WTクランによる帝国を勝利に導く物語~核抑止とは?~(本編完結) 作:紅茶
コクスアイデ空軍基地
コクスアイデ基地に2機のロービジ迷彩を施された双発の機体が降り立った。
特殊部隊を載せた双発の戦術輸送機EKC-1輸送機が降り立った。
その輸送機はそれなりに大きな機体の割に短い滑走距離で着陸した。
プロペラ機特融のプロペラピッチを逆転することによる
ハッチより今朝出撃した特殊部隊が出てきた。
特殊部隊の任務は制空任務だけではなかった。
制空任務は空軍特殊部隊が行い、海軍特殊部隊が上空より味方海軍の観測を行っていた。
すなわち、帝国海軍が奇襲とはいえたった一斉射の砲撃で駆逐艦1隻を海の暗いそこにぶち込んだ理由が其処にあったわけである。
簡単に言えば、フランソワ軍離反軍は上空の制空権を失っている時点で負けていたのだ。
さて、この後の彼らの予定は基地のある場所で戦闘後のブリーフィングである。
帝国空軍空軍基地コクスアイデ空軍基地の一室
「さて、諸君らの類稀なる奮戦、活躍、観測により味方の攻撃で敵を粉砕せしめることができた。
諸君らの奮戦に感謝する。
敵の卑劣な攻撃から一週間、我らの反撃は未だ序盤である。」
そう話すのは今回の作戦で臨時に指揮を執っていた帝国海軍エレナ・フォン・シグラ少尉だった。
彼女の髪は返り血が飛び散っていて、特別に支給されている拳銃弾程度なら防ぐことができる比較的軽量な防弾ベストにも当たり前のように転々と返り血が飛んでいた。
先頭で返り血を浴びるには近接戦闘でしかないのが普通だと思うのだが、そもそも帝国魔導士に近接を好んでする人物など一握りしか存在しない。
※皇帝エリザベート,カリン近衛少将とその娘達,ナスターシャ空軍准将とその娘達ぐらいが近接戦闘を得意としている。
彼女はナスターシャ空軍准将の娘で普通に胸部装甲もあるがほとんどが筋肉じゃないかな…?っていうくらいの鍛え方をしている人物。
母のナスターシャの影響を受けまくりこうなってしまったが、一応年相応な性格をしている(という噂)
結構頼られている人ではあるが、その頼っている部下もなかなかの熟練者ぞろい。
化け物小隊である。
「私たちは敵に一切の容赦をせず、敵を殲滅する。
では、ブリーフィングを始める。」
……先ほどの演説は前座だったようだ。
ともかくブリーフィングが始まった。
あーでもない、こーでもない。空軍海軍垣根が本当に内容に見えるこの場。
実は相当ピリピリしている。
なぜか。
まぁ一応同じ特殊部隊であるので対抗心を持つのは人間の性ってやつだろう。
ブリーフィングは小1時間ほど続き、今度は空軍の方から締めくくりを行い作戦は正式に終了となった。
あとは空軍と海軍士官が戦闘詳報を書き、終わりである。
実は、今回は帝室は膨大な財産を保有している。
え、初めて聞いたって?
そりゃあそうだ、初めて説明するんだもの。
さて、われらが皇帝エリザベートちゃんは転生者である。
若干は歴史が違うが、実は細かいところは元の世界と同じ出来事が起きていた
統一歴1897年に合州国で起きた株価暴落事件、モルガン・グループとクーン・ローブ・グループの戦い”ノーザン・パシフィック事件”はシカゴ・バーリントン・アンド・クインシー鉄道を自社の影響下にしようと株の買い占めを画策したハリマンのユニオン・パシフィック鉄道とモルガンのノーザン・パシフィック鉄道の争いから始まり、ノーザン・パシフィック鉄道が勝利して幕が降りた事件だ。
ただ、諦めきれなかったクーン・ローブ・グループのハリマンがモルガンの持つノーザン・パシフィック鉄道の株式を密かに買収しようとして、75万株近くを買い占めそれに気づいたモルガンも買い占めに走った結果、異様な出来高に成った。
元々ノーザン・パシフィック鉄道株は150万株でしか無い中でハリマンもモルガンも秘密裏に買い占めをした為、市場には買い占め情報が流れること無く、株価だけが異様な上昇をしていった。
それに乗ったトレーダーや資本家が、株価の下落を見越して次々に空売りしたが、売るそばから株が買われてしまった結果、一ヶ月ほど前は50$程度だった株価が木曜日の大引け前に1000$を超えた。
