WTクランによる帝国を勝利に導く物語~核抑止とは?~(本編完結) 作:紅茶
夏なのか知りませんが、体調が崩れやすくなってきました。
皆さんもエアコンの当たり過ぎには気を付けましょう!
精神的BL要素がほんの少しだけ香ってくるかもしれないので気を付けてくださいませ。
統一歴1905年 6月20日 午前6時30分
クーデター実行4時間前
パスカル・フォン・クロイツァー准将、パウル・ディーヴァルト少佐以下3名は近衛第二師団司令部ヘ赴いていた。
近衛第2師団司令部は近衛第2師団の主要司令部所在駐屯地であるライヒスベルグ駐屯地に存在している。
午前6時より動き始める予定の近衛舵2師団はもうすでに慌ただしかった。
「すまない、陸軍参謀本部からの者だ。シュテファン師団長の所へ案内してくれないか?」
「はぁ…陸軍さんが何用でしょうか?」
「陸軍の人間が近衛に何用かという事だろう?
少々気になる事をうちの情報局の人間がつかんでね。
それでここに来たわけなのだ。」
そこで事務方は勘違いをする。
今、目の前にいる陸軍の将官は、近衛とも言えども下士官には言えないような情報を持っていて、近衛第2師団長に直接協議しに来たのではないかと。
そして、その重要な事例は一つしか思いつかない。
カタリナ殿下の結婚式の事に違いない、と。
事務ではあるが近衛に所属する軍人である。
近衛においての兵卒は通常の軍の下士官レベルにまで教育されるのが通例であった。
近衛は花形の軍隊ではあるが、教育も一歩進んでおり。ついていけない者も少数いる。
そんな人物は、原隊に戻される運命である。
とまぁ。
その事務方の兵卒()はそう考え、仕方ないので同僚に案内を頼むことにした。
「陸さんが師団長に合いたいそうだ。案内してくれるか?」
「あぁ、いいぞ。」
直ぐ傍にあった階段を上り、4回まで階段を上りきったあと、
キュッ、キュッと掃除が良く行き届いた廊下を歩いていく。
「ここです。」
「うむ、ありがとう。」
案内をしてきた彼は来た道順をたどり戻っていった。
パウル・ディーヴァルト少佐がドアのドアノブに手をかける。
そして、ドアノブをひねりドアを開けた。
ごく自然に。
ドアを開けた後、広がった風景は、ノックもなしにだれが入ってきたのかを見るために顔を上げた近衛第2師団長とその副官であった。
「君たちはいったい誰なのかね?近衛の人間じゃないな。」
近衛第二師団長シュテファン・フォン・ハース少将の説得を開始することになる。
「単刀直入に申し上げると…クーデターに参加してもらいたい。」
副官が厳しい目で入ってきた闖入者を睨みつける。
近衛と言うのは建前上は帝国3軍と同じ立場であると定義されているが、その事実は皇帝が直接率いる戦闘部隊の名残がある。
そのため、皇帝の力が強い帝国において、事実上帝国3軍より立場が上であった。
「………は?申し訳ないが私の耳がもう遠くなったようだが…クーデターと言ったのかね?そもそも君たちは何者だ!?陸軍所属であることは分かるが。」
そこでパスカル准将が口を開き自身たちの自己紹介を始める。
「陸軍参謀の者です。第1皇女の帝位継承権をはく奪し、カタリナ殿下に帝位継承権第1位にする手伝いをしてもらいたい。」
「ふむ…まぁ落ち着き給え。君たちは頭に血が上っているようだ。一度協会に行って熱くなった頭を冷やしてみてはどうかね?」
「頭に血が上っているとはどういうことだ!小官らはいたって冷静である!」
陸軍第一師団、第一歩兵大隊長のエーデン・フリート少佐が唾を飛ばし激高するも、パスカル准将は彼をなだめ、こう言った。
「近衛両師団は第1皇女殿下の脱走によって振り回されました。貴方であってもそれは同じはずです。」
「ふむ…それは確かにそうではある。」
エリザベートがあの脱走を繰り返したことにより迷惑をこうむった部署は少なくはない。
近衛師団。帝国3軍と近衛から魔導士の精鋭が集まる魔導士教導団。宮殿に努める者たち。
「であるなら、我々に協力してくれますか?」
「うむ…少し考えさせてくれ。」
「ええ、分かりました。ですがこちらに時間がないので30分ほどで結論を出していただきたい。」
彼らは少なからず、近衛第2師団長に対して手ごたえがあった。
