WTクランによる帝国を勝利に導く物語~核抑止とは?~(本編完結)   作:紅茶

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 は~いどうも作者です。

 最近エリザベートちゃん達をハリーポッターのせかいに転生させても面白そうだなーと考えている作者です。








 ターレル…そろそろ書きたいなぁ…?





ルーシー、そして謀略

1924年5月25日 深夜12時

 とある連絡機が深夜12時にロンドン近郊にある民間飛行場から飛び立った。

 

 帝国はさすがに民間のしかも迎撃機が飛んでこない飛行場には爆撃しないという程度の慈悲はあった。

 その連絡機の行き先は『モスコー』であった。

 

 その連絡機はもちろん帝国の電子偵察機兼早期警戒機EKC-1Eがとらえていたものの、帝国空軍の航空方面隊戦闘指揮所は脅威ではないとしながらもいつでも迎撃機が飛べるよう準備をしていたが、北東方面に飛んで行ったために見逃した形である。

 

 制空権を帝国が握っているために連合王国の駐在武官と外交官が乗り込んでいた連絡機は無事に『モスコー』へと到着したのだった。

 

 

 

 そこでどんな外交が行われたのか…

 

 それを知っていたのは帝国において誰もいない。

 

 

 

 だがしかし、予想できる人物がいることを忘れてはならない。

 

 

 

 

 

―――――――――

1924年5月26日 朝6時30分

 

 カタリナちゃんの朝は…遅い。

 いつも先にカタリナちゃんの夫さんであるルドルフが先に起きてコーヒーを淹れておき、パンを焼いて卵をぱかっとフライパンに落として焼き、ハムをさらっと焼いた後にある程度の野菜を添えながらも盛り付けをする。

 

 帝国の代表的なカルテルエッセンの食事である。

 

 

 さて、唐突だがカタリナちゃんとその夫君はいったいどこに住んでいるのだろうか…

 

 それは多くの将校の家族たちが多く住む軍人の住宅地ともいうべき場所である。

 

 

 カタリナちゃんは本来帝国の首都にある宮殿に住まなければならないような人物であるのだが、諜報局設置、そして結婚に伴いそこに移り住んだのである。

 

 もちろん護衛が付かない訳はなく、近衛第1師団の機械化歩兵より1分隊4人が配備されているが、その程度である。

 

 

―――実はその家にはカタリナちゃんが趣味で集めた本が大量にある。―――

 

 あったって何になるのかと言えば、何かにはなるのだろう。

 ちなみにカタリナちゃんが執筆した本もある。

 

 それは、『失敗の本質』*1である。

 

 カタリナちゃんが執筆した『失敗の本質』は帝国諜報局の海外の諜報員向けの乱数放送の暗号ブックの一つだったりする。

 

 

 

 

 例 これは特定の周波数で且つ、ドイツ語および英語でさらに女性の声で放送される。

 

 『NS 116 15 10』

 

 と放送されたならば、失敗の本質は横書きであるので『失敗の本質の116ページの15行目の左から10番目の文字』が暗号化された数字を解読した結果である。

 

 しかも同じ文字であってもいくらでも違う場所にちりばめられているので暗号化する人物の気分によってその文字を特定するための数の組み合わせは変化する。

 

 その暗号化を説くのは不可能に近く、そんな単純な暗号ではあるが防護性は高くコンピューターであっても解くのは不可能に近い。

 

 しかもこの『暗号ブック』は5冊ほど存在し、帝国内で一般に発売されているその本が暗号に使用されているのを知っているのは帝国諜報局の人間くらいだろう。

 

 

 

 まぁそんなことは置いておいて。

 

 本しかないその家にも実は数少ない実銃が置いてある。

 

 MP5Kである。

 カタリナちゃんはG3のようなフルサイズのアサルトライフルを持てないのだ。

 なぜかと言えば、

 

 「重すぎでしょこれ。何㎏あんの?4㎏!?無理無理、腕折れちゃう」

 

 と言うくらい力がない。

 まぁカタリナちゃんは一般的な女の子なのだろう。

 

 

 それで、カタリナちゃんが持てる銃という事でMP5Kが置いてあるのだ。

 

 まぁMP5KがPDWであることもあるが。

 

 そして、個人的にカタリナちゃんが気に入っている銃でPKP/Sを本人が常に携行している。

 

 

 

 まぁ近衛師団の機械化歩兵より一個分隊4人とあるが、そもそも近衛師団は比較的精鋭が多く護衛で言えばなかなかの戦力であることは間違いないだろう。

 

 護衛に家や自身の身を守られながらものんびり寝ているカタリナちゃんが起きるのは朝の7時である。

 

 自然に目覚めた彼女はお腹を空かせながらも起き上がる。

 

 おっと、昨夜はお楽しみのようでしたね。起き上がりシーツがはだけると白めな肌が露わになった。

 

 カタリナはそんな事には頓着せずに『スパァン!』と起き上がりベッドのそばにある籠から下着の束を取りだしてもぞもぞと下着を身に着けていく。

 