しかし、既にそれ以前にハリマンとモルガンにより市場の殆どの株式は買われていた為、実際の株は殆ど残っていなかった。そして空売りと空買いだけで、株価が動き結果的に株価が下がらなかった事で、トレーダーや資本家が支払いのために持ち株を売りまくり、結果的にアメリカの株価が一気に30%も下落した。
これはアメリカの株価総評価額35億$が25億$に下がるほどの事件で、これが引き金の恐慌が起こり多くのトレーダーや資本家が破産し”暗黒の木曜日“と言われるようになった訳だ。
その時、皇帝エリザベートちゃん(当時は皇女エリザベートちゃん)は半年以上前からノーザン・パシフィック鉄道株を50万株も密かに買い集め木曜の大引け前に一気に売り出していた。
結果的に買値2500万$が売値5億$にまで化けた。
さらに、連合王国が起こした南アフリカでの戦争…
『ポーア戦争』
ボーア戦争で連合王国が戦費2億3000万£も使い、経済的に青息吐息だった普通予算に充てる外債1億£分の債権権利、当時皇女だったエリザベートちゃんは“ポンッ”とそれらをあっさり立替えちゃったのである。
実は皇帝エリザベートちゃんは頭がおかしいほどの金持ちと言ったところである。
エリザベートちゃんは何も直接取引しているわけではない。
エリザベートちゃんが軽ーく証券会社の株の90%を保有してるいわゆる、
“息のかかった証券会社”
を通じて取引している。
そのおかげで、どの株が、どの債権をたどってみるとその証券会社に行きつく。
そしてその証券会社がエリザベートちゃんの株取引の窓口でもあるのだ。
まぁ、まとめると
連合王国、フランソワ共和国、合州国、イルドア、秋津洲等の各国株70億$、債券で30億$分を持っている。
合州国は株取引市場の総額80億$の40%である32億$分の株券を保有し、その他各国株券38億$、連合王国の債権1億£債権を保有、秋津洲の外債5億$分を保有、さらには合州国政府の外債7億$、自国帝国の債権(国債)を1億$分、イルドアの債権4億$分、その他、共和国などの核国家の外債を保有している。
はたまた、株取引などで荒稼ぎながらも慈悲深いのか何なのかわからないが、自国への先端技術へ積極的に投資をしている。
例えば、帝国のレーダー技術やコンピューター技術の根幹となったゲルマニウムトランジスタを推進したのも彼女で、あっという間に最新だった真空管技術を過去の技術にさせ、真空管を用いたラジオやレコードなどを帝国内で普及させた引き金を引いたのがエリザベートちゃんだといっても過言ではない。
見返りもまぁ相当なものでエリザベートちゃんが30歳になったときにはおよそ1.7倍の数で帰ってきたという。
彼女はそれだけでなく冶金やマザーマシン等の基礎根幹技術にも目を向けていて、年利2∼3パーセントではあるが確実に儲けてはいるらしい。
彼女が色々やり始めたのは8歳程のときで,そこから帝国はGDP(国内総生産)のプラス成長をし続けている。
その成長率は欧州トップである。
ちなみに…帝国は資源がないというのは誤解である。
石炭が異常な程とれ、そして民間の需要を答えることができ、平時であるならば軍隊の¥が消費する分の鉄鉱石を産出し、誤差ではあるものの石油も一応は産出する。
ただし、誤差レベルであるので異常な程取れる石炭を液化する液化石炭の技術を昔から行っていて、その副産物である合成ゴムを生産する。
その合成ゴムの技術は年々上がっていて、Ta152の燃料タンクの防漏用被覆や密閉されるコックピットのパッキン等々にも使用されている。
ほかに、モリブデン、タングステン、クロムは太平洋の植民地や国内でも産出し、そこまで輸入に頼らなくても済んでいる。
そんな帝国のGDPは495億$。
合州国のGDPは963億ドルといつもの化け物っぷりを示している。
ちなみに、連合王国は315億$、共和国は162億$、イルドアは162億$、秋津洲は201億$のGDPである。
合州国のキチガイは置いといて、帝国は資源を輸出しなくてもなぜそのようなGDPが高いのか。
資源は輸出もできないが輸入はとりあえずしなくてもよい環境ではある帝国。
と言うが、GDPはそもそも何なのだろうか?
