WTクランによる帝国を勝利に導く物語~核抑止とは?~(本編完結) 作:紅茶
投稿頻度が下がりますがご容赦を。
あ、前の話で誤字報告をしてくれた方、本当にありがとうございます!
実はほとんどが絶対にろくに読んでくれていないと思っていたのですが、意外と読んでくれている人もいるんですね!(失礼)
実は作品名にある通りターレルを主題としています。
ですがターレルの描写がないのは…ターレル要素が来るまで、長い前置きと考えてくれれば…うれしいなぁ・・・?
統一歴1924年4月某日
連合王国首都ロンディニウム ダウジ・ング街10番地 連合王国首相官邸
「それは本当なのかね?」
「はい、第1次、第2次ポーア戦争で我が国が発行した戦時国債の合計1億£が帝国の皇帝の手にあることに…」
応接室で、連合王国にはないはずの部署…MI6所属のハーバーグラム少将より報告を受けていた。
「なんと…それで?」
「は、戦時国債が敵の手に渡っていることは我が国にとってまずい事でありまして…」
「ふむ。確かにその額の国債を平時においてもっていることは我が国にとってまずい事だがね。
ただそれは
今は戦時だからやることは決まっているだろう?」
「資産の凍結ですか?」
「そうだ、それしか無かろう。」
「ですが。それは「我が国が取れる最大の対策と思うのだがね?」
…それはそうですな」
「そして、もう一つ君が言わなければならないことがあるのじゃないのかね?」
彼は肩をぴくっと揺らし少々顔が青ざめる。
ではあるが、彼には首相への報告責任(見たいなの)がある。
※作者は連合王国をモチーフにした英国にそんなのがあるのか知らないので想像で書いております。
「はい…昨今、帝国の巨大化に基づき立案した多くの破壊活動の事ですが…」
「ふむ。それで結果はどうなったのかね?」
「それが…帝国本土航空基地破壊活動,線路破壊,港の破壊等を実行いたしましたが…」
「成功こそしたものの、帝国民の戦意をあおった形になってしまいました。」
「なんと。」
「さらには工作員さえも次々と連絡を絶っている状態で…」
「なるほど、帝国への工作がうまく行っていないと。」
「そういうことになります。」
「ふむ…ならば」
その時、応接間にある電話が勢いよく鳴った。
それは、帝国が連合王国の空軍飛行場及び海軍基地への空襲の第1報だった。
『閣下。先ほど、空海軍の基地が空襲されました。』
「それは予想されていたことだ。
それで、被害は最小限に抑えられたかね?」
『それが…』
ウィンストン・チャーブルはその次に聞こえた英文に自身の耳を疑った。
いくらか年を取ったと自認はていたが、未だに相手の言う言葉が聞こえなくなるほどは言って無いと思っている。
『空軍の飛行場が多大の損害をうけ、さらには…』
『スカパ・フローまでも』
「…それはどういうことだね?私の耳がおかしくなってないとすれば私には
スカパフローが
空襲を受けたと聞こえたんだが。」
『残念ながら、本当のようです、閣下。
今、海軍大臣が向かっておりますので…』
「海軍大臣だけか?閣僚全員を集めておいてくれないかね。
緊急の閣僚会議を行うのでね。」
『分かりました。』
カタン…と受話器をおいたチャーブル卿はこう呟いた。
「我がロイヤルネイビーは何をしていたのだ…」
と。
その言葉をハーバーグラムは聞き逃し
「閣下、なんと?」
と聞いたが
「大丈夫だ、問題ない。」
※問題大有りである
とごまかしたために
「そうですか。それで、先ほどの続きですが…」
「状況が変わったようだね。
今夜…今すぐにでも閣僚会議を行う。
その後すぐにそっちに連絡を入れるとしよう。」
「は、分かりました。」
その日は帝国空軍から制空権を奪取することは極めて難しく,ロイヤルネイビーの計26隻と言う主力はこれ以上の損耗を防ぐべく戦艦ロドニー等主力艦2隻を沈められたために1/3ほどの主力艦が地中海の要衝ジブラルタルへと疎開しに行き,英国本土周辺の海軍基地は主力艦を全く…ではないがそれなりに配しながらもいろいろ頑張る予定であった。
ただ、さすがの帝国空軍もロイヤルネイビーの拠点であったスカパフローをそうポンポン空襲してくるはずがないと連合王国海軍上層部も考えていた.
