WTクランによる帝国を勝利に導く物語~核抑止とは?~(本編完結)   作:紅茶

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サブタイのまんま






今回は正式に精神的BLタグを回収します。
そのような描写が苦手な方はこの作品を一生開かないよう忠告致します。


1話で終わらせるダキア戦役

 ド・ルーゴが動かない戦線に業を煮やし、囲碁で言う捨て石のようなモノを放りこむ。すなわち

 

―――ダキアを動かせろ――――

 

ダキア大公国。帝国で見ると西方戦線より1300㎞程離れたその国は帝国より南東方向でありフランソワ共和国との戦線である西方戦線よりちょうど真反対だった。

 

 そして、帝国は戦力のほとんどを西方戦線につぎ込んで自身の領土防衛をしている――――

 そう考え、帝国の最も柔らかく、そして効果がありそうな喉元をナイフで突き刺せる場所に位置するとド・ルーゴは考えていた。

 

 考えは明白である。ダキアを帝国の戦争に持ち込ませることによって帝国に2正面作戦を強いることにより戦略を破綻させることである。

 

 もちろんダキアがあの帝国相手に勝てるとは露ほども考えてない。ダキアは帝国を釣る餌であり、捨て石でもあるのだから…

 

―――――――――――

1月21日 統合作戦本部

「ダキア軍が越境した?」

 

 「あれほど分かりやすく、隠しもしない大動員だ。てっきりブラフだと思っていたのだが…」

 

とはゼートゥーアの言葉だが、この場にいる全員の気持ちを代弁していた。

 

「今一度、本当に越境したのか確認させろ。」

 

「失礼する。」

 

 その時、空軍作戦参謀長、そして後ろにはちゃっかりとエリザべ―トも一緒に会議室に入ってくる。

 先に会議室にいた7人の陸軍、海軍参謀はエリザベートが入ってきたと知るや否や一斉に起立し各々敬礼をきめ、エリザベートが座ると敬礼をやめ座った。

 

 自身が座る場所のイスに座ると実はエリザベートの夫だったりする空軍作戦参謀長(空軍大将)は持っていた紙を片手に持って話し始める。

 

「先ほど入った情報ですが、我々空軍が国境付近を偵察したところ、ダキア大公国軍は確実に越境をしたとの事です。」

 

「確実に、ですか。」

 

「はい。」

 

「なんと…まさか攻めてくるとは思いませんでしたから、平常時の防衛戦力しか置いてません」

 

「起動防御するにしても防衛拠点を構築する時間があるかどうか…」

 

「では、我々空軍が少しだけでも足止めを…」

 

 

 

 

 その時エリザベートは薄く笑っていた。見るものによっては恐怖を感じるような薄気味悪い何かを企んでいる悪い顔。

 

 その場にいた全員はそれを見てこう振り返る。

 

「 す ご く 怖 か っ た 」

 

と。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お姉さま、少しご報告が。』

 

『何ですか、カタリナ。』

 

『最近ダキア大公国に動員令が発令されたことを受けて諜報員を向かわせて情報収集をしたのですが…』

 

『うん。それで?』

 

『はい、あの…戦闘機も、魔導士もまともな戦力がないそうです。』

 

『そうなのですか?』

 

『はい、戦闘機はフランソワの旧式であるVG13重戦闘機などだそうで、魔導士もフランソワのそれよりもひどいとの情報です。』

 

『そうですか。』

 

『さらに、配備されている小銃もフランス…いや違いました。フランソワのお下がりのボルトアクションだそうで。』

 

『欺瞞情報の可能性は?』

 

『可能性も無くはないですが、結構ダキア国内では情報駄々洩れでしたので。わざと偽の情報をダキア国民に流した可能性もあります。』

 

『もし本当だったら、ダキア公国の頭は情報戦の頭文字すら知らなそうですね』

 

『ええ。ただし偽情報だった場合…』

 

『ダキア公国は情報戦を知っていることになる。』

 

『ええ。情報に確実性が持たせるようさらに諜報戦を仕掛けることにします。』

 

『よろしくお願いしますね。』

 

