WTクランによる帝国を勝利に導く物語~核抑止とは?~(本編完結)   作:紅茶

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エリザベートの華麗な日常(笑)

 唐突で申し訳ないが、皇帝の一日はどうなっているのだろうか。

 

 

 一日優雅な生活?それとものんびりとした生活?

 

とんでもない!

 

 

 

 皇帝エリザベートの朝は早い。

 

 大抵は5時前には目が覚め、5時ちょうどにメイドが起こしに来るのでそこで皇帝は朝5時に起きたことになる。

 ついでに夫のラルフやエリザベートの娘3人も一緒に起こされる。

 

―――――――――――

1924年2月7日 帝国首都 ベルン王宮

 

 エリザベートは夢を見ていた。

 目の前でどこかの国の首都、そして港湾が焼かれていた夢を。

 

 ただしその炎はただの炎ではない。

 空襲であるならばもう少し違うのだろうが、この炎のきっかけは核。

  

 核によるきのこ雲が至る場所より発生し、そしてあらゆる場所が更地に近いことになっていてパチパチと燃えていた。

 

 人は誰一人見えない。

 

 

 エリザベートは燃えている街の中を一人彷徨う。

 

「これはいったい…?」

 

 しばらく彷徨うとこの場所が分かる場所にたどり着くと思いあっちへ、こっちへ歩いてみるが、人一人合わず知っている建物の輪郭があるわけでもない。

 

 ただ、エリザベートはこの街の雰囲気というか、知っている道構造ではたと理解した。

 

「この道、どっかで見たことあるな。もしかしてこの街はベルンか!?」

 

 なぜベルンが核によって焼かれているのか、それはわからない。

 

 エリザベートにはよく分からなかった。

 

 

「お母様…」

 

 どこか遠くで聞いたことある声が聞こえる。

 

 

 

 

 

「お母様!」

 

 

 身体をゆすられて、私が産んだ娘の声が聞こえ、遥か遠くに飛んでいた意識を覚醒させようとして目を開けると。

 

 心配そうに私の顔を覗き込む娘3人と夫がいた。

 

「どうしましたお母様?凄く魘されていましたよ?」

 

「…夢を見たんですよ。悪い夢を。」

 

 あの夢…核が出てきたのは前世で核で死んだからなのだろうか?

 

 ただ、前世の私は核で死にそうになっても何の感慨も得たわけでもなく、何も感じなかった。

 そして、今世の私は前世の私の死に方に別に不満を抱いているわけではない。

 

 

 ただし、あの夢は嫌な感じがする。

 

 

「今、何時頃ですか?」

 

「えーと、もう少しで日の出なので5時前かな?」

 夫が閉められていたいたカーテンを捲り、外の様子をみて答える。

 外は少々曇っているようで暗そうだった。

 

「そうですか。…心配させましたね。」

 

 

「君が魘されるのは珍しいけど…最近疲れてるのか?」

 

「いえ、そんな事はないと思いますが、あなたのほうが疲れているのでは?」

 

 夫、ラルフ・フォン・クロイツフェルン。

 婿入りする形で私の夫になり、かつては空軍大佐かそこらだったのですが、軍大学で参謀過程をトップで卒業した彼は、ほとんど自身の能力で空軍大将まで登り空軍作戦参謀を務めています。

 

 毎日空軍作戦室に詰めており、帝国3軍の統合作戦本部に重要な案件が舞い込んだ時についでに私の顔を見に来る夫は、フランソワ共和国と現在戦争中であるため相当多忙なのですが。

 

「疲れはするけど、問題はないね。」

 

 とまぁ少々家族5人でベッドの上で話をしていると扉が3回ノックされる。

 

「失礼します。お目覚めの時間でございます。」

 

 メイドが起こしに来るのはちょうど5時。

 

 という事は今5時ちょうどという事だ。

 

 そして、私の一日が始まる第一声でもある。

 

 

 家族5人揃ってモグモグと歯を磨き、ボーっとしながら顔を洗って、自室に戻るとメイドが控えていて髪をセットさせられ、そして薄く化粧を…はかなくても十分自身の肌は白いので普通に化粧水を付けられ、皮下ていたメイドに着せ替え人形にさせられる。

