明るい未来の為に   作:Rez

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『6月9日~6月10日』

 新登場

目暮十三
高木渉
佐藤美和子
ベルモット
萩原研二
松田陣平
諸星景光


刑事と警察学校組

〜6月9日AM10:00〜

 

 今日は組織のことで、捜査一課の方達が来ることになっていた。そのためいつもより早く起きて色々と準備をした。

 リビングで寛いでいると、インターホンが鳴った。新一は、優作を呼び自分は玄関に行き刑事の方々を出向いた。

 

目暮十三

「やぁ、工藤君! 久しぶりだね」

工藤新一

「ご無沙汰してます、目暮警部、高木刑事と佐藤刑事もお久しぶりです」

高木渉

「久しぶりだね、工藤君」

佐藤美和子

「久しぶり、工藤君、大変だったわね」

工藤新一

「えぇ、まぁ。 お話は中で」

 

 新一は話を中断して3人をリビングへ招いた。3人はリビングへ入るなり何が何だが分かっておらず、新一にその疑問をぶつけた。

 

工藤新一

「お話すると長くなるんですが…」

 

 3人は新一が組織戦に行く前に江戸川コナンは工藤新一だと伝えていたので事情も知っていたし、志保のことも話していたので心配することはそんなになかったが、今の状況は新一達にも予想出来ないことだったので1から説明した。

 

目暮十三

「つまり、元に戻る時に拒絶反応が起こったんだね?」

工藤新一

「そんな感じです」

高木渉

「工藤君が2人いるなんて警察としては嬉しいことさ」

佐藤美和子

「高木君、工藤君は最近事件に一切関わらないようにしているわ」

 

 そう、新一は組織戦が終わってから元に戻るまで戻ってから外出はしていても事件に首を突っ込まなくなった。

 その理由はまだ誰も知ることなく、新一自身も誰にも話していなかった。ある程度説明と御礼を言った新一を見て、優作は3人に話を持ちかけた。

 

工藤優作

「目暮さん達には急で申し訳ないんですが、今、新一が関わってきた人達の数名を集めてDetectiveFamilyという団体を作っているのですが、良かったら入りませんか?」

目暮十三

「DetectiveFamilyか〜、探偵家族良いですよ。」

高木渉

「警部!? 仕事はどうするんですか?」

佐藤美和子

「そうですよ、まだ沢山仕事残ってますよ?」

目暮十三

「そう、焦るな。優作君、仕事を終わらせてからでも変わらんか?」

工藤優作

「全然良いですよ!寧ろここでやってくれれば探偵が沢山いますし捗ると思います。」

目暮十三

「そうだな、私達も参加させてもらうとしよう」

 

 こうして目暮警部達3人はDetectiveFamilyの一員になることになった。

 

〜PM12:00〜

 

 また家族と呼べる人達が増えて工藤邸も賑やかになっていたこの頃。新一達の中では問題が沢山あった。学校に、蘭のこと、そして少年探偵団の子供達、解決しないといけないことが沢山ありこれからもっと忙しくなるのは目に見えて分かっていた。

 そんな中新一はいち早く蘭に分かってもらいまた幼馴染として接してあげたいと思ってはいるが、理解してもらうのにどれだけかかる分からないし、分かってもらえるかすら怪しい。

 でも早めに手を打たないと何が起こるか分からないのも確かなので新一は頭をフル回転で回して毎日考えていた。

 その様子を毎日の様に志保は見ていて自分には何が出来ないのだろうかと新一に聞こうと思っているが、なかなか聞くことが出来なかった。

 1人ずっと試行錯誤してる中またインターホンが鳴った。今日は誰も来る予定はもう無いはずと新一は脳の片隅で考えていると2階から有希子が降りてきて玄関へ向かった。

 暫くして有希子は誰かを連れてリビングへ入ってきた。新一は1度考えるのを辞めて有希子の方へ振り向くとこれまた懐かしくて、かつては志保を殺そうとしていたボスのお気に入りのベルモットの姿があった。

