WTクランによる帝国を勝利に導く物語~核抑止とは?~(本編完結)   作:紅茶

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幕間 エリザベートの料理研究

 20年前―――

 

 

 

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統一暦1903年1月25日

帝国軍統合作戦本部厨房

 

 帝国軍統合作戦本部の食堂はくっそ不味いことで有名である。帝国陸軍がはっきり言って見栄重視で作った『どうしてこうなった』な食堂。

 会議をしたりすることもあるが、基本的にまずい食堂としか認知されていなかったのだが・・・

 

 「ふんふふ~ん♪」

 

 銀髪で、赤目の見目麗しい可憐な少女が楽しげに鼻歌を歌いながら少女は調理をしていた。

 いつもはストレートにしている髪をまとめ上げ、三角巾で髪が入らないように防止している。

 どう考えてもその人物は次代皇帝エリザベート・フォン・クロイツフェルンである。

 

 なぜか彼女が料理をしているか。それは・・・

 

「新婚ならあの人の為に手料理を振る舞わないとね?」

 

 と言う事で料理を手作りしている訳なのだ。

 

 

 

 

 予め冷やしてあった500gの牛豚逢い引き肉を金属のボウルにぶち込み、氷水で冷やしながら、肉の粒がなくなるまでこねる。

 

 そして塩と白こしょう、ナツメグで味付け兼つなぎをする。そしてまたこねて少々粘り気が出てきたら、あら熱を取ったある炒めた玉ねぎに生パン粉、牛乳を加えてムラがなくなるまでこねる。

 

 タネをおよそ三等分にした後、手にサラダ油を塗りたい所ではあるが無いのでオリーブオイルを塗って3等分に分けたタネを両手で投げるようにして空気を抜く。

 

 そして楕円に形を整え、表面を滑らかに整え、金属トレーに一度載せる。

 

 フライパンを温めてサラダ油の代わりにオリーブオイルを引き、両面にうっすらと薄茶色になったら、両面に美味しそうな焦げ目がつくまで焼き上げる。

 

 焦げ目が着いたら蓋をして蒸し焼きにして、更に火を止めて更に蒸す。

 

 合計10分蒸し焼きにしたら皿に盛りつける。白いプレートにオーブンで焼いたポテト、そして色々調理がめんどくさい白いアスパラガスを見栄えがするように並べて先程手間暇をかけて焼いたハンバーグを載せ、赤ワインを入れた中々手の混んだデミグラスソースをかけて完成である。

 

 

 

 一度手を洗って清潔なタオルで拭き、トレーに載せて厨房から広い食堂の中へと入る。本日は食堂の定休日であったので借りたのだ。

 

 あるテーブルに人2人座っているのを見ると ふっ と笑い、歩み寄る。

 

「出来ましたよ、"あなた"」

 

 一番最初に男の方に料理を出す。それはもう満面な笑みで。その人物は夫のラルフ・フォン・ゲールティエス。空軍大佐である。この前昇進したばかりである。軍系の高級貴族の出であり、およそ1ヶ月前に次期皇帝エリザベートと結婚した人物。

 

そしてもう一人の人物がその場にいた。カタリナ・フォン・クロイツフェルン。エリザベートの妹である。カタリナは姉と違って其処まで料理ができない。朝は適当にパンとコーヒー。昼は普通に美味しい諜報局の食堂で。夜は適当にソーセージと野菜ぶち込んで野菜炒めにポテトをつけたもの。

 喪女とまでは行かないが結構な適当ぷりである。この生活が改善するのは偽装結婚と称して副官と結婚した時からである*1

 

 「お姉様。何故私もお呼びに?夫婦水入らずの方が宜しいでしょうに。」

 

「まぁ良いじゃない。では、どうぞ。召し上がって下さい。」

 

 

 

 

 

 

ちなみにそのハンバーグは好評であった。

 

曰わく

「レストランの味だった。」

「 美 味 し い 」

との事だった

 

 

 

 

 

 

―――――――――

統一暦1923年1月25日

 

「さて、ちょっとやってみますか」

 厨房に立っていたのはエリザベートだった。ちょっと小腹がすいたので厨房を借りて何か食べようと思ってただけである。

 

 取りあえずソーセージにオリーブで焼き卵を入れてみて、ケチャップとチーズを乗せて、なぜか小麦粉で作られた薄い生地をフライパンに入れる。

 

 そして出来上がった物は・・・

 

 

【挿絵表示】

 

 

「 ナ ニ コ レ ? 」

 

「と・・・取りあえずたべてみようかな?」

 

 取りあえずフォークでもぐもぐと食べてみる。味はどうだったのだろうか?

 

「 ク ソ マ ズ イ ・ ・ ・ 何これ?」

 

「あれ?どうしたんです、お姉様。

 ・・・何ですか、このスクランブルエッグのなり損ないみたいな物は。」

 

 そんな所に妹のカタリナが入ってきた。手元にあるフライパンを見て少し困惑気味に見たままの感想を言う。

 

「・・・カタリナも食べてみる?」

 

「は・・・」

 

 ハイもイイエも聞かないがままカタリナの前に差し出す。

 

「じゃ、じゃあ・・・頂きます・・・」

 

 フォークを取って少し口に入れてモグモグする。そして其処まで咀嚼せずに無理やり胃の中に流し込んで、水をコップに注ぎ一気に飲み干した。

 

「頑張ったら吐ける不味さですね!」

 

 これまたいい笑顔で言い放ったカタリナ。

 

「あっ、そうですか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 因みにその訳の分からないレシピは諜報局の尋問用レシピに追加されたとさ。

 

 

*1
このカタリナと言う人物、偽装結婚と言っておきながらしっかりとウェディングドレス着て結婚式を挙げている人物である




「ふん、帝国人は尋問相手に肉を出すのか。・・・うわなんだこの料理、吐くレベルで不味いぞ。」
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