 

 

 鼻を押さえながら30分ほど自身の君主を着せ替え人形にした危なそうなメイドが、今日の自分が納得がいくエリザベートの姿を見てついに赤いモノを鼻から垂らす。

 が其処は宮廷のメイド。

 

 スッと目をそらすと素早く取り繕ったようで。

 

「どうかしたの?鼻から血を垂らしちゃって。」

 

「いえ、殿下が美しいからいけないのです。」

 

「?????????????」

 

 エリザベートは何か嫌な悪寒が背に走ったが気にしないことにした。

 

 そのメイドは同じように鼻からツーっと血を流しそうになりながらエリザベートの娘の3人。

 クリスティアネを最初に大切なものを扱うように一枚一枚夜着を剥がし、あらかじめ帝国の帝室予算で買われている裾の長い白いワンピースを着せて(*´Д`)ハァハァさせている。

 

 何か娘が毒牙にかかりそうですが、いまだ手を出そうとしてないので良しとしましょうか。

 

 その後はいろいろ危なそうなメイドがどんどん娘たちに服を着せていく。

 

 私を着せ替えさせた時間が何だったのかというくらいには意外と早く着替えさせていた。

 

 まぁ簡単に言うと私の着せ変えが30分、娘が10分ずつ。計一時間である。

 

 

 ようやっと着替えが終わり、朝食である。

 

 昔はそれなりに豪華であったらしいのですが、私が皇帝になったときに料理人の負担を減らす為周りからは意外と質素だと思われるくらいの朝食にしています。

 

 朝はトーストにコーヒー、野菜のムニエルにブルストといったところです。

 

 家族全員に同じような朝食ですが少々違うものです。

 飲み物が少々違うくらいでしょう。私と夫は紅茶、娘3人はコーンポタージュです。

 

 18歳にもなってクリスティアネは紅茶だという気分ではないそうなので。

 

 そこは父親に似たのだろう。

 ラルフと結婚することになり、少々男女としての付き合いをしていた時に知ったのだが。

 

『俺?俺は甘いもの好きだな。逆に苦いものが嫌いだね。

 

 ブラックコーヒとかは飲めないね。』

 

 と言っていた。 

 

 私は9歳ころは何故か普通に飲んでいたのだけれど、大人になるにつれて嫌いになってきて結局コーヒーは飲まなくなってしまいました。

 

 偶然というべきなのでしょうが、食べ物の好みが合って少々うれしかったのは秘密です。

 

 

 

 

 

家族全員で食卓を囲い、家族5人での朝食を食べ終わると今日のやるべき事柄(ミッション)を達成するために夫が準備をして空軍参謀本部に出庁する準備を始めます。

 

 私が夫のクローゼットから空軍大将の襟章がついた空軍将官制服を取り出して、とりあえず着替えさせましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 エリザベートは夫ラルフを甲斐甲斐しく着替えさせる。

 着替えは結婚当初から初め、何かと10年以上は続けているものだ。

 

 しかしなぜ当時そのようなことを始めたのか。それは…

 

 

「ねぇ、エリス?」

 

(エリスはエリザベート御付きのメイド)

 

「はい、なんでしょうか陛下。」

 

「結婚すると家族という事になるのよね?」

 

「はい、おっしゃる通りでございます。」

 

「結婚して、ひいては家族の異性にするべき事って何かしら?」

 

「…それを私に?」(エリスは未婚である。)

 

「うん。一般的に言われていることでいいから。」

 

「はぁ…とりあえず家から夫を送り出すときに玄関でキスする『行ってらっしゃいのキス』、寝る際にする『お休みのキス』、そして旦那様を甲斐甲斐しくお着換え差し上げる事くらいですか、思い浮かぶモノは。」

 

「ふーん。ありがと。」

 

「いえ。」

 

 

 結婚直前にとあるメイドとエリザベートそのような会話があった事もあり、彼と結婚して初夜というモノを過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに帝国の王族の初夜は基本誰かに見られます。私も見られました。

       ※カタリナちゃんも結婚時に信頼できるメイドに見られました。

 