Ta152の戦闘航続半径で言ってもせいぜい500~600であるだろうから連合王国本土南部まではいけるがスカパフローまでは行けないだろうと。
それが当時の欧州戦闘機観であった。
陸続きで、航続距離が短くても全く問題はない、欧州。
そして、連合王国からでも大陸へは少し航続距離が短くても海を渡っていける距離。
それは上昇能力を重視して作られた迎撃機スピットファイアであっても共和国の沿岸部で戦闘できるくらいには彼我の距離は近かった。
対して、Ta152は何を念頭に作られたか。
それは迎撃であった。
スピットファイアと同じコンセプトであったのになぜここまで航続距離に差が出たのか。
それは単純に…
Ta152の主任設計者レナちゃんが、
「インターセプトをするなら航続距離が長いに越したことはないかな。
というか長ければ長いほど滞空時間があるってことだから反復攻撃を多く仕掛けられるんじゃないかな?」
という考えに到り、そして当時皇女だったエリザベートちゃんが
「海軍だったら空母ある方がロマンだよね」
との考えのもと海軍を空母建造に誘導しようとしていることを察してしまった彼女は。
「……………空母艦載機にするかぁ…。」
と言って余計航続距離を伸ばし、一切の妥協と怠惰を許さずくみ上げた結果が…
Ta152という、航続距離,エンジン馬力や空力性能に優秀な失速速度、低空安定性を備えながら機動性それなりにを保有するまさにオーバースペックとチートの塊のような戦闘機が出来上がったのだ。
そんな欧州戦闘機事情の中で稀有な存在であったTa152は民間に出回っていたエンジンによりTa152搭載の大まかなエンジン出力が割り出せては居たがどれほどの航続距離を持っているかは自分自身たちの常識に合わせてしまっていたのだ。
とまぁ、Ta152は長大な航続距離を持っているが、その制空権取得は連合王国本土までであり、海外領までは届くはずもない。
その考えより、ロイヤルネイビーの主力の本拠地がジブラルタルになったのは当然のことなのだろう。
そして、帝国に混乱をもたらすために懲りずに絡め手を使う、
その実は酸っぱく、そして毒性があった。
いつ実り、どちらが食らうのか、それはまだわからない。
―――――――――――――――――――
1924年4月25日 連合王国首相官邸
この日、連合王国首相官邸はピリピリとした空気に包まれていた。
「…で?どうしてこうなったのだね?」
怒りに震え、怒髪天を突かんばかりの表情で列席者を見渡す…いや、睨みつける男の名はチャーブル。連合王国の当代首相にして、根っからの帝国脅威論者である。
そして…あのブリカスの首相。
頭からは温泉に入った後のような見事だと感心するほどの湯気が上がっている.
彼に握りつぶされた哀れな,ロンドンタイムズ朝刊には何が書かれていたのか…
――帝国と共和国とが講和成功!―――
――我が連合王国の外交政策失敗!――
――我が国が帝国に宣戦布告してから一方的に押されている!――
――チャーブル内閣はすべての責任を取って退陣すべき!――
「講和となっていますが、それは実際もそうでしょう。
本国領土はわずかしか割譲されていませんし。」
「私が言いたいのはそういう事ではない!」
「君たちが言っていた『自由フランソワ共和国』はいったいどこに消えたのだね?『英雄的な抵抗を続ける誇り高き共和国市民』はどこに行ったのだ?」
「………」
「失礼。紳士にあるまじきところを見せたましたな。…ハーバグラム少将。ド・ルーゴ氏らの安否はいまだ分からんのかね?」
「…残念ながら。乗っていた戦艦『ノルマンディー』の状況からして絶望的かと。
…そもそも残存艦艇がないという事からして絶望的であります。」
「ロイヤルネイビーが忌々しい帝国空軍によって実質無力化され、我が連合王国周辺の制海権は危うくなっている。
私は帝国に挑戦しようとした無謀な人間だ。ただし、私はこう言いたい。
いったい
とね」
「……」
「分かっているとも。分かってはいるがね…
……空母等で制空権を奪取することは可能かね?」
「空母ですか。残念ながら焼石に水であるかと。」
「それはどういう?」
「本土防空のため空軍の方に生産ラインが動いているために空母艦載機の更新が追い付いていません。」