 ちなみに、籠は秋津洲から取り寄せてきた竹籠(値段にして5マルク。現在の日本円ではおよそ6000∼7500円ほど)である。

 

 そして籠の一番下に置いてあったパジャマをサラサラ~っと着ていき夫が朝食を用意しているのでドアを開けてリビングへと向かう。

 ちなみに夫婦ともに一人でベッドで寝ているのでベッドは一つである。

 

 

 ペタペタと廊下を歩きイスを引いてテーブルに着く。

 

「おはよー、☆ダーリン☆」

 

「おはよう、カタリナ。あ、今朝の新聞取っておいたよ。」

 

「あ、ありがとー」

 

 テーブルに置いてあった新聞を普通に手に取って読み始める。

 そして、ルドルフはそんな彼女を見て、

 

「はい珈琲。」

 

 とテーブルにコースターとともにコーヒーが入ったカップをテーブルの上に置く

 

「ありがと。」

 

 良い匂いが漂うコーヒーをゆっくり味わいながら、新聞をまず最後の面から読み始める。

 

 

 

 

 ちなみに、カタリナとルドルフの関係がなぜか夫と嫁が逆転してる気がするが気にしないでほしい。

 

 新聞には国家の機密情報に触れることもあるカタリナやルドルフからしたら知っていることしか載っていない。

 そんな時、一つの見出しに目が留まる。

 

「帝国の東方で独立運動…?」

 

 彼女はそんな報告がこの前にあったかしらとこの一週間を振り返ってみる。

 

「東方は確か…」

 

「もとはポーランドやらスロバキアがあった場所じゃないか? 確か最近併合された…といっても50~60年前くらいの話だと思うんだけど。」

 

 帝国は広大故に多数の民族を抱えている。主要民族のドイツ民族、ポーランド人、チェコ,スロバキア系民族、などなどであるが、今まで独立運動という運動は起こっていなかった。 

 

 それにもいくつかは理由が存在する。今独立すれば自治は復活するが、雇用がボロボロになるのは目に見えていたからである。

 

 感情を理性で押さえつけ、そして自身の生活にかかわることであったので黙りこくるしかなかったのだ。

 

 そして、エリザベートが色々国内を発展させていった結果としておこぼれという形として第1次、第2次産業の振興や観光業の発達により雇用がさらに拡大され、『独立』と言う言葉の影も形もなくなっていった。

 

 今や、各々の独立運動家たちは自身の国民たちに『非国民じゃないのか?』、『君たちは我々に死ねと?』というような疑問の目では済まないような。

 要はその人物たちは百眼視されていたのだ。

 

 

 

 取り合えず、疑問を持ちながらも読み進める。

 

 カタリナちゃんは新聞の読み方はすごい独特で、後ろの紙面を最初によみ、後ろ数ページを呼んだところで前の一面を読むのだ。

 ………自分で書いてて思ったのだけども、カタリナちゃん新聞の読み方独特過ぎて頭の中が宇宙猫になっております。

 

 とりあえず新聞をとじてひっくり返して表の面を開く。

 

 そして表第1面の大きな見出しを見た瞬間、カタリナは芳醇なコーヒーを吹きだそうとしてしまった。

 だが、無理もないだろう。

 

 表の第1面にはこう書かれていた。

『ブラチスラヴァで銃乱射事件!』

 

 とりあえず彼女は見間違いかと思ってよく見たが、文言は変わらない。

 

 カタリナは遂に新聞社が狂ったかと思い始めた。

 

 とりあえずリビングにある真空管のラジオを付けてみる。

 

 

『ブラチスラヴァでおきた銃乱射事件ですが、けが人などの詳しい人数は分かっておりません。

 5月23日の夕方16時に起きた~……』

 

「銃乱射でまさかの立てこもり事件????」

 

 カタリナちゃんは訳が分からなくなった。

 

 夫のルドルフ君はびっくりした様子でありながらも朝の食事の用意をする手は止めない。

 

「銃乱射で立てこもりか…帝国初じゃないか?」

 

「ええ、立てこもりは今まで幾つかあったようですけど、銃乱射は初めてですね。」

 

 

 とりあえず新聞社が狂ってないことは分かったので詳しく読んでみる。

 新聞によれば、

『5月23日の夕方、プラチスラヴァ大学で突如銃声が響き悲鳴が響いた後に犯人は時計塔兼展望台に立てこもり眼下を歩いていた通行人を撃ち始めました。

 事件の一報を受けたブラチスラヴァ警察が出動しましたが高さを利用されどうもできず、警察が地下水道から塔に侵入し犯人を殺害するまで92時間かかりました。』

 

『詳しい被害は分かっておりません…』

 

 

「…はっ!こんなのんびりしてられない!ルドルフ、急いで局に行くわよ。」

 

「分かった。カタリナ、急いで食べよ。」

 

 焼かれたパンをササっと食べ、残ったコーヒーも飲み干した後に食器の後片づけを彼女が澄ませ、白く良くピントとノリが効いたブラウスを着てクローゼットから『大鉄十字章』が付いた帝国陸軍将官制服をさっと着こみ、カバンを持ちあとは夫とともに局…すなわち帝国諜報局へと向かう。