その後痛ましいほどの静寂が訪れる。
30分の長い黙考時間は、痛ましく感じるような静寂であった。
執務室の壁に掛けられている時計が嫌にうるさく聞こえるよう錯覚するほど。
そして…30分が経った。
クーデター首謀者の『陸軍さん』は30分と言うのが嫌に長く感じた。
30分待つという事は彼らを焦らせることにもつながったのである。
それはなぜか。
師団長と話しただけでおよそ30分かけたのだ。
それに追加で30分ともなれば合計は1時間経つことであり。
クーデターを起こすうえで重要なのは決起する時間であった。
最低でも10時30分ごろまでには絶対に事を起こさなければなかったのだ。
「30分経ちました。師団長、お答えは?」
「うむ…」
改めて、クーデターへの近衛第二師団の参加を要請する。
だが、回答はうやむやであり時間に追われる首謀者パスカル・フォン・クロイツァー准将は最終的な結論を師団長に強い口調で問う。
「近衛第2師団長、結局jaかneinかどちらですか!」
との問いに師団長は
「Nein」
とだけ答えた。
「…おのれ‼」
直後に焦りに苛まれたパスカル・フォン・クロイツァー准将のサーベルによって斬殺された。
拳銃を抜こうとした副官はパウル・ディーヴァルト少佐によって斬殺された。
「…まずい、どうしようか?当初の計画がお釈迦に‼」
「准将、命令を偽造しましょう。私が偽造命令書を作成しますので」
「………そうか。その方法があったか!」
パウル・ディーヴァルト少佐はパスカル・フォン・クロイツァー准将の起案した近衛作戦命令第608号の命令書に殺害した第二師団長の印を押し命令を偽造した。
命令は以下の通り。
近衛作戦令第608号 6月20日 0750
一、師団は敵の支配下にある逆賊、エリザベート・フォン・クロイツフェルンを確保、拘束すべし
二、近衛混成第一連隊は一個中隊を以って近衛第二師団司令部の封止、部外者の立ち入りを阻止すべし。
三、近衛混成第一連隊主力は別名あるまで待機すべし。
四、近衛混成第二連隊は結婚式会場の占拠、逆賊に属するエリザベート派貴族、軍人を拘束すべし。
五、近衛混成第三連隊は道路警備を厳とし、道路の封鎖を行うべし。
六、予は師団司令部にあり。
近衛第二師団長 シュテファン・フォン・ハース
9時半頃、大聖堂を警備中の近衛混成第二連隊司令部にエーデン・フリート少佐、エッカルト・ロート大尉の2名が命令下達の為訪れる。
統一歴1905年 6月20日 午前9時半
近衛混成第二連隊司令部
近衛第2師団混成第2連隊司令部には、恐ろしいほど若くして近衛の連隊長の座に座った人物がいた。
数か月前に近衛第1師団副長のエルンスト・フォン・フート准将と結婚した女性士官。
その名も、カリン・フォン・フート大佐である。御年17歳。
若すぎるが、この時代では未だ生まれていないターニャを比べると少しインパクトに欠ける気がする。
比べる対象が悪い気もするが……
「連隊長。陸軍の方がお越しになられています。」
連隊司令部に入ってきたのはトーマス・ベッヒャー少佐、近衛混成第二大隊長である。
「陸軍?」
カリンには一応陸軍のつながりがある。
陸軍士官学校から陸軍大学の参謀過程を履修。
その後、近衛に直接入隊した彼女は陸軍とのつながりがほぼなくなったと言える。
陸軍とのつながりは、士官学校と軍大学が陸軍に属していた事くらいである。
「なぜ陸軍が?私に?」
「どうも近衛師団長命令を持ってきたようです。」
その大隊長に理由を問えば可笑しい答えが返ってきた。
近衛第2師団師団長の命令であるなら、伝令を出すなら近衛の人間を出すだろう。
「なぜ陸軍が?」
カリンは若干の疑いを持った。
「まぁいい。今陸さんは来てるのか?」
「はい。どうぞ。」
さすれば、陸軍将官の制服を身に纏った、准将の階級を付けた人物が入ってきた。
「………」
「私は陸軍参謀本部参謀次長である。近衛第2師団長殿より預かった命令書を読み上げる。
近衛作戦令第608号 6月20日 0750
一、師団は敵の支配下にある逆賊、エリザベート・フォン・クロイツフェルンを確保、拘束すべし
二、近衛混成第一連隊は一個中隊を以って近衛第二師団司令部の封止、部外者の立ち入りを阻止すべし。