 

 

 詳細はというと。

 

 中世から続く伝統的(笑)な風習で、帝国が建国される前からこの地の王室にはそのような風習がありました。

 風習というモノはなかなか消えないモノで、形を変えながらも存続しているものです。

 

 帝国王室の場合、基本見る人物は信頼できる女性でかつ身分の高めな使用人でありかつ、主人が信用している人物であることです。

 

 そして、初夜を誰かが見るという事は、この結婚は正式でかつ完成されたものを誰かが立証するために行われるという事が保証するという事が名目で行われているそうですね。

 

 まぁ、高貴なる者の宿命というモノです。

 

 さすがに私には見られて喜ぶような性癖ではないので初夜はもちろん緊張という文字だけでは足らないほどに緊張しました

 

 カタリナは初夜を見られることについて、そこまで深く考えていなかったそうですね。

 カタリナ本人が私に初夜の詳細を語ってくるくらいなのですから。

 

(私、一瞬妹のことを相当な特殊性癖の持ち主だと思ってしまいましたが、本人に聞くとそうではないそうで。)

 

 

 

 

 

 

 と、とりあえず、しょ、初夜の話はこれで終わりです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 話を元に戻す。

 エリザベートが甲斐甲斐しく夫の着替えを手伝った後は無駄にでかい玄関で夫に『行ってらっしゃいのキス』を頬に落として、行きの公用車に乗り空軍参謀本部に向かう夫を見送った。

 

「陛下。」

 

「分かっています。」

 

 

 夫を見送った私は体の向きを変えて執務室へ向かう。

 

 執務室には既に用人が待機していて机には今日するべき公務の山が積みあがっていた。

 

 といっても2㎝位の紙の山だが。

 

 

「さ、始めましょうか。」

 

 インクの瓶の蓋を開けて、愛用の万年筆を取り、最初の一番上にある書類をとり目を通したのちに承認のサインを丁寧に描く・

 それをひたすら繰り返していく。

 このような公務は一週間のうち4∼5日あって、他の日は統合作戦本部で将軍や参謀の報告をじかに聞いてたりする。

 

 

 

 ただ、積みあがっていた書類をすべて認可し終えた時、用人が蝋で封をされた封筒を持ってきた。

 

 ずいぶん分厚いものだが、それもそのはず。

 

 

「陛下。軍より部外秘の書類承認があります」

 

 西方戦線での次期決行作戦だからだ。

 

 

 次期作戦は『黄色作戦』である。

 

 すなわち、フランソワ共和国電撃侵攻作戦。

 

 この作戦立案には私も携わったわけなのだが、今回の作戦はいつもの帝国軍ではないようなことを行う(かもしれない。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この作戦は統合作戦部隊によって行われ、陸軍、海軍、空軍、そして帝国最精鋭の近衛第2師団が参加する物となる。

 

 統合作戦部隊の編制は帝国では初めてであるので皇帝の名により編成され、統合作戦本部が指揮する。

 統合作戦本部の議長は皇帝エリザベート、副議長がカタリナと現在は結果的に言えども帝室が担っていることになっている。

 作戦指揮は統合作戦本部が行うことになっているが、指揮はカリン近衛中将(一か月前に昇進した)の夫であるエルンスト・フォン・フート近衛大将が取る。

 

 統合作戦本部は陸、海、空、近衛が基本並列で組まれていて、その議長として皇帝エリザベート、副議長は諜報局トップのカタリナとなっている。

 そして帝室がトップ2と並んでいるために実質の作戦指揮をとれるNo.3を決める必要があった。

 それでできた役職が統合作戦本部参謀長である。

 

 そして、統合作戦本部参謀長は現在、エルンスト・フォン・フート近衛大将である。

 

 

 ただ、前線指揮に関してであるが、方針を大まかに決めた後に陸、海、空、そして近衛などがそれぞれ作戦を指揮する事になる。

 

 

 

 

 

 

 ここで近衛について説明しよう。

 

 近衛は一般的に国王に直属し警衛する帝国となると若干毛色が違ってくるが一応は同じ物である。

 