一応筆者もミクロ経済学、ケインズ経済学を代表としたマクロ経済学をかじった事が有るので一応説明はできるますが、間違っているかもしれないので詳しいことを知りたくなったのなら元7帝大…(北海道大、東大、東北大、京大、九州大、名古屋大、大阪大)の経済学部に進学することをお勧めします。
少なくとも下手な大学の経済学部は質が落ちているとのうわさがあるので…
唯一ちゃんとしているのは元帝大やちゃんとした国立大くらいだそうで。
閑話休題
国内総生産、すなわちGDPは中間利益を差し引いた付加価値のことで、原材料の値段から最終的な物品の値段(経済学では品物にあたるものを財と言う。けど詳しい定義は全然違うので知りたかったら勉強してね☆)を引いた付加価値の合計ともいえる。
GDPの計算方法は国内の全消費の金額と国内へ向けての投資、政府が国内へ向け支出した政府支出、そして他国との貿易でどれだけ利益を得たかの貿易利益の総和で計算される。
そして、そのGDPは名目のGDPでしかなく、そのGDPは物価によって左右される。
そして物価の増減の影響を差し引いたのが実質GDPで、その上昇率を実質経済上昇率という。
例えば、名目の経済成長率をそれぞれ+2%とする。
その時、物価が2%下がれば名目経済上昇率は0%。
物価が4%下がれば、名目経済成長率は―2%。
物価が2%上がれば名目経済成長率は4%。
まぁ。そういう事だ。
物価とともに、名目経済成長率も上がれば実質経済成長率も上がるというわけである。
欧米の物価がちょっと高めなのはそれだったりする。
さて、本題に入ろう。
投資というのはGDPを上げるのに特に効果的ともいえる代物である。
が、それは国民がどの割合で自身の得た給料を消費するかによって決まる。
ここで授業をしよう。
ここまでの話で国全体の消費がGDPとなる事は分かっただろうか?
さて、であるならば、GDPを上げるためには消費を上げればよろしいと思われる。
がどうすればよいのか。
ここで、ケインズ経済学を元に消費関数を考える。
さすれば、ケインズ型の消費関数は一次関数で考えることができる。
すなわち、消費をC、傾きをaで後々重要になる限界消費性向とも呼ぶ。
そして、bを切片で起訴消費と呼ぶ。
そして所得Yが増えれば消費Cも増大すると考えられることが考えられる。
ケインズ経済学で成り立っていると仮定すれば、
限界消費性向、傾きaを0.8、
切片、基礎消費を0.5とすれば
消費C=0.8Y+0.5
という1次関数が成り立つ。
所得が0と仮定すると消費は0.5、すなわち基礎消費と呼ばれる。
簡単に言えば、生きているうえで絶対消費する金額である。
仮に所得を5万$とするならば、消費は4.5万$である。
そして、この傾きの0.8は限界消費性向と呼ばれ、追加所得が80%とそれに0.5が足した数だけ消費に回り、それ以外は貯蓄に回るのである。
そして、投資がどのように影響するのか。
これは数式で簡単に分かってしまう。
例えば、ある国の消費関数は
C=0.8Y+500
投資をIとして500とする。
Yは国民所得とするならば、投資を100上げるとどうなるか。
国民所得はGDPと同義であるので、
Y=C+I
となる。よって
Y=(0.8Y+500)+500
より
Y=5000
そこに投資を100増やすと
Y=(0.8Y+5)+600
Y=5500
となり500上がることが分かる。
と、投資を100増やせば国民所得、すなわちGDPが500も上がってしまうのだ。
ただし、そのGDPが上がる率は傾き、すなわち限界消費性向に依存し、その率が高ければGDPが増大する率も変化する。
※日本は限界消費性向は0.6~0.7、米国は0.8~0.9と言われている。
そして、この理論をもとに、公共投資が国民所得を何倍も増加させる乗数効果が計算できることが分かる。
それを乗数理論と呼ぶ。
そこで、国民総生産GDPを国民総所得Yとして書き直す。
そうすると、
GDP=消費+投資+政府支出+輸出利益
ここで先ほどの式と合わせると
Y=(aY+b)+I+政府支出+輸出利益
となる
そうすると
Y=1/(1-a)×(I+b)+1/(1-a)×投資+輸出利益
となる
そこで、政府支出のみに着目すれば、公共投資をΔGだけ増加させるならば
ΔY=1/(1-a)ΔG
であり、aは限界消費性向であるので、ここに0.8を入れてみる。
ΔY=1/(0.2)ΔG
ΔY=5ΔG
よって公共投資10億$を追加すれば、国民所得は50億$になる。
すなわちエリザベートちゃんが公共投資として10億$“ポンッ”っとくれればGDPが50億$増える。
そしてついでにエリザベートちゃんの懐も潤ってさらに大きな額の投資を“ポンッ”とする。
そして、帝室が投資したので国内投資家も投資を“ポンッ”とする。
GDPが増えれば税収も増える。
政府としての投資もしやすくなる。
ついでにGDP固定数パーセント程度の軍事費も、税収が大きくなるとなぜか自然に増えていく。
要はそういう簡単な話である。
それで帝国の国力が大きくなっていった。
ただ、そういうわけである。