三、近衛混成第一連隊主力は別名あるまで待機すべし。
四、近衛混成第二連隊は結婚式会場の占拠、逆賊に属するエリザベート派貴族、軍人を拘束すべし。
五、近衛混成第三連隊は道路警備を厳とし、道路の封鎖を行うべし。
六、予は師団司令部にあり。
近衛第二師団長 シュテファン・フォン・ハース
以上。」
「…質問はよろしいでしょうか、准将殿」
「師団長殿に聞いた分であるなら答える事はできる。」
「…これは第2師団全体へのご下命でよろしいでしょうか。」
「うむ。」
「私は今、師団長殿にこの命令を出された真意をお聞きしたいのですが…」
「近衛第2師団長殿によれば、師団長殿は師団司令部からは離れられないそうだが。」
カリンは通信装置を預かっている通信兵にこう命じた。
「通信士!師団長殿にこの命令の真意をお聞きできるか司令部に連絡を取れ!」
「分かりました。」
その後、通信が終わった通信兵が司令部から来た回答をその場で伝達する。
「司令部より回答ありました。」
「なんと?」
「『その旨は了承した。私の真意を説明する用意はあるが、第1連隊から説明することと相成った。そのため第2連隊司令部まで赴くのには時間がかかる。ただちに第2連隊は命令書通りに行動せよ』とのことです。」
「……了解した。」
「私はもう行って良いかな?」
陸軍准将が退室しても良いかと聞いてきた。
「ええ…」
彼が司令部から出ていった後に、彼女は苦悩しているような表情をする。
それもそうだ。
エリザベートとカリン両方とも同じ世界からの転生者ではあるが、元の世界ではエリザベートはカリンの元上司に当たる人物であったが、相応に親しくしていた仕事仲間でもある。
その、前世から付き合いがある人物を逆賊と断定され、そして拘束しなければならない。
ただ、軍人において上司からの命令は基本的に順守するのが通常である。
軍人として、命令は守らなければならない。
「連隊長…」
「………連隊へ告ぐ。我が第2連隊は師団長命令を実行する。我々は結婚式会場の占拠。
その後、第1皇女殿下を拘束せよ。」
「分かりました。」
「第1大隊は式場周辺の確保を行え。」
「はっ」
「第2大隊は式場の占拠、第1皇女殿下の拘束を行え。ただし、その際には危害を加えないよう注意する事。」
彼女にとって、エリザベートに危害を与えないように命令をするのが精いっぱいの抵抗であった。
「連隊長‼…いえ、なんでもありません。」
混成第2大隊長が何かを言おうとするが押し黙る。
それもそのはず、彼はクーデターの協力者であったからだ。
「第24戦車中隊は待機、本部管理第13魔導士中隊も待機だ。」
「了解しました。」
命令が発令された時間…10時00分
統一歴1905年 6月20日 午前10時00分
ベルン大聖堂
本日は私の妹の誕生日。
一般的に言えばめでたい日です。
座ってる私の目の前には、いつも私が語るロマンを技術的に具現化する女性技術者の後ろ姿が見えます。
まぁどう考えても該当人物はレナ空軍大佐なわけなのですが。
今日の主役の一人である新郎が入ってくるようなので、全員が立たなければなりません。
私も立ちますか。よっこらせ…
おや、今日の主役の一人である新郎が入ってきました。
その後に、ついに私の妹が、私の母と共に入場してきました。
おやおや、顔が真っ赤になってますよ(愉悦)ですが、これで仲間入りですね。
堕ちるのは未だ先だと思いましたが、もうこの分だと手遅れみたいです。
その後、賛美歌が斉唱されます。
厳かに奏でられる協会の聖歌のメロディーはカタリナの結婚を祝ってるような……そんな感じがしました。
その後に、神父が聖書の朗読、その後に結婚の制約を行います。
「汝ルドルフ・フォン・ナヴァールは、カタリナ・フォン・クロイツフェルンを妻とし、これを終生愛すると誓いますか?」
「誓います」
「次に、カタリナ・フォン・クロイツフェルンは、ルドルフ・フォン・ナヴァールを夫とし、これを永遠に愛する事を誓いますか?」
「はい、誓います。」
おっと、宣誓が終わりましたか。この次は確か――――――
「では誓いのキスを」
(おっと――――!!!これは来ましたねぇ!!なぜか顔のニヤニヤが止まりませんなぁ!!!!)