 

工藤新一

「何だ、ベルモットかよ。」

ベルモット

「シルバーブレット、その言い方は無いんじゃない?あなたに会いに来たっていうのに。」

工藤新一

「俺はおめぇに用はねぇし、会いに来ることも知ってた」

ベルモット

「さっぱりばれていたのね」

工藤新一

「その間母さんとメアリーさんと出掛けただろ?」

ベルモット

「有希子、貴方言ったのね」

工藤有希子

「言ってないわよ、ね?新ちゃん」

工藤新一

「母さんが志保に昔の友達と買い物に行くって言ってたって聞いてすぐ分かったよ」

工藤有希子

「昔の友達なら沢山いるのに何で?」

工藤新一

「母さんいつも、俺の知ってる人だと名前で言ってるし、今まで昔の友達なんて呼び方したことないし、俺は母さんの知り合いはほぼ知ってるからそんな呼び方しないから知られたくない人で昔の友達って言ったらその2人しか出てこない」

ベルモット

「息子を侮ったわね、有希子」

工藤有希子

「優作の子だから、しょーがないわ」

工藤新一

「で?何しに来たわけ?わざわざ俺に会うために来た訳じゃないだろ?」

ベルモット

「そうね、風の噂で貴方達がDetectiveFamilyを作ってるって聞いて入れてもらおうと思ったのよ」

工藤新一

「誰からの情報だ?」

ベルモット

「私の古き相棒かしら」

 

 ベルモットは答えをはぐらかしてニヤッと笑っていた。新一はその様子を見て不敵な笑みを浮かべ『バーボン』と答えた。

 

ベルモット

「正解、ここに居るんでしょ?」

工藤新一

「居るけど、呼ぶ?」

ベルモット

「良いわ、何言われるか分からないから」

 

 ベルモットは降谷さんのことを公安の『ゼロ』所属だということも知っているし、お互い敵対している訳では無いが組織壊滅後連絡を取りあっていなかったためあまり会っていなかった。

 ベルモットのDetectiveFamilyの参加は新一としては許可するつもりではいたが、またまた哀と2人で出かけていた志保が帰ってきて第一声『何で!ベルモットが居るの?!』と声を荒らげ哀は志保の後ろで怯えていた。

 新一は志保にベルモットが組織戦に協力していることは伝えていなかった。多少失敗したななんて思いながら志保をこちらに呼び、一応説明した。

 

宮野志保

「絶対!嫌!」

 

 志保は話を聞くなり即否定した。相当ベルモットに敵対意識があるようだった。でもベルモットも元々志保を恨んでいなかったし、組織のことは裏切るつもりでいたのを新一は組織戦の時に全て本人から聞いていた。

 それでも志保は信じることが出来ないらしい。哀の方はまだ組織が壊滅する前に感じていた組織の気配の名残で怯えてはいるが、ベルモットのことを敵対している様子はあまり無かった。

 

工藤新一

「志保、今すぐにとは言わないから、ベルモットを許してやってくれ」

宮野志保

「嫌よ!新一に言われても私は…私は…」

 

 志保の言葉を遮るように志保の大きい声に驚いた明美が部屋から降りてきて志保に言った。

 

宮野明美

「志保、組織はもう無くなったのよ?いつまでも敵対していては何も意味ないしここまでやってくれた新一君に失礼だよ?」

宮野志保

「でも私はベルモットを許すことは出来ない、新一を助けた1人とはいえ。」

ベルモット

「私は許してほしいとは思ってないわ、ただシルバーブレットの手助けをしたいだけ」

宮野志保

「私はあなたを一生恨み続けるわ、例え家族になったとしても」

ベルモット

「別に構わないわ。」

 

 ベルモットは志保に許してもらいたい訳でもなく志保と仲良くなるつもりもなかった。ただ新一に昔助けられたように自分も新一の手助けをするために工藤邸にやって来て組織戦の時に仲間として戦ってくれていた。