 帝国の近衛というのは皇帝の直属の部隊であることは想像がつくだろうが、この帝国では成り立ちが特殊である。

 帝国を誕生するとき、初代皇帝が周辺諸国をぶっ潰して平定して回ったのであるが、その際近衛を皇帝が直接率いて周辺諸国を平定したのだ。

 

 すなわち、近衛は皇帝が直轄する軍事組織である。

 

 

 

 

 そして帝国には近衛が二つある。

 

 近衛第1師団。

 宮廷や、首相官邸の警備を行い、首都などの主要防備の任務に就いている。

 

 近衛第2師団。

 これは先ほど述べたように、近衛を皇帝が直接率いて周辺諸国を平定したことからの名残で帝国3軍の最精鋭が集まる実戦部隊である。

 その性質から、帝国の軍事組織の中でも最精鋭の人材が集まりやすい

 

 

 そして、どちらも帝国でも精鋭の人材が集まりやすい部署であるため、近衛に配属されるということは帝国軍人にとって一種の名誉だそうだ。

 話が長くなったがそろそろ終わる。

 

 近衛の第1、第2師団に絶対的に優劣はないが、近衛は皇帝が直々に直轄しているものであるため、近衛第1、第2師団を統べる各師団長を務める者は帝国3軍では各軍の大将などに相当する。

 そして近衛の計2個師団すべてを統括する近衛軍団長が存在する。

そしてその近衛軍団長がエルンスト・フォン・フート近衛大将であり、そして現在彼は統合作戦本部参謀長をも務めている。

 

 ちなみに本人曰く激務であるとの事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この『黄色作戦』は自分が作戦立案に携わっているので大した面白みもありません。

 

 間違い探しのようなものであるが、間違いは一切ないのでつまらないです。

 

『黄色作戦』には、後に高確率で行われるであろう、フランソワ軍の一部が連合王国に離脱する可能性もあるために情報が入り次第、海上での殲滅作戦が行われる予定です。

 

 ですが、海軍は空母が3隻揃ったものの、艤装が旗艦グラーフツェッペリンは終わりはして空母運用実績がある秋津洲より教官を呼んで海上訓練はしているものの、残り2隻は艤装完了を迎えていないために空母は投入できそうにありません。よって、戦艦と重巡を中核とした水上部隊と空軍の航空戦力、そして陸軍の航空魔導士、そしていろいろな罠にかけて殲滅することになっています。

 

 

 

 

 

 

「承認っと。封蝋して…ヨシ!………じゃなかった。

 

 良し。」

 

 

 これで今日のすべての公務が終わりました。

 公務は娘のクリスティアネもするようになったのでこれでも楽になったのですよ?

 

 もう日が傾いてますね。

 

 

 さて、公務が終わったら、愛しの夫が帰るまで待つとしますか。

 

 と言う訳で、ベッドに寝っ転がって夫の上着の匂いをスンスンと嗅ぎながら夫の帰りを待つとしましょう。

 

 ・・・娘のクリスティアネが信じられなそうな目で私を見ていますがいつものことなのでスルーします。

 

「お母様・・・」

「あなたも分かるようになるでしょう。私の娘なのだから。」

「いや、分かりたくないです。」

 

 私の娘なので、絶対分かる時が来るはずです。

 趣味思考、性癖は遺伝します(大嘘)

 

 

 

 4時間後に夫が帰ってきました。

 

 

「お帰りなさい。お風呂にします?夜ご飯にしますか?それとも…ふふっ」

 

「ご飯で。(無慈悲)」

 

「はうっ…」

 

 容赦なく撃沈されますがこういうのも良いのですよ。

 分からないですかね?

 

 

 

 夫が帰ってきたら娘3人、夫と私でのんびり食事を取り、お風呂に入って寝るだけです。

 

 結婚からかつて逃げていた私ですが、なぜか夫を好きになり、愛し愛され幸せです。

 できればこの生活が続きますように。

 

 

 そういえば朝起きた時いつの間にか夫の腕を抱き抱えていたりします。

 娘3人は私たちを中心にして寝ているのですよ。

 

 好きになった夫との間に出来た娘はやはり可愛いですね。

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