この姉、普段は冷静なくせして、身内になるとすぐこうなる。
我が妹は顔を真っ赤にさせながらもルドルフ君のキスを唇で受けたようで。
顔が真っ赤になり過ぎて煙が立ち上ってくるんじゃないかと思ったけど、残念ながら煙は頭から立ち上ってきません。
「次に、指輪の交換を」
カタリナとルドルフ君は普通に結婚指輪の交換をしましたねぇ…つまらん
「以上を持ちまして、神への報告が終わりました。新しい夫婦の門出に神もお喜びになるでしょう。」
教会から出て、ブーケトスが行われます。
一般的に、ブーケを取った人物が次に結婚できるという物は前世もあったけど、この世界にもあるらしい。
我が妹が後ろを向いて思いっきりブーケをぶん投げると、なんとレナの方にまっすぐ飛んでって、普通にキャッチしていました。
レナが自分の手の中にあるブーケを不思議そうに見ていたのは御愛嬌でした。
その時、外が騒がしくなった気が…おっと!
私の腕を引っ張ったのは、先ほどカタリナがぶん投げたブーケをキャッチしたレナ空軍大尉でした。
彼女は左手に取ったブーケ、右手は私の左手を取っています。
「レナ大尉?」
すると彼女の顔が険しい事に。
「殿下、今すぐお逃げください。」
そうすると大声で近衛兵がこう叫んでいるのが聞こえた。
「第1皇女はどこだ!!!!」
と。
「殿下、今すぐお逃げください。」
彼女に連れられて、少々暗がりの資格になるところまで来た。
「殿下、演算宝珠はお持ちですか?」
「いや、持って無い。」
「でしたら、これを。」
そうすれば、彼女の軍の礼装についていた演算宝珠を取り外し、私に渡した。
「これさえあれば、周りの景色に溶け込むことも、幻影等を出してかく乱させることも可能です。お持ちください。」
「だが…」
「お持ちください。早く!」
そうして彼女は演算宝珠を私の手に握らせた。
そして、レナは私から離れていったのです。
「…ん?お前はレナ・ワイス大尉だな?」
そのような誰何の声が聞こえたので反射的に景色に溶け込みました。
「はい、そうですが。何か御用で?」
「貴様を軍命で拘束する。」
「は?それはどういう…ちょっと待てッ……」
彼女は尊い犠牲となりました。
レナに言われた通り、おちついてスニーキングしましょう。
周りの景色に溶け込ませながら、足音を立てないように歩きます。
とりあえず門は無事抜けることができました。
…おっと、目の前に警備の近衛が。
植え込みを通っていきますか…
ガサっ!
「ん?音がしなかったか?」
やばっ、ばれたか?