 新一は知っていたからこうも冷静でいられるが自分もその事実を知らずに過ごしていたら志保と同じようになるのだろうかと思いながら明美の横で今にも泣き出しそうにしている志保を抱き寄せて一言謝った。

 

〜PM17:00〜

 

 話は落ち着いて、志保の了承も一応貰って、新一は工藤邸のメンバーにベルモットのことを話した。目暮警部達は最初は驚いていたが新一の話を聞く度に話を納得してくれた。

 こうしてDetectiveFamilyにまた1人家族が増えた。新一は報告を終えてリビングへ戻るといつも部屋にいる降谷さんが降りてきていた。

 

工藤新一

「あれ、降谷さんどうしたんですか?」

降谷零

「さっき志保さんの声が上まで聞こえたから何かと思って聞きに来てたんだよ」

工藤新一

「そうでしたか」

降谷零

「ベルモットのせいだったんだね?大変だったでしょ?」

工藤新一

「まぁ、俺も早く言っておけば良かったなって思いましたよ。」

 

 

 新一は降谷さんと志保とベルモットの話をしている時、思い出したかのように降谷さんに質問した。

 

工藤新一

「そう言えば降谷さん、アポロの仕事大丈夫ですか?」

降谷零

「あっ。」

 

 降谷さんは公安の仕事は風見さんに連絡をしている所を見ていたが、梓さんに連絡を入れているところは見たことがなかった。

 零は新一に言われるまでアポロのことをすっかり忘れて生活していた。新一に『梓さんに怒られるかな?』なんて冷静に聞いてくるが、今頃アポロはイケメン店員が消えて高校生達がやめちゃったのか聞きに押し寄せてきてるんだろうなって想像しながら苦笑いとした。

 降谷さんは『後で電話しておかなきゃ!』と意気込んでそのまま部屋に戻っていった。その入れ替わりで赤井さんが入ってきた。

 

赤井秀一

「さっきは平気だったのか?」

工藤新一

「ん?志保ですか?」

赤井秀一

「あぁ。」

 

 秀一も志保のことが気になって降りてきたのだ。滅多に声をあげることの無い志保があれだけ大声を出していたのが心配で聞きに来たのだろう。

 新一は『大丈夫ですよ』と笑顔で伝えると『そうか』とそれ以上何も言わずに部屋に戻っていった。こうしてリビングには新一と志保の2人になった。

 志保は降谷さんに事情を話したあとソファでずっと雑誌を読んでいた。新一はその隣に行き、志保を自分の膝の上に乗せて何も言わずに頭を撫でた。

 

宮野志保

「ちょ、ちょっと辞めて」

 

 髪に触れている新一の手をはたきながら、撫でるのを辞めさせようとする志保に対して新一は挫けず頭を撫で続けた。

 暫くして諦めたのか志保は読んでいた雑誌を閉じて新一の方へ身体の向きを変えた。新一もとうとう怒られるのかと思い撫でていた手を止めて志保のことを見た。

 

宮野志保

「や、やめないで…」

 

 志保の口からは普段聞くことのないデレが聞くことが出来た新一は『やっぱりやってほしかったんだな』と意地悪を言うと『煩い』と叩かれた。

 新一は志保を思いっきり抱きながら志保の頭を撫でた。

 

〜PM19:00〜

 

 前日園子のメールに送られてきた内容をいつ決行するか園子と電話で話していた蘭は園子の一言でイライラが完全に溢れ出した。

 

鈴木園子

「蘭、さっぱりやめようよ」

毛利蘭

「は?何でよ、園子は私の味方じゃないの?」

鈴木園子

「そうじゃないけど話も聞かずに人を殺すなんて…」

毛利蘭

「話なんて聞かなくたって新一は浮気してるの!だから女を殺して私と付き合ってもらうのよ!」

鈴木園子

「もし新一君が浮気していたとしても、殺すのは良くないし、私何回も言ったけど早く告白の返事した方が良いよって言ったよね?」

毛利蘭

「私ちゃんとしたよ?でも新一に海外じゃキスなんて挨拶なんだよって言われたんだよ?酷いと思わない?」

鈴木園子

「酷いの何も新一君はちゃんと言葉で伝えたのに、蘭からはキスで済まされたらその程度なのかって思うわよ」

毛利蘭

「新一なら分かってくれてると思ったの!」

 