 

  ※(ちなみに行き帰りは護衛さんが公用車を回してくれます)

 

 

 カタリナとルドルフが車から一緒に降りて登局し、局長室に入ったとたんに一気に彼女の雰囲気が変わる。

 …と言っても彼女は元々気が抜けるような、何とも言えない優しい雰囲気を常日頃から醸し出しているので今更雰囲気が変わっても若干としか言えない程度ではあるが。

 

 その雰囲気の変化は20年近く連れ添ったルドルフ、そして実の姉のエリザベート位しかわからない微量な変化である。

 

?「変化は微量であるため実質0.おっと誰か来たようだ。ちょっと失礼…うわ何をするやめ…アー―ーッ!!!」

 

「余計なことを言わなければこんな目に合わずに済んだだろうに…あ、前世ではホモなQちゃんです。どうもよろしく~~~~(^^♪」

 

 変な電波を受信してしまった。

 

 

 

 とりあえず朝の報告書に目を通す。

 

 と、もうすぐに今朝流れていたニュースの情報とその分析が書かれた報告書があった。

 

 その報告書には銃乱射事件に使われた銃器が帝国で広く使われているG3ではなく出所不明なサブマシンガンであった事や国境が近いための違法に密輸された銃ではないかとの分析だった。 ついでにご丁寧に使用された銃のモノクロ写真もつけてあった。

 

「これは…ステン短機関銃ですね。流れてくるならスオミの方かと思ったんですが、ステンですか…

 

 ステンはおそらく連合王国の銃。これは決まりですね。」

 

 とかいいながら次の報告書を手に取りはたまた手に取る。

 

 

 

『空軍によれば、連合王国から発進した正体不明の航空機が、連邦へ向けて飛び去った』

 との報告書であった。

 

 この情報が入った時点でカタリナちゃんは連合王国の腹黒紳士が一生懸命考えた謀略を把握した。

 

「なるほど…連合王国にはMI6がある。それを利用したんですかね。

 じゃあ、同じような事をしてやりましょうか?」

 

 その日、連合王国が負ける日は決まったと言っても良いだろう。

 

 

 彼女はその日、ルーシーに直接謀略するのではなく、秋津洲に手を伸ばした。

 

 秋津洲は陸軍中野学校というような現代のCIAやモサドのような知名度は無いが、それなりの諜報能力をそろえている。

 

 まぁ、そんなことを置いといて…

 

 

 連合王国が考え付くのはいたって簡単なことである。

 すなわち、ルーシー社会主義共和国連邦を餌をぶら下げてからの参戦要請であろうと。

 

 そして、あの夜の未確認飛行物体は大方連合王国の外務省の連絡機であることは容易に想像がつく。

 

 はたまた、なぜ国境にそれなりに近い場所で銃乱射事件が起きたか。

 国境の警備隊がさぼっていたのか?

 それもあるかもしれないが今はそういう事ではない。

 

 なぜ連合王国の銃が密輸されているかである。

 おおかた、戦わずして勝とうと帝国の少数民族や比較的新し目に併合された地区を狙って前の世界のフランスみたいなレジスタンス的活動を期待したのだろうが、少々甘かったようである。

 

 

 実際のところはと言うと…

 

 実は帝国の田舎というのは意外と恐ろしく、ほかの人物が訪れ居ついただけで噂になる。

 

 まぁコミュニティが

 

 その人物が怪しいことをしているならば

『こいつ怪しいな…サツに言いつけてやろうか』

 となって警察に話が行く。

 

 その警察も大体配置換えとかは起きず、住人も見慣れた顔ぶりの中に異質の人物が混じっていれば目立つ。

 

 なんかやらかせば追い出す。

 まず工作員が田舎に潜伏することは不可能であった。

 

 

 

 

 

 

 比較的新しく設立した帝国とは違い、連合王国の『連合』は薄氷の上でダンスをしているような状況である。

 

 アイルランドは独立色が特に強く、独立をするためにテロのような事をする国である。

 ウェールズもアイルランドよりは過激ではないモノの独立色が強い国である。

 何せ、EUから離脱してしまうという理由で住民投票で僅差で連合王国残留と決まった国である。

 

 このアイルランド、ウェールズは独立色が特に強い国柄であり、皇帝の名の下でなぜかよくわからんが強く結びついている帝国より不安定な国である。

 

 アイルランドに関してはちょいと刺激するだけでガソリンに引火するがごとく一気に燃え始める。

 

 

 その一気に引火させえるためのマッチを用意するのはこちらで用意しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて…ルドルフ君、あの計画をそろそろ準備する必要があるね。

 

 秋津洲へのプロパガンダで少なくても5ヶ月は稼げるでしょうね。」

 

「分かりました。工作で“あの”作戦の準備をしましょう。」

 

 

 赤へのヘイトが溜まりに溜まりまくった帝国諜報局がルーシー連邦を分割させる日は近い。

*1
失敗の本質と言う本は本当にありますが、読んでいて頭が痛くなる本です。気を付けて読みましょう。

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