すると一斉に気に止まっていた鳥が飛び立っていきました。
とりあえず、鳥のせいにできたので、通過していきます。
確か、式場警備の計画では半径数キロが警備範囲でしたから…
一気に離脱しましょう。
エリザベートはレナから渡された演算宝珠で兵士の目を眩ませた。
それは、首謀者達をいらだたせることにもつながったのである。
そして、式場では。
「殿下、第1皇女殿下の帝位継承権をはく奪させ、カタリナ殿下が次期皇帝になってください!」
ミハイル・ヴィルケ・シューマン情報局連絡部部長がカタリナにそう説得をする。
「何を言ってるんですか?時期皇帝はお姉さまでしょう?」
「ですから…」
ルドルフ・ナヴァール情報局局長補佐がこめかみをぴくぴくさせながら黙って先ほど妻になった人物と、ルドルフの腹心の部下のやり取りを聞いていた。
そして、一連の騒動を聞いて柔軟に活動した空軍佐官が居た。
空軍作戦課に所属するナスターシャ・フォン・シグラ空軍大佐だった。
彼女は近衛兵の目を盗み空軍作戦課にコンタクトを取った。
彼女はクーデターが起きたという旨を説明し、首都上空を守るベルン・テーゲル空軍基地より高高度偵察機Ta152R-1を2機飛ばすことを要請した。
そこから先、空軍作戦課はてんやわんやの大騒ぎとなった。高高度偵察機の情報でどうも、クーデターと言うのは本当らしいという事を確認。
空軍から関係するであろう各所にかたぱしっから連絡が言った。
近くに陸軍の駐屯地があるために、陸軍に。警察に。そして、宮殿にも連絡が届いた。
陸軍の作戦参謀本部は仰天、急いで情報収集に乗り出した。
後の戦争で有名になるハンス・フォン・ゼートゥーア大佐とクルト・フォン・ルーデルドルフ大佐もその場に居合わせ、事態の収拾を図ろうとしていた。
ちなみに、連れてかれたレナちゃんはというと。
とある場所で尋問されていた。
「第1皇女の行き先を知っているだろ!」
「私は知らん。」
「知っているだろう!!」
「知らん。」
「知っているだろう!!!!」
「知らん。」
「まぁ、まて。レナ大尉。本当に知らないのか?」
「私は知らないな。」
「そうですか。第1皇女殿下の腹心の部下と噂されているあなたが第1皇女の行きそうな場所を知らないのですと!?」
「そんな場所は見当もつかない」
「いい加減にしろ!!」
「そんなに興奮すると体が熱くなるぞ?ところでここは暑いな。上着を脱いでもいいかな?」
「うるさいっ黙れ!!!」
こんな感じ。
宮殿に第一報が届いたのは午後2時半ごろであった。
首都上空にはTa152R-1が飛び回り外の上空を把握しきっていたために近衛第2師団が動いていたことかも分かっていた。
皇帝は事態を重くみて自ら近衛師団の指揮を執ってクーデター鎮圧に乗り出した。
※むろん、周りも医者も皇帝ビスマルクの事を止めたが、自身の娘の事なので出ない訳がなかった。
其の後、皇帝は近衛第1師団を掌握し、事態の収拾にのりだす。
とりあえず、近衛第2師団の師団司令部に行けば、なぜか陸軍の軍人にここから先誰も入れるなと言われ、文字通り誰も入れなかった警備兵が居た。
そのため、皇帝特権で執務室に入れば、惨殺された近衛第2師団長と近衛第2師団副長の遺体が転がっていた。
その時刻およそ16時30分。
そのことが近衛第2師団混成第2連隊に届いたのは17時の事であった。
それを知らせたのは近衛第1師団副長エルンスト・フォン・フート准将であったりする。
その後、皇帝陛下が式場で
「命令は偽物だーっ!」
と叫んだりした珍事がきっかけで、クーデターは急速に終わりを迎えた。
ちなみに、逃げたはずのエリザベート殿下は城下町のパン屋で売り子をしていたという。
ともあれ、クーデターは収束を迎えた。
後の捜査で、首謀者が判明した。
情報局のミハイル・ヴィルケ・シューマン情報局連絡部部長、陸軍からは参謀本部参謀次長のパスカル・フォン・クロイツァー准将が首謀し、それに賛同した人物として参謀本部・情報部次長のパウル・ディーヴァルト少佐、陸軍第一師団 第一歩兵大隊長エーデン・フリート少佐、陸軍第一師団 第一歩兵大隊付参謀エッカルト・ロート大尉、同、第一歩兵大隊第三小隊長ドニファーツ・クラフト少尉、近衛第2師団より近衛混成第二大隊長のトーマス・ベッヒャー少佐が関与していたことが発覚した。
なお、第2師団の第1、第2、第3連隊長は首謀者等ではなかったためにおとがめなしとなった。
首謀及び関与した者は銃殺刑に処された。
これで、クーデターと言う大事件が幕を閉じた。
これにより、エリザベート派閥は力を増し、カタリナちゃんの肩こりと腰痛が解消し、ルドルフ君は腰痛に悩まされるようになったという。