 園子は電話をしながら蘭に呆れていた。ほぼ毎日2時間以上電話して新一の悪口を聞かされ自分の意見に賛同しないと味方じゃないの?と言われ園子は疲れていた。

 

鈴木園子

「蘭、もう切るよ」

毛利蘭

「え、ちょっと、まだ話し終わってないよ!園子」

鈴木園子

「私も暇じゃないの!またね」

 

 強制的に電話を切られた蘭は『何よ、園子ったら』とスマホを強く握り締めてイライラを抑えながら、夕食の準備に取り掛かった。

 

〜PM20:00〜

 

 夕食の準備を終え、小五郎と英理に声を掛けて先に座って待っていた。1年前やっとの思いで英理に戻ってきてほしいことを伝えてまた3人で食卓を囲うことが出来て嬉しい蘭は小五郎の言葉で少し怒りを露にした。

 

毛利小五郎

「蘭、12日の朝から工藤邸に行くから準備しといてくれ」

 

 小五郎は蘭に新一の家に行くことを伝えてしまった。蘭は『何しに行くの?』と聞くと『優作さんに呼ばれたんだ』と言われた。

 前日の夜に優作から電話があったらしい。『12日の朝から工藤邸に来てくれませんか?話したいことがあります』って言われたから英理と蘭もだと思い2人に伝えるが小五郎は電話で『申し訳ないんですが蘭さんには伝えないで貰っていいですか?』と言われていたことをすっかり忘れておりこのせいでこれから起こることの事態が一気に急変するのであった。

 

〜PM21:00〜

 

 新一達は部屋に戻り就寝の準備を始めた。朝からバタバタして疲れきってしまってしまったのか志保は眠そうにしていた。

 

工藤新一

「志保、もう寝ろ」

宮野志保

「そ…そうね」

工藤新一

「おやすみ」

宮野志保

「おやすみ」

 

〜6月10日AM10:00〜

 

 今日は優作が呼び出した人が来ることになっているが、新一自身も誰が来るか全く知らなかった。いつものようにリビングで寛いでいると昨日とほぼ同時刻にインターホンが鳴った。

 今日は新一ではなく優作が玄関で出迎えに向かった。普段呼ばれることの無い降谷さんと赤井さんもリビングへ来てほしいと優作が言っていたので、本人達に伝えてリビングに居てもらった。

 暫くして優作が戻ってきた。3人の亡くなったとされていた3人を連れて。零と秀一は目の前の光景に驚くことしか出来なかった。

 目の前には零の警察学校時代の仲間の萩原研二、松田陣平、そして秀一も組織の時に一緒に行動を共にしたスコッチこと諸星景光の姿があった。

 

降谷零

「お前らどうしてここに…」

赤井秀一

「スコッチ…お前あの時…」

 

 2人ともなぜ生きているのか分かっていなかった。新一自身も分かっていなかった。それのそのはず萩原と松田は爆弾解除中に犯人の手によって爆弾を解除出来ずに爆破に巻き込まれて死んだはずだった。

 諸星は組織にノックとばれて始末しろとジンからの命令で零と秀一が指名されたが、秀一が着いた頃には自殺しようとしていて、それを止めようとしたが自分のスマホごと撃ったのを目の前で見ていたのに。

 考えれば考えるほど沢山の疑問が浮かんできて、早くモヤモヤを無くしたくて仕方がなかった。そのモヤモヤを解消するように優作が話し始めた。

 

工藤優作

「取り敢えず座ってからにしようか.」

 

 1度皆を座られてから優作はまた口を開いた。

 