「…帝国では大型空母を就役させるという情報が入りました。もしかしたら…」
「ジブラルタルにいる本国艦隊主力が港湾に居るうちに空襲するというのか⁉」
重い空気に包まれる会議室。
時間がひどくゆっくり感じるほどの何も音がしない空間。
数分後チャーブル卿が静寂を破った。
と言っても列席者は体感では十数分だと感じていたが―――
「そういえば諸君。こんな格言を知っているかね?」
――永遠の友など存在しない。ただ永遠の国益のみが存在するのみ――
後世、『帝国を何としてでも倒そうと、悪魔と取引してまでも勝とうとした』と評された愚かな首相として、或る意味で有名な人物となる。
――――――――――
1924年5月 ベルリン・テーゲル空軍基地
其処は帝国の首都防空を担う最後の砦。
その基地司令はマルレーネ・フォン・シュトリーゾフ帝国空軍准将。
当たり前のように前世を持っている、
前世は501統合戦闘航空団ではぜかましと呼ばれていた。
前世では“彼”ではあったが、核による膨大なエネルギー消費により魂が異世界へ吹っ飛び無事幼女戦記な世界へと転生したのである。
女性として。
女性として。
まぁそんな彼女も戦争は男がするものだろう、だが能力があれば…な帝国軍において最初から出世街道を驀進し、年齢35歳で基地司令にまで収まっているのだからその能力の高さがうかがえる。
事実、部下をまとめ上げ、上司として多くの人望を集めている彼女である。
そんな彼女はターニャも含め7人の転生組の中で、希少で且つ唯一の常識人枠である。
そんな彼女は、自身の仕事をササっと終わらせ窓の外を眺める。
外では異色の航空隊が訓練をしていた。
海上迷彩を施され、胴体には帝国海軍の略であるD.K.Marineという文字が書かれている。
そう、帝国海軍航空隊が基地飛行場を借りて訓練をしているのだ。
帝国海軍では空母取得のためのノウハウをあの秋津洲海軍を教官(?)として得て相当な速さで空母の実戦投入を急いでいる。
操艦、艦載機の着艦訓練、航空機による移動艦船への攻撃云々が訓練としてあった。
そもそも帝国空軍においては操艦、移動艦船を目標とした対艦攻撃は日常茶飯事でおこなっており、それは帝国海軍航空隊においても同じような状況であった。
問題は着艦、発艦、空母による戦術であるが…
空母を使用した戦術は既に空軍から転校…いや違った。
転向してきたナスターシャが7年前に論文として提案した『空母打撃群における任務、戦術と統合運用』においてその根幹が出来上がり、本人はちょっと前線に行きたがるがそんなことはお構いなしに第24海軍航空隊を率いることが帝国海軍の上層部からのお達しでそうなった。
さらにその功績が認められたのか、防空巡洋艦プリンツオイゲン級の最後の艦に彼女の名がつけられた。
プリンツオイゲン級防空巡洋艦『ナスターシャ・シグラ』
まぁそんなわけで彼らは飛行場を飛行甲板だと見立ててひたすらタッチ&ゴーをしたり、この基地には地上用の油圧アレスティングワイヤーが張られていたため、空母が使えない時はひたすらここで着艦やらタッチ&ゴーなどの練習をしているわけである。
そんな彼らの実戦投入は1925年である。
そして…ベルリン・テーゲル空軍の基地司令室のソファでゆっくりとコーヒーを飲んでいる人物こそ、帝国海軍准将ナスターシャ・フォン・シグラだった。
「で、なぜあなたはここに?」
「いや、簡単なことじゃないか。部下が頑張っているところを見てる。」
「じゃあここで見なくてもいいでしょうに」
ごもっともである
「まぁそう邪険にしないでリラックスしましょ?」
「はぁ…気が抜けますね、あなたの声は。」
「なんですと、じゃあ君のケツを掘っちゃうぞ♂?」
何だ急に。
たまげたなぁ( ^ω^)・・・
「結構です。」
「あ。拒否権は無いんで」
「あなたそもそも掘る槍持ってないでしょうに。」
「あ、そうだった。私そういえば掘られる側だったね。」
「…なぜこんな卑猥な…仕方ないわね、これも運命か…」
「 そ う だ よ 」
ナスターシャ、転生する前はQちゃんと呼ばれていた人物だが…
前世はホモ(ネタ)であった。
ホモは世界を救う!