『はい、任せてくださいお姉さま。では私はこれで。』

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふふ・・・これは好機だ。」

 

 ワイワイガヤガヤと、敵がどの様な装備をして、どの程度がいると言うことを確認できていないままに対策やドコソコの部隊を迎撃に~と論じている参謀達が、少し様子がおかしいエリザベートに疑問を抱く。

 

 まぁ必然的にエリザベートの顔をみることとなる。

 何時もは淑女らしく優雅に微笑んでいるか、敵をコロコロしたと言う報告をつまらなそうにしながら聴いていたり、時には面白そうに赤い目を輝かして聴いているかのどちらかであるが、この時は違った。

 

 鋭い目をして口角を上げて、少し不気味に微笑んでいた。そう、まるで獲物を前にした肉食獣のような・・・

 

「殿下・・・?」

 

 エリザベートを見た全員がぎょっとするがそんな事は関係無いように、イスから立ち上がり、話し始める。

 

「諸君、現在の戦闘について今は語らせて貰います。

 今の戦争は国家の体力と体力を真っ正面から殴り合う戦いで、簡単に言うなれば、どちらが多くの国家的リソースを保有しているのか。

 それで勝敗が決まると言っても過言ではありません。

 国家のリソースには多趣に渡ることは貴官らが軍大学で学んだ事でしょう。

 

 例えばゴム。ゴムは帝国の優秀な技術者が合成ゴムを作る方法を確立してくれたのであまり心配する必要は無いでしょう。

 

 鉄を筆頭とする、金属類。モリブデン、タングステンなどの希少金属。鉄鉱石に関しては去年負かせた協商連合より輸入する事になっています。

 

 そして、何より石油がなければそもそも戦争は出来ない。

 

 そして、ダキア大公国には油田があります。

 

 

 さて皆さん、私の言いたいことは分かりますよね?」

 

 エリザベート含め、この場にいる全員は軍大学を卒業している、エリート中のエリートである。

彼女が言わんとする事を分かるのは必然であった。

 

「ダキアを2ヶ月以内で吹き飛ばしなさい。法の許すまでのあらゆる手段を使っても構いません。

 

 勿論。『油田付きで』です」

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の朝、ダキア大公国への侵攻作戦(・・・・)が首相に承認され、皇帝エリザベートも承認した。

 

 

 

作戦名は

 

Fall Blau(ファル ブラウ)

 

 日本語で言うところの『青作戦』である。

 

 

 実は首相がこの作戦を承認したのには訳がある。ダキア軍の内情の裏付けがとれたからだ。

 カタリナが本気を出して(諜報局の金をダキア方面にかけたとも言う)諜報戦を仕掛けた事によりほぼ確実な情報手に入れる事が出来たからである。

 カタリナが手に入れた情報は裏付けがとれた以上にダキア軍の粗末さを表していた。

 

―――――――――――――――

1921年1月19日  帝国諜報局

 

「局長、失礼します。」

 

 カタリナはちょうど書類仕事をしていた。

 インクの瓶をあけて万年筆にインクを浸しながらカリカリと書類仕事をこなす。

 横には使われたであろう、インク吸い取り紙もその辺に散らして置いてあった。

 

 

 実はカタリナは今日の朝、諜報局へ出勤するのを見送るついでに「行ってらっしゃいのキス」を夫であるルドルフにして見送った。

 なお、日課になっている()

 

 

 自身がこの世界に転生してはや35年。当初15歳までは男としての精神が残っていた。

 ただ、やはり女の身に転生したせいか、性格でさえも女になっていく・・・いや染まっていく。それを実感したのは、いつ頃だったか・・・

 

 局長補佐の声を聞き思わず眦を下げてふんわりと笑ってペンを置く。

 

 

 そう、実感したのはルドルフと結婚してからかな。

 

 16になり、お祖父様にカタリナも結婚しなさいと言われ、取りあえず身近にいた私の補佐をしていたルドルフに偽装結婚を持ちかけてみた。

 そうしたら、普通に承諾されて周りにはカタリナ殿下も結婚するのかと大盛り上がりされて周りがあれよあれよと言う間に準備を整えて。

 そして結婚式を挙げることになってしまった。

 結婚式には諜報局の主要なメンバー、元501FG隊員や親戚が集まり盛大にされた。

 ただ・・・良かった。そう思ってしまった時点で、女に染まってしまったんだと思う。

 