工藤優作

「降谷君と赤井君の疑問は何故生きているのか?ってことだね?」

降谷零

「そうです」

赤井秀一

「はい」

工藤優作

「まず、萩原君と松田君についてはその爆破事件は私が解決した事件でね、その時2人に会っていて話をしたんだ。この事件は類似の事件があるって。」

工藤新一

「萩原さんと松田さんが巻き込まれる前に同じ事件が1度あった…」

工藤優作

「そう、その事件は私が探偵として未熟だった頃に起こってその事件の結果は爆弾処理班の1人が爆破に巻き込まれて亡くなった。その次の年の同じ日に同じ事件がまた起きた。その時の爆弾処理班の2人が萩原君と松田君の2人だった。2回目の事件は松田君の方はちゃんと解除に成功したけど、萩原君の方は1回目の時のように残り5秒でヒントが出るようになっていた。私はそのことを2人に伝えて松田君に早めに解除をしてもらい、萩原君と合流して2人で爆弾解除をお願いした。」

工藤新一

「でもそれじゃあ、俺が解いた時のように、本命の爆弾の場所が分からないだろ?」

工藤優作

「それは心配ないさ、警察が犯人から聞き出して他の爆弾処理班に向かわせて解除した。でも萩原君達の爆弾は解除する出来る直前に犯人によって起動されて2人とも大怪我を負った。その1年後また同じ事件が起こった。前回捕まえた犯人の仲間が同じ事件を起こして遊園地の観覧車に爆弾が仕掛けられていた。1年前爆弾をもろに食らってしまった萩原君と松田君はその事件の直前まで入院をしていて萩原君には姿をくらましてもらい、松田君だけ助かったことにした。そして退院してからすぐ仕事に復帰した松田君は佐藤さんの忠告を無視して自分が爆弾の解除をすることにした。私から前回と同じで犯人が爆弾を起動するかもしれないからと伝えて松田君には少し危険な賭けに出てもらった。」

工藤新一

「賭け?」

工藤優作

「残り5秒を待たず爆弾を解除して貰った。」

工藤新一

「でも前回と違って犯人は捕まえなかったんだろう?」

工藤優作

「そうだな、でも私は犯人の目星はついていたから少し手荒に起こった。その後犯人の1人がその事故で亡くなって、新一が解いた事件の犯人に繋がったってことさ。」

降谷零

「それじゃあ松田は萩原が生きてることを知っていたのか?」

松田陣平

「あぁ、知ってたよ」

赤井秀一

「でもスコッチはどうやって助けたんですか?」

工藤優作

「諸星君は1度警察学校時代に会っていてね、組織にノックとばれた時に助けを求められて博士に頼んで血糊を用意して貰って身体に他人には脈が止まっているように思わせる道具を作って貰ってね、赤井君達が去った後に合流して今まで3人で暮らしてもらっていたんだ。」

 

 その話を何も言わずに聞いていた誰もが『この男の頭脳はどうなっているのか?』と疑問を覚えた。そして『この人を超えることなんて出来ない』と皆確信した。

 内容を理解した零と秀一は優作に御礼を言った。優作は『御礼なんて、私はただ事件を解決しただけさ』と笑いながら言っていた。

 

〜PM13:00〜

 

 一通りの説明を終えて、新一は自分達のことを話した。幼児化して江戸川コナンとして組織を壊滅させるために動いていて志保と一緒に組織を壊滅させて薬を完成させて元に戻ったが拒絶反応によって2人のそれぞれ性格の違う自分がいることを伝えた。

 諸星さんは『シェリーが居るのか?』と組織のことの名残かコードネームで呼んでいた。そこへ丁度よく志保が入ってきて『その名前で呼ぶの辞めて頂戴』とジト目で諸星さんを見た。

