向を見つめていた。
「しょ…勝者鈴谷あき。」
異様な勝負は誰も想像しなかった、鈴木勝の全敗という形で幕を閉じた…
その後、控室にて…
「グスン…グスン…俺様が全敗…クソゥ…なんで…俺様がこんな目に…グスン」
泣いていた…号泣する鈴木勝。
その姿を見てほくそ笑む鈴谷あき。
この光景を見たMCはのちにこう語った…
…
……
………「あきまさてぇてぇあるってマ?」
書きながら思ったとも、なにこれって。
最近まで無駄にグロいこと書いてたのに急にネタ調に書き始めるのもどうかなって思ったけども…
前にコメで指摘していただいた通り、多少の改変はまぁ、本編に影響を及ぼさない、バトルを引き立てるためにしているのですが、流石にこれを改変するのはまずいかなって…