 何だかんだあって私はルドルフにお腹を膨らまされ、娘3人を拵えてしまった。

 だけども彼を愛しく思うのは・・・あのターニャが言っていた存在X。

 この世界では『神』と崇めているモノの存在の所為なのか。

 それとも、私がそうなるべきだというFate(運命)だったのか。

 それは分からない。

 ただ、おおよそ元501FGで現世では女として生まれてきた人達は同じ様になっている。

 各々、自身の夫と出会ったきっかけは違えども、私も、姉のエリザベートも、レナも、カリンも、皆がそれぞれの夫を愛しているのだから。

 

 だから私は彼の事を愛してやまない。

 かつては男だったとしても。

 

 

 

 

 

 

 ドアの方へ目線を向ける。

 

「どうしましたか?」

 

「ダキアの件です」

 

 すると、カタリナは身内しか見せない緩みきった顔を引き締めてとりあえずは報告を聞く事にしたらしい。

 ただ自身が自然に緩みきった顔をしていることを余り自覚していないが、彼女は仕事になると自然と引き締まるのである。

 

「ダキアの情報ですが、あれに裏付けが取れました。そしてこれが情報分析管の報告です。」

 

 報告書と言うには普通のレポートのようなものになっているが。

 

 レポートには情報を分析したことによると、どう考えても魔導師の情報も航空戦力の情報も出てこなかった。

 それもそうだろう。魔導師に必要な宝珠は生産出来るのは大抵は列強諸国でそこら辺の国が作るのは難しい代物である。

 

 また、航空機の有用性は帝国が示したばかりであるが、ダキアには航空機をもし買ったとしても維持できるような産業基盤が無いのだ。

 

 そもそもパイロットが居ない。

 

 ならばと、航空機を無理して導入しようとするとそれには整備人員や派遣パイロット、更に自国パイロットの新規育成まで、全部セットで行えるだけの金を払う必要がある。

 

 日本は戦争に負けた敗戦国とは言え、その産業基盤は十分整えられていると言っても過言ではない。

 日本には航空機を生産する重工業会社が多く存在し、現在の最新技術の塊であるジェット戦闘機等をライセンス生産するほどの工業力は保有している。

 現在そのような事ができるのは数える程しか居ないだろう。

 

 

 話を元に戻す。

 

 今の所、宝珠を生産できる国というのは限られている。列強位しか生産していないのだ。

 そんじょそこらの小国には生産は不可能だと言えよう。

 

 よってダキア軍には航空戦力は皆無に等しいのが実状であろう。

 侮って痛い目に合ったのは日本の零戦が登場した頃のアメリカと言う例があるが、この場合ダキアは第二次どころか第一次世界大戦頃の日本の工業力より劣っていた。

 

 

 

 そして話は次の話題に移る。

「ダキア軍があれだけの大増員をしましたが、それはただ下士官が増えるだけ。」

 

「下士官は増えても士官は時間をかけないと育たないものだからね。」

 

「ええ、増やそうと思って簡単に増やせるものじゃない。ですからダキア軍は慢性的な士官不足にあると考えられます。」

 

「それで統率はとれるのかしら?」

 

「ほぼ不可能でしょう。とろうとするならば、中世のように戦列歩兵になってしまうかも?」

 

「さすがにそれは・・・」

 

「とりあえず、報告終わりました。さて・・・」

 

「?」

 あざとく首を傾げる。

 

「はぁ・・・今日の晩御飯はどうしますか?」

 

「あぁ・・・うーんと・・・取りあえず何時もので!」

 

「分かりました。」

 

 そのまま部屋を出ようとするルドルフに、少し寂しくなったカタリナちゃんは思わず呼び止めてしまった。

 

「あ、ちょっと・・」

 

「何でしょう?」

 

「えっと・・・」

 カタリナちゃんは取りあえずイスから立ち上がりルドルフの方に近づき、頬に一つのキスを落とした。

 

「はい、私の夫何だから。頑張りましょ?」

 

 ルドルフは絶句する。何故なら、カタリナちゃんは余りこのような事はしないからである。

 ルドルフはカタリナと結婚し、既に娘が3人いたとしても、結婚から早10年以上が経ったとしても、ふとした拍子に自身の妻に惚れるのだ。

 

 

 

 

 

 

 1月22日、空軍は主に帝国の南東地域*1を担当する第4航空軍のほぼ全ての作戦機がかき集められる。

 騎兵戦闘車や歩兵戦闘車を中核とする陸軍第7師団を空軍輸送機20機程でピストン輸送し、ダキア方面に戦闘車を速達していた。

 

 

 帝国南東部に駐屯する帝国陸軍第4師団にも出撃命令が下る。

 

 第4師団は通常の機動歩兵に歩兵戦闘車をセットにした3個連隊、戦車1個大隊、機甲偵察大隊、砲兵大隊、工兵大隊等やそれらに付随する後方部隊を含めた帝国の一般的な陸軍師団である。

 

 空軍、陸軍共に4日以内までに素早く展開を終了し、作戦日を待つのみとなった。

 

 一方ダキア軍はと言うと、全く抵抗が無いのに疑問を覚えながらも侵攻を続けていた。

 

「国境線を侵入して速くも4日。もしや帝国は共和国の言うとおり防備を此方に裂けて無いのでは?」

 

 ダキア軍司令部ではそのような言葉が最近4日の間に飛び交っていた。

 

「相手はあの帝国だぞ?西方では強力な防衛陣地を作って共和国軍を防いでると専らの噂。

 

 帝国は4日で防衛陣地を何とか作り上げようとしているのではないのか?」

 

 ただ、彼らは解って居なかった。自分達と帝国との戦力がどの様に違うかを。

 それは身を持って知ることになるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 1921年1月26日、帝国の『青作戦』第1フェーズ。ダキア軍先鋒60万を壊滅させること。

 

 帝国の戦闘攻撃機Ta152G-6がダキア軍を発見したのは9時53分だった。

 

「ルーデル、今回はラインとは違って楽そうな任務だ。ライン辺りは飛んでいると敵戦闘機が飛んできたが、敵戦闘機が飛んでくる気配すらないな!」

 

「・・・そんな事より共産主義者共を殺せないか?」

 

「その内赤共とは戦争になる。それまではのんびりと爆弾落とすとしようじゃないか。」

 

 Ta152G-6の戦闘攻撃機編隊60機はTa152H-1の上空援護を受けながらも対地攻撃を開始する。

 

 ひとまずダキアの20万位の戦列歩兵っぽい集団に1トン爆弾と500kg爆弾2発を叩き込むと一気に吹き飛ぶ。

 それを60機一斉にやるものだから、合計60万の軍が吹き飛ぶのも時間の問題だった。

 

 第1フェーズ、航空戦力でダキア軍先鋒を叩き潰す~終了~

 

 第2フェーズ、油田の占領。

 迎撃機、高高度戦闘機であるTa152H-1を使い確実に制空権を確保した帝国は戦術輸送機を空域に飛ばし、遥か後方の油田に特殊部隊を空挺降下させ、占領する。

 戦術輸送機には海軍特殊部隊、空軍特殊部隊各1個小隊、合計2個小隊が乗っていた。

 何故陸軍特殊部隊が居ないのか。それはただ単に陸軍の特殊部隊が無いからだ。

 未だにどの様な任務にするか、設立するならばどの様な訓練をするか、特殊部隊の必要要項をどうするかなどで未だに議論されている(争っているとも言う)のが実状であった。

 

 内部で争っている陸軍を後ろ目に、海軍と空軍はさっさと特殊部隊を設立してしまった。

 

 海軍はいつもは影が薄い事を懸念し、陸空海問わず任務を行う事とした。任務は偵察任務、敵後方の破壊活動など。

 空軍は偵察、戦闘捜索救難などである。

 

 

 

 

 ダキア上空を高度4000mという比較的低高度で堂々と飛行していた航空機がある。帝国空軍戦術輸送機EKC-1戦術輸送機が飛行していた。それらに乗り込んでいたのは空軍第10航空団第105特殊作戦コマンド第1大隊より12人、海軍特殊作戦コマンド第3大隊より12人が乗っていた。

 輸送機一つでの飛行であるが、4000mの低高度で飛行していたのには理由があった。

 空挺降下をしやすくするのと、制空権が完全に取れており、魔導士の奇襲の可能性もあるが魔導士の最大到達高度は今の所およそ4000ftである。4000mと4000ftだと4000mのほうが圧倒的に高度が高い。よって魔導士による奇襲も不可能である。

 

 

 今回は空軍、海軍の合同特殊作戦である。

 作戦立案の際、出された案は当初空軍のみの作戦であったが、海軍がこの機会にと合同特殊作戦を提案。平時より合同訓練を行い、現場間では知り合いも多かった。

 そして、統合作戦本部内に設置されている統合特殊作戦本部がせっかくあるのだから利用する手はないだろう。そういう事だった。

 

 

「降下十分前です!」

 

「総員、立て!」

 

 全員の前で指示を飛ばしているのはサラ・フォン・フート空軍少佐。

 サラはカリンの長女であり、現在17歳。

 母親の血を完全に受け継いだようで、空軍士官学校では優秀な魔導士として認識され、3年前には魔導士レンジャーを取得。

 着実に母に近づいて行っていた・・・ 

 

 

 海軍、空軍の特殊部隊総勢24人が一気に立ち上がり、お互いの装備チェックに勤しむ。

 

 その後、機体外に次々と飛び、降下をしていく。

 

 

 4時間後、油田は帝国によって占領された。

 

 第2フェーズ、油田の占領~終了~

 

 

 

 

 

 第3フェース ダキアを地図から消す。

 

 ダキア侵攻。第4師団のみでの侵攻作戦となるが、その侵攻を阻めるモノは存在しなかった。

 ダキアがそもそも攻めるつもりだったのに、いつの間にか後方の油田が占領されてて、攻守が逆転して異常なスピードで侵攻してくるのだ。

 

 なんとか防衛しようと師団を送りこんでも、帝国の侵攻を阻む事は出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――2ヶ月後、ダキアが正式に地図上から消滅した――――――――

 

 

 

 

 

 

「ダキアについては、予定のスケジュール通り順調に統治体制構築が進んでおります」

「そうですか。後々でレジスタンスになられてもこちらが困るので旧ダキア国民には寛容に。」

「はい、それは首相からも言われております。」

「じゃあいい。」

 

「あの、実は・・・」

「? 何かあるのか?」

 

帝国外務大臣が発言する。

 

 

「ルーシー連邦から『分割線』の再協議依頼が…」

 

 

 

 

 

「 ま た か ! !」

 

 

 

 

 

思わず皇女と軍人たちが叫んだが、仕方がないことだろう。

 

「頼んでもないのに援軍派遣を申し入れてきて領土をよこせと要求し、しかも『切り取り次第』と言ってきたくせに何を言うか!」

 

と言ったルーデルドルフのこの発言に全てが表されているだろう。

 

 

 

「はぁ…。もうすでに譲歩しているだろう。これ以上は無理だと伝えて、お引き取り願おう」

 

「無論、そのようにしておりますが…」

 

「連中、よほど油田が手に入らなかったことが悔しかったと見えますな」

 

「そうでしょうね。・・・カタリナ。」

 

「はい、お姉様。」

 

「そろそろ潮時です。あの赤共の土地を分割し、同盟国を作る準備をしてください。」

 

「分かりました。」

 

 

 

 

 

「あの・・・それはどう言う事でしょうか?」

 

「ふふふ・・・それは未来のお楽しみですよ。」

 

 

 

 

 

 

 ルーシー連邦との開戦は意外と近い。

*1
ダキア大公国との国境沿いを含んでいる




赤の共産主義国の始末は既に決まっていることです。

実はその先の朝鮮戦争のことまでプロットがあったりして・・・
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