 3人とも新一の話に納得して優作に来る前からDetectiveFamilyに入らないか?と言われていたらしく新一はそのまま3人を家族として迎え入れた。

 そろそろ新一や優作が考えていたDetectiveFamilyのメンバーが全員揃いそうだった。揃い次第阿笠邸と工藤邸を合併させて2つに分けることも考えていた。

 新一はつくづくやることが早いなと思いながらリビングで1人考えていた。DetectiveFamilyに蘭を迎え入れるべきなのか?まだ新一のことを諦めきれていない蘭を入れるのは危険なのは分かっているが、大切な幼馴染であるし、志保とも仲良くして欲しいとも思っていた。

 

〜PM19:00〜

 

 ここ最近電話のなかった新一のスマホに着信が来た。新一は蘭の電話番号は消したはずだからかかってくるわけないと思い画面を見ると園子からだった。

 

工藤新一

「もしもし、どうした?」

鈴木園子

「もしもし、新一君?」

工藤新一

「どうした?園子」

鈴木園子

「新一君に聞きたいことがあって電話したんだけど今大丈夫?」

工藤新一

「平気」

 

 園子からの電話は最近蘭の愚痴が酷くて何かあったのでは無いかと思って電話をしてきたらしい。新一は隠すこともなかったので園子に全て話してた。

 話している内に園子から『私宮野さんに会ってみたいわ!』なんて言ってきた。新一は園子が自分から志保と友達になろうとしてくれているのが分かっていたので断ることもなかった。

 新一は園子に『明日でいいか?』と予定を一応確認して見ると『大丈夫』と言われたので明日園子が来ることになった。

 これで少し安心出来ることが増えた。志保は元々人と付き合うのが得意ではないため幼児化していた頃も友達が少なかった。

 今は少年探偵団がいるから哀は大丈夫でも、志保の方は心配だったが園子が友達になってくれるのであれば安心出来ると思っていた。

 同じクラスにならなくても仲の良い人が同じ学校にいるだけで違うだろうと新一は思っていた。1人リビングで考えているのをずっと見ていた志保が新一に近づいて来て『さっきの電話は?』と聞いてきた。

 新一は『園子が蘭と何かあったのか聞いてきたから答えてたのと志保に会いたいから明日来るってさ』と伝えると『随分急なのね』と溜息をついていた。

 志保は哀の頃から蘭のことはあまり好きではなかったし、園子のことも好きではなかった。人として嫌いな訳ではなく、自分と違って優しすぎて苦手だったのだろう。

 それは今になっても変わってないらしい。新一はそんな志保を見て『大丈夫だよ、園子は良い奴だから』と頭をポンッを撫でると顔を真っ赤にしながら『知ってるわ』とそっぽ向いてしまった。

 

〜PM21:00〜

 

 昨日からコナンと哀の姿をほとんど見ていなかった新一は志保に『あの二人どこか行ってたのか?』とぶっきらぼうに聞くと『昨日は私と出かけたあとずっと部屋でコナン君といたわ、今日は出かけてたんじゃない?』と言われた。

 言われてみれば朝起きた時から既に部屋にはいなかったし、玄関に靴もなかった。2人で出かけて気づかないうちに帰ってきて疲れてそのまま寝てしまったんだろう。

 新一の隣で可愛い寝顔で寝ていた哀を見て新一は『哀は可愛いな』と寝ている哀の頭を撫でながら呟くと隣で聞いていた志保に『わ…私は?』と小さい声で言われた。

 新一は少し笑いながら『可愛いに決まってるだろ?』と笑顔で志保に言うと自分で聞いておいて恥ずかしくなったのかそっぽを向いて寝っ転がってしまった。

 新一も部屋の電気を消しても身体を横にして志保の耳元で『おやすみ』と呟いた。反応のない志保の顔を後ろから覗き込むと『バカ…お、おやすみ』と言われたので満足して新一は志保を抱きしめて眠りについた。

 志保も新一の方へ向き直してそのまま眠りについた。

 

…To be continued

 




 こんにちは〜!次でDetectiveFamily結成編は終わりで、蘭の感情崩壊編に突入します!今回コナンと哀がほとんど出てないですぅ。
 次回からまた沢山出ると思います(多分)

 それでは次回もお